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リンクに刻む軌跡は人生を奏でるスコア

ききどん

ひとまずよかったと胸をなでおろした。

昨日飛び込んできたニュース。

フィギュア初心者ファンだけど、無観客でも試合ができるという希望が選手にとっては今一番大事だと思っていたので、勝手ながらほっとした。

スポーツもスポーツ以外も目標があると日々のがんばりを支える力になる。

2016年10~12月に放送されたフィギュアスケートアニメ「ユーリ !!! on ICE」に競技の魅力を教えてもらい、それまでオリンピックの放送くらいしか見てこなかったフィギュアスケートをたくさん見たくなった。

海外の試合はさておき、国内試合でもテレビ放送が生中継ではないことが多く、「リアルタイムで観たい、その瞬間を。」と思うようになり、ライブストリーミングもチェックするようになった。

世界中のたくさんのスケーターの演技に、「みんな違ってみんないい!」をこれほどわかりやすく見せてくれるスポーツがほかにあるだろうかと感動した。多様性を尊重することが、この競技のスタートラインだと思った。

競技だから点数が出て順位が決まる。でも、それだけじゃないものに出逢えるのもフィギュアスケートだ。

2018年から全日本選手権を現地観戦するようになって思うことがある。

各地域の予選を勝ち上がって出てくる選手の中には、大学4回生でラストシーズン、最後の全日本になる選手も毎年何人か出てくる。

「引退」を決断するって、どういう心境なんだろうか。

自分で「これが最後」と決めるって、強さと信念がないとできない。何かを引退した経験は私にはないけど、誰かに「これで最後ね」と言われた方がよっぽど楽な気がする。

スコア(score)は得点の意味のほかに楽譜の意味もある。

リンクに刻む軌跡はまさにスコアのようも思える。

ずっと練習してきたジャンプを降りた時、

音楽の盛り上がりを先導するかのように高速スピンを回りきる時、

一番体力がキツい終盤に感情むき出しのステップでリンクを縦断する時……。

自分の歳の半分の頃の若い選手たちが、一瞬一瞬のそんな時を重ねて5分とない時間の中で、これまでの人生を奏でるような演技を滑り切った時には、もう立ち上がりこぼれる涙をぬぐう時間を惜しんで拍手を贈るしかない。

2020-2021シーズンはまだ靄の中で、手探りでその道を歩いていくように思う。

たとえ同じ会場内で観戦できないとしても、私たちファンは靄の中を滑る選手たちに拍手と声援を贈りたい。それが前へ進む力になればと願いながら。

入口が靄であっても、出口は明るい光に包まれた世界でありますように。

努力してきたことが発揮され、報われる時がきますように。

願わくば観客席で、拍手が止み、静寂の中、スタートポジションに着く瞬間のスケートの音が聞きたい。あの一瞬が今とても恋しい。