虚像の安全神話・マジで勘弁強盗3連発
おふろ屋の事件簿
甘い警戒心と警備体制
もう10年以上前のことですが、僕が運営統括をしていたスーパー銭湯が、10日間で3回強盗にはいられた経験があります。
当時勤めていた会社は3施設のスーパー銭湯をドミナントで運営していましたが、続けてやられました。
各店深夜まで営業していましたので、犯行は閉店して暫く経った明け方間近に行われました。
手口は、正面玄関をこじ開けて、堂々と店内に入る、手際の良いモノでした。
詳しくは書きませんが、自動扉の多くは鍵をかてていても、いとも簡単に開けることができます。
被害に遭うまでは、あんなに簡単に扉が開くとは知りませんでした。
一つ忠告をしますが、自動で開く扉は、夜間鍵をかけた後、左右に開けられないように、つっかえ棒をしておくと良いでしょう。
理屈に合わない犯罪者の行動
警備会社の記録と防犯カメラから、ベルが発砲してから 、5分以内に仕事を終えて出て行きます。
正確に言えば、1度目以降は対策を打っていたので、各店侵入に成功されましたが、奴らに成果があったのは最初の施設だけで、後の2施設は空振りだったのです。
狙いは靴箱に使う100円リターンロッカーに使う両替機、どの店も玄関に入ってすぐの場所にあります。
売り上げをやりとりする券売機や、路上でも使う自販機と比べると、簡単に運び出せます。
大した金額が入っている訳でないので、実害は持ち出 した両替機、無理やりこじ開けられた自動扉の修理代の方が遥かに大きいのです。
家宅侵入罪、器物破損罪、強盗窃盗罪、もしも館内に従業員が居て、鉢合わせすれば考えたくもない犯行も予想されます。
事実、1度目の犯行後に自動扉に細工をして同じ手口では入れないようにしましたが、その都度手口は手荒となり、侵入を許していました。
そのため、実害があった1度目よりも手荒に破壊された箇所の修理コストの方が高くつきました。
咄嗟の時に犯罪を行う者は何をするか予測もつきません。
日本の安全神話は虚像である
温浴事業に従事する前に、11年間宝石を販売する仕事をしていました。
全国に数百の店舗がありましたが、毎年どこかの店で、夜間に侵入者によって。ショーケースが滅茶苦茶に破壊されるといった事件がありました。
僕が担当していた店舗も、何度か被害にあったことがあります。
破壊され、散乱したお店の現場検証に立ち会う度に、怒りより虚しさがこみあげてきたのを思いだします。
もっとも、空虚さを味わったのは阪神淡路大震災の時です。
この時神戸地区の店舗を担当していましたので、瓦礫と化した現地に歩いて入り、各店を回りました。
地震によって破壊された建物、原型を留めない現場に、明らかに人為的に荒らされ、そこにあるであろう筈の金品が盗み出された現場を見た時でした。
なぜ、こんな時に・・・・
まるで、映画のスクリーンのようにしか見えない光景の中で、おぞましい現実を突きつけられました。
ここは本当に現代の日本なのだろうか?
時間が止まり、ただただ唖然としました。
それから、暫くして東の方では地下鉄の中で猛毒が撒かれ、大勢の人が死傷するという、世界でも類にない事件が起こりました。
あれから30年近く経ちました、昨日はこの7月に、僕の住む近くの街で凶弾によって倒れた前首相の国葬儀が行われました。
街のあちこちで、見知らぬ同士が裸でお風呂に入れる安全な国、どうかこの先、社会を歪めるような出来事が起こらないよう、祈るばかりです、
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