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土を食べる


<土を食べる>

実は土を食べる土食は世界中で報告されている。
南米ペルーのアンデス山脈のアマゾン川上流部の奥地サラオというところには、動物たち(特に霊長類)がやってきて水を飲み、土を食べる様子が確認されている。
そして、その近辺に住む民族はそのことを昔から知っていて狩猟スポットとして利用していたという。

またアフリカのウガンダのキバレ国立公園のチンパンジーがある植物と一緒に土を食べている様子が観察されたという。
フランスの研究チームはその植物の葉と土を混ぜたものを研究したところ、強力な抗マラリア性の薬効を示した。
オウムやウシ、コウモリ、ネズミ、ゾウなどは動物の習性として食べることが確認されている。

そして、我が国日本でもサルやシカなどが特定の場所の土を食べる様子が観察されている。しかし、まだはっきりとした理由は明らかになっていない。

研究者の中では塩分やリン酸など自然の中の植物だけでは不足がちになる栄養分を採取しているのではないかと考えられている。

実は人間の土食も世界中で報告されている。
面白いことに日本の昔ながらの民間療法には妊婦さんが土を食べることで悪阻の防止に役立つ、というのがある。これは土が有害物質を吸着し排出するからではないかと考えられている。
アフリカのタンザニアでも妊婦が食べる土(ペンバ)があり、なんと市場で普通に売られている。こちらは吸着能力ではなく鉄やマンガンなどの妊婦さんが特に必要とする微量栄養素の補給となっていると考えらえている。

ほかにもネイティブアメリカンはイワーキー(癒しの土)と呼び、心労回復に食べるという。ベトナムでは土の網焼きを客人のもてなし料理とし、ハイチではテーレというビスケットに土を使う。

高級フランス料理には煮込んだ土にルッコラの根を添えた土のスープがある。

樺太地域のアイヌ民族には珪藻土を使う。アイヌ語でチエトィと呼び、意味は我らの食べる土だ。これを水に溶かして煮立てたものに、ハナウドの葉柄とウラジロタデの若茎、クロユリの鱗茎などを潰して加え、さらに油を加えて食べる。

中国では薬用になる植物や鉱物を研究する学問本草学があるが、16世紀にまとめられた大著「本草綱目」の第7章は「土部」となっており、黄土の窯から得られる伏龍肝が漢方薬として紹介されている。

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