虹を捉える
先日の記事で出てきたシンボルとして身につけているペンダント。
前回の記事はこちら
この水晶の内部には虹色が見える。
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世界中の多くの場所に存在する水晶。
多くの方がイメージするのは無色で透明な石だが、じっくり眺めてみると
実は面白い表情を見せてくれる。
別の鉱物が入り込んだり、微量な成分の含有により色がついたり、水晶が合せ持つ不思議な特徴は色々あるけれど、内部に虹色に見えるごくわずかな層のような隙間(割れ目・クラック)をもつ水晶は格別だ。
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多くの石は表面の形状や色の美しさを求めるのである意味2次元的だが、虹(アイリス)を見せるアイリスクォーツは石の内部を引き立てるために3次元的に美しくなければならない。
どういうことかというと、虹を存分に感じるルースに仕上げるには、内側の虹色の層の向きを完全に見極めて、かつ現状の原石の形から、虹が最も美しく見えるように表面のカーブとラインを脳内で同時に設計していく必要があるということだ。
内部に潜んでいる虹の場所と角度を捉えるのは実は非常に難しい
原石の表面は不純物のせいで不透明だったり、サビのような鉱物で覆われていたり、そもそも表面がザラザラゴツゴツしていて完全に中の状態が見えない。もし見えていたとしても、表面が平らではないので正確な位置や角度が掴みにくい
そんな状態から始まるルース制作は、作業の前にまずはいろんな角度から眺め、ライトを当て、ルーペを覗き、脳内で設計していきながら原石を見極めることに多くの時間が費やされる。
そして不要な箇所を取り除き、大まかな整形したのち、虹が最大に見える角度に微調整を重ねる。
言うまでもなくペンダントなどに制作することを想定し、加工しやすさ、着用した時に美しく見えるかなどを想像しながら作業は続く。
整形ができたら、今度はキズ一つなく、自分の姿が移るほどに磨き上げる。
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このルースは虹がしっかり見える向きは、実は上下逆になっている。
この向きでは正面からはほとんど見えないが、
上下を入れ替えると変えるとこのように光を放ってくれる。
原石の形状から、虹を優先するか、整形(形や大きさ)を優先するのかを天秤にかけしばし悩んだ結果、このルースは「虹を愛でる」ペンダントとして構想して仕上げた。せっかく虹を身に付けるのなら自分で愛でたいと言う発想だ。
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アトリエではそんなストーリーや想いを込めた個性的な石をメインに制作しております。長く気に入ってもらえたら幸いです。