制作に入る前、まずは水晶の原石で作品を作りたいという気持ちが強く湧いた。 * 少々難しい話になるが、地球上(地殻)の多くの成分の一つに二酸化珪素があり、様々な姿で存在する。 その成分の代表的なものは先の尖った柱状結晶や不定形な塊の水晶、また一見全く関係なさそうなオパールや天然のガラスなども実は同じだったりする。瑪瑙も黒水晶も紫水晶もみんな同じグループになる。 鉱物は本当に多種多様。いろんな形があり、いろんな色もある。それは大地がまるで鉱物を手にする者にメッセージを与え
今年は今までになく「新しい年」という切り替わった感覚を感じていた。 そして何か新しく始めたいという気持ちが沸いていた。 具体的に何が変わったのか一言では表せない。 しかし、どこか自分自身の中と表現方法が変化していく気がしている。 その好奇心にも似た新しい気持ちで2022年の作品展に向き合っている。 * この作品展では主に国産の鉱物と大麻や絹糸など 天然の素材をふんだんに使った作品を揃えている。 3年目の今回は鉱物から「大地のことば」として 受け取ったインスピレーショ
数ある石の中でも青い石が好きで、自然と集まってきます。 カイヤナイトは特に魅力を感じる石で、 中でもネパール産のこの深く青い色が大好きです。 ネパールには2012年に訪れたのが最初で、 次に行こうとした時には直前に大地震があったおかげで、以来遠のいている。あの頃が懐かしい おっと、この話は長くなりそうなので、旅の思い出編でお話をしましょう。 * * * さて、この特徴的な青色にどんな色の糸を選ぶか。 毎回迷いながらも万能なアースカラーを選び、 次に少し遊びたくなっ
先日、愛知県春日井市 たいようさんでの作品展が無事終わりました。 こんなご時世ですが、お会いできたみなさま、 作品を気に入ってくださったみなさま、 感謝の気持ちでいっぱいです。 一年前の作品展から続き「自然を纏う」というタイトルどおり、 国産鉱物や天然素材の糸と向き合い、自然が作り出す芸術的な美しさを 日々の生活の中で身につける喜びを感じていただけたかと思います。 たいようさんの建物は昭和初期に建てられた日本家屋。 昔ながら玄関の扉をあけると、 落ち着いた雰囲気で昔な
先日の記事で出てきたシンボルとして身につけているペンダント。 前回の記事はこちら この水晶の内部には虹色が見える。 * * * 世界中の多くの場所に存在する水晶。 多くの方がイメージするのは無色で透明な石だが、じっくり眺めてみると 実は面白い表情を見せてくれる。 別の鉱物が入り込んだり、微量な成分の含有により色がついたり、水晶が合せ持つ不思議な特徴は色々あるけれど、内部に虹色に見えるごくわずかな層のような隙間(割れ目・クラック)をもつ水晶は格別だ。 * * *
ある年の夏、訪れた岐阜県の山中の川の中から深い空色の石を見つけた。 これはクリソコラ?マラカイト?白っぽいところは石英か? 探そうとして見つけたわけではなかったから、まるで石の方からやったきたようだった。 * * * 初めは半信半疑のまま持ち帰った石だったが、加工してみることにした。 こういう入り混じった石は脆いことが多いが、切ってみると意外としっかりとしていた。これなら加工できそうな手応えを感じて研磨してみると、なかなかツヤも出て想像以上の仕上がりだった。 鑑別
アトリエを設立した頃、「ツチトカゼ」と命名したのには理由がある。 自分の手で染料になる植物を植え、染めて・・・と、終始一貫して自分の手で作品を作り上げたい。そういう想いがあった。その「染め」に必要になるのが「ツチトカゼ」 天然素材を染料とする場合、多くの染料は定着や発色のために媒染という対になるような要素が必要になる。主に鉄やアルミなどで、古代から引き継がれる知恵として土や灰などが活用されてきた。そこから「ツチ(土)」 そして染めた後、色をしっかりと保存定着(乾燥)する
シルク糸と聞いてどんなものを真っ先に思い浮かべるだろうか。 最小単位の繊維は、髪の毛よりももっともっと細く、ほんの微風でもふわっと舞い上がるほど軽い。その糸をたくさん束ねて加工されている。 言うまでもなく天然素材で、加工品も縫い糸以外は工業的規格はないし、シルク糸と一言で言っても様々な用途に合わせて作られているために種類は星の数。その上、各工場や加工の数や具合で随分と様子が異なる。同じ規格とされる糸でも、ロットで実は結構違う。 初めはレース糸や穴糸などのメーカー規格
今でも日本の各地で多種多様な鉱物が採れているのをご存知だろうか。 実は意外と身近に存在していたりする。 *愛知県でとれるオパール 国産を代表する鉱物は水晶、翡翠(ひすい)や琥珀(こはく)、瑪瑙(めのう)など。これらは今でも日本各地で産出しているものの、滅多にお目にかかれない。 日本列島は地殻変動が活発で火山が点在し、その多くの場所には温泉もセットで存在する。そしてもれなくその場所には鉱物資源があり、主に金や銀や銅、時に世界的に希少価値の高い鉱物まで、江戸時代から昭和初
真珠(パール)といえば三重県伊勢市が一大産地。 その伊勢産の同じ形が二つとない個性的な形の真珠(バロックパール)にシルク糸を合わせたシンプルで美しいブレスレットを制作した。 真珠の加工には、鉱物と違って中心には核なるものが存在し、熟練の職人による核が動かないよう丁寧で慎重な穴開け加工が必要となる。 ちょうどいい大きさの穴を開けてもらった真珠に、しなやかなシルク糸を通しダイヤのビーズを添えて、シンプルで素朴なテクスチャーのシルバーフックを取り付けた。 * * * そう
メルボルンのストリート、通称アンズ前で道売り生活は続きその後どうするかを考えていた時にせっかくオーストラリアまで来たのだからもう少し足を伸ばしてニュージーランドも・・・。 旅は計画があって、ないようなもの 良い事も悪い事も毎日やってくる で、一日笑って過ごす事が なんて素晴らしいんだって体感する事もある そして毎日が人生の帰路、選択の瞬間がある 当たり前の事すぎてすぐ忘れてしまうけど 歩いている道を右に曲がるか、左に曲がるか それが人生の全てを変える事だって転がっ
写真はメキシコの路上。 なんだか気になる看板だったのでパシゃっと。 美味しいよ!メニュー コーヒー・ジュース・豆のタキトス そんな事が書いてある看板でした。 メキシコ料理についてはいつかお話しましょう 本場のタコスは日本のタコスとは全く違うから 初めて食べたタコスは衝撃だった! 前回の続き。オストラリアの旅の途中 メルボルンというオーストラリアで二番目に大きな街に住んで その時はマクラメで稼いだお金で生活していたという話。 当時は住んでいたという感覚は少な
前回のメキシコの話が随分脱線してしまったが 旅と物づくり 今、マクラメをしている根幹。 そのきっかけがオーストラリアでの出合い それは最初の記事に書いた そんな、感じでしたね 今回はちょっと時間をさらにさかのぼった事を書きましょう 当時、国外への旅行も、外国の方と話した事もなく 飛行機すら乗ったことのないまま 突然思い立って日本を飛び出した僕は 何をするにも大変で、3ヶ月ぐらいは毎日生活するだけで 一日が終わって感じだった…。 義務教育での英語の学習は
トップの画像は文面と関係ありませんが メキシコのテキーラ村のランドアバウト(環状交差点)です さすが世界遺産にも登録されているアガベ(リュウゼツラン)の街 荒野を走るバスの中から見える景色はアガベで埋め尽くされていた メキシコと言えばテキーラ。その原材料となるのがアガベで 多肉植物の一種らしい ↑これらがアガベ 大きい物は1mぐらいになるようで とにかく果てしない荒野に整然とならんでいるアガベは圧巻である ひたすらアガベ・・・ アガベ・・・アガベ そんな
sphere(スフェア)の廣瀬です 以前のブログのアカウントから移動して 新しい気持ちで最近のインスピレーションを つづっていきますので どうぞ宜しくお願いします 今回は新しいサイトに移り始めての記事なので そこで、記事のタイトル通り 『私とマクラメ』 マクラメと出会ったきっかけを綴っていきます ※写真と文章の内容は関係ありませんが、タスマニア島の原生林は凄まじい自然の力を感じました マクラメとの出合いは 2007年、オーストラリアの最南端にある島 タ