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公演前日に出演決定。演技未経験の人間が俳優になった日。

前日、3/15

当日きたお客さんの中から一人を舞台に上げてショーを行う。主催者はこの企画を行うのは3度目だが、即興のため共演者とは当然初めてになる。
セリフも台本もない。打ち合わせも、ない。
どんな事を考えて結末に向かうのか?




そんな挑戦を見たかった。見るだけのはずだった。

が、前日に事態は思わぬ展開を見せた。


3/15、公演前日。Twitterのスペースにて。



「台本がある舞台は起承転結が決まっていますが、即興だとどんなことを考えて最後に持っていくんですか?」

「明日って来てくれるよね?」

「は、はい、できることなら明日舞台に立ちたいです」

「じゃあ明日やろうか」


・・・え?

明日? 舞台に立てる?

10年間叶わなかった夢が、こんなにもあっさり決まってしまうの?
しかも、憧れの下北沢で。

舞台は台本を覚えて、稽古を経て本番へ向かうもの。

そんな当たり前が壊された。



即興ってすごい。人生だ。

質問に「やってみたら早いよ」の精神(?)であっさりと出演を快諾。
この軽さはどこからくるんだろう。


何も知らないけど任せられる。大丈夫。声を聞いて、行動を見て、反応するだけでいい。
私はただ、舞台にいればいい。夢が叶う瞬間を楽しもう。




当日、3/16

興奮が冷めず3時間しか寝れなかった。
いつもなら日中、必ず眠くなるのにそれがない。
そして夜も寝るのが遅くなりそう。

とにかく表情筋動かしておこう、と仕事中はひたすらマスクの中でストレッチ。(変な人)


知り合いに急いで連絡。
¥2000だとお財布にも優しい!

早く夕方になってほしいような、この嬉しさが終わってほしくないむず痒さを抱えて日中を過ごした。
不安はない。相手はプロで、私はただその場を楽しむだけ。


夜は軽食ですませて下北沢へ。
いつも観客として訪れる街。実感がないまま、会場へ向かう。

予想外の近さに体が震える。怖さではなく、期待。
本当に立つのか?
OPのピアノの音を聞いた途端、震えが少し引いた。


そして、呼ばれた。

あぁ、現実なんだ。ステージへ向かう。

涙を堪えている。右を向いてしまうらしい。


終演

1時間がとにかく、あっという間だった。
初対面なので最初軽いワークをやって、その延長線で公演へ。

最初は緊張で同じ場所にいたけど、忍翔さんが見事に空間を動いてくれて自然と私も体が動いた。
初心者が体験するにはちょうどいい広さ。


人を笑わせたり、感動させることなんてできるんだろうかと思っていたけど、物語が進むに連れてお客様は私と同じように反応していた。


私でも感情を揺さぶることができた...?


合唱団と吹奏楽でステージに立つことは度々あったけど、拍手以外で反応をもらうことはなかったので衝撃だった。

これは...ハマる。何が起きても何とかしてくれる。
安心感があるプロたちと創ると、とてつもなく大きい作品ができた。

終演後、撮影タイム



今の自分の素顔が全て曝け出されて感情も丸裸になった。
私のトリガーは何なのか、劇中で様々なことを試行錯誤し懐に飛び込んできた。
「この思い出、外へ出してもいい?」
無邪気な目で覗き込まれたら「どうぞ」と言うしかない。
何を言ってもいい場所」とインプロには安心感があるからこそ、積極的に傷つけられてもいいと思っている。


ピアノと照明にも助けられ、あっという間に時間は過ぎた。とても素晴らしい方々でした!
また共演する機会を作りたい!!


左:ピアノCHIZUE 右:照明 松本永



そして、次の夢へ

アフタートークの質問で改めて「夢」を思う。

インプロを広めていきたい。人生は即興。
インプロは人生を生きやすくするヒントをくれる。

言葉で書くと延々と続いてしまう...

とにかく楽しい!


短く言うと、ね。



夢って、職業だけではなくて色んなところにある。

  • 美味しいものを食べたい

  • 旅行に行きたい

  • 会いに行きたい人がいる

  • 今の自分から変わりたい


今すぐの夢は「地元に帰りたい」です。
いつかこの夢は叶わなくなる。
だから、持ち続けられるうちは、帰る場所があるうちは帰りたい。

場所がなくなってしまったら創るとき。
故郷は生まれた場所だけではなく、思い出が宿る場所にもある。
普段は気づかないだけで。

〜感想と嬉しい言葉たち〜











今回の主催、忍翔(おしょう)さんのHPはこちら↓
インプロ(即興演劇)は生きやすくなるための1つの手段。
俳優以外の方にも、出会っていただきたい方です。


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