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サッカー指導者のキャリア構築:計画的偶発性理論の視点からの新たな展望

こんにちは!
サッカー指導者のためのサービス「Footbolster」の藤田です。

これは「#10年後にスポーツ業界を盛り上げる若者たち のAdvent Calendar 2023」の21日目の記事です。

昨日はFordienceくわばらさんの『Fordience 第一話「僕とFordienceの始まり」』の記事でした。

「スポーツに熱くなりやすい世界を作る」という理念、とても素晴らしいと思ったので全力で応援させていただきます!


さて、本日の記事について。

実は、僕、幼稚園から大学までサッカーをやってきたサッカー大好き人間なんです。

サッカーに関わる人の価値を上げていきたいなーと思い、サッカー領域で事業作りをおこなっております。

その中でも指導者の方とコミュニケーションを取る機会が多いので今回はサッカー指導者に向けたnoteを執筆させていただきます!


I. 序章

 サッカー指導者の役割とキャリア構築の重要性

サッカー指導者として活躍するためには、その役割とキャリア構築の重要性を理解することが必要です。
本記事では、キャリア構築の重要性について言及し、指導者としてのスキルや知識の向上、経験の積み重ねが求められることを伝えます。
サッカー指導者を目指す人や既に活動している人にとって、役割とキャリア構築についての理解は欠かせません。

是非、本記事を参考にして、目指すべき姿を考えるきっかけにしていただけたら幸いです。


II. 計画的偶発性理論の基礎

そもそも「偶発性」とは何か?

偶発性とは、必然性の対義語であり、思いがけず偶発的に発生する性質のことを意味する。

グロービス経営大学院 MBA用語集

そう、偶発性とは、予期せずに起こることを指します。
ある出来事が偶然に起こり、予定外の結果や状況が生じることです。

例えば、自転車に乗っていて道路で転んでしまった場合、それは偶発的な出来事です。この場合、転ぶことを予期していなかったために、怪我をしてしまったかもしれません。

もう一つの例え話として、学校での授業中に突然大雨が降ってきたとします。この大雨は予報には出ておらず、生徒たちは予期せずに雨にぬれてしまいます。このような場合も偶発的な出来事です。

偶発性は、私たちの生活や日常の中でよく起こるものです。予測できることとは異なり、突然起こることを意味します。

計画的偶発性理論の概要

それではここでタイトルにもある計画的偶発性理論について説明していきます。

計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)は心理学者のジョン・D・クランボルツ氏によって1999年に発表されたキャリア理論です。

研究内容としては、成功したビジネスパーソンのターニングポイントの8割が偶然の出来事から起きていたそうです。

さらに、計画的偶発性理論によると、人々は自身の人生やキャリアを完全にコントロールすることはできないが、自分の目標や価値観に基づいて、未知の出来事や偶然性を積極的に受け入れ、それらを活かすことで新たな機会や学びが生まれる可能性があるとされています。

ただ単なる運命論的な視点からのみではなく、偶然性を捉えるための具体的なスキルや行動パターンを磨くことを提唱しています。

そのため、明確なキャリアプランやゴールを定めずに、現在に焦点を当て続けることでキャリアを考えていくことを特徴としています。

Point① 3つの理論骨子

計画的偶発性理論は3つの理論骨子から成り立っています。

1. 予期せぬ出来事がキャリアを左右する
2. 偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる
3. 何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える

計画的偶発性理論とは?クランボルツ教授に学ぶキャリアデザインーRGF

このように、予期せぬ出来事に遭遇するために意図的にアクションを取りまくってチャンスを掴みにいくことが必要ってことですね。

Point② 理論の5つの行動特性

予期せぬチャンスを生み出し、掴み取るためにはキッカケを作ることが大切です。
その際にクランボルツ氏がとるべき行動がと記しているのが、次の5つです。

1. 好奇心(Curiosity):新しいことに興味を持ち続ける
2. 持続性(Persistence):失敗してもあきらめずに努力する
3. 楽観性(Optimism):何事もポジティブに考える
4. 柔軟性(Flexibility):こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる
5. 冒険心(Risk Taking):結果がわからなくても挑戦する

計画的偶発性理論とは?クランボルツ教授に学ぶキャリアデザインーRGF

どれも難しいことではありません。
頑張れば誰もがチャンスをもらえるわけではないですが、行動を起こさないことにはチャンスは舞い込んできません。

III. サッカー指導者のキャリアと計画的偶発性の関係

サッカー指導者における計画的偶発性の重要さ

私は、サッカー指導者において計画的偶発性の考え方は非常に重要だと考えています。

そもそもサッカーという競技自体、ミスのスポーツですし、計画的偶発性の塊みたいなもんだと思いませんか?

僕はそう思ってます。

さらに指導者のキャリアの特徴で流動性が非常に高いこともこの理論との関係性が高い理由になっていると考えます。

例えば、「キャリアアップのチャンスがあるのか」はたまた「いつクビになるか」「クラブがなくなるか」など、キャリアパスの予測が難しすぎます。

だからこそ、次のキャリアや新たな機会のためにサッカー指導者は偶発性を高める行動を積極的に取っていくのが重要です。

偶然から学ぶ:成長と学び

偶然からの学びは、サッカー指導者の成長に重要な役割を果たします。偶然な出来事や予期せぬ状況は、新しい視点を提供し、問題解決能力を養い、指導者が臨機応変に対処する能力を高めるきっかけとなります。例えば、重大な試合での予期せぬ状況や急な選手の lesión(負傷)など、偶然による出来事は指導者に迅速な対応や新たな戦術の模索を求めます。

偶然からの学びは、指導者の洞察力と決断力を向上させることがあります。時には、意図せずに直面する困難な状況が、指導者に新たな視点や創造的な解決策を見つける手助けをします。偶発的な出来事は、指導者に選手やチーム全体の特定の弱点や改善点を明確にすることもあります。

例えば、選手間の意見対立や不協和、または予期せぬ敗戦は、指導者にとって突然の学びの機会となることがあります。このような状況に直面した際、指導者は柔軟性を持ち、そこから学び取ることで次のステップに向けてチームを成長させるための方策を見いだすことが重要です。

サッカー界における有名な指導者たちの多くは、偶然な出来事から学び、成長しています。
彼らは困難な状況や予期せぬ出来事を克服するための戦略を見つけ、それが後に彼らの成功につながったのです。

偶然からの学びは、指導者にリーダーシップスキルやリスクマネジメントの能力を磨き、さらなる成長と成功につながる可能性があります!

IV. サッカー指導者のための、計画的偶発性理論の活用方法

イベントや出来事からの学びと成長

選手との時間の共有はものすごく大切です。
ですが、それ以外にどんな時間を過ごすかも同じくらい重要です。

海外サッカーにおける最先端の情報を仕入れたり、少し先のフェーズにいるだろう指導者に会いに行ったり、セミナーイベントに参加してみたり、とできることはたくさんありすぎます。

まずは、目的を持って、色んなことをインプットすることから初めるのもありだと思います!

偶然を活かすための戦略とアプローチ

サッカー指導者はインプットはものすごく盛んに行っていらっしゃる印象があります。

ただ、意識的にアウトプットをおこない、知識の発信や整理をおこなっている指導者の方は少ない印象です。

自分の持っている情報を発信し、自身がどれだけの知識量/幅のある指導者なのかを知ってもらい、自己価値を高める行動を取った方がいいと思います。

そうやって様々なカテゴリーや領域での経験や知識を発信することで、偶発性を高め、さらには指導者としての市場価値を高めることにもつながります。

(ちなみに、サッカー指導者のための『Footbolster』というサービスで上記のアウトプット行為は全て可能です!!)


指導者が偶然をキャリア構築にどのように組み込むか

サッカー指導者が計画的偶発性理論をキャリア構築に組み込むことは、予測不能な状況や偶然な出来事をチャンスに変え、成長と成功を促進することに役立ちます。

  1. 積極的なネットワーク構築:

    • 他の指導者や業界関係者との積極的な交流を通じて、新たな機会やアイデアを得る。偶然な出会いが新しい扉を開くことがある。

  2. 柔軟性と適応力の強化:

    • 計画的に偶然を組み込むために柔軟なアプローチを育成する。予期せぬ状況にも即座に対応できるようなトレーニングや戦術を考案する。

  3. リスクを取り込んだ計画策定:

    • 予測できない出来事への対処法を含めた計画を策定する。計画AとBを持ち、状況に応じた対応策を準備する。

  4. フィードバックと学習:

    • 偶然な出来事から得たフィードバックを重視し、常に学び続ける。過去の経験から教訓を得て、次のステップに活かす。

  5. 新たな視点と創造性の探求:

    • 偶然から生まれる新たな視点を受け入れ、それをチームや指導法に活かす。創造性を育む環境を作り出す。

  6. 機会の発見と利用:

    • 予期せぬ出来事を機会と捉え、成長のための貴重なレッスンとして活用する。

サッカー指導者が計画的偶発性理論を活用することで、未知の可能性を探求し、チームの成功につながる新たな機会を見つけることができます。これらのアプローチを組み合わせ、予測不能な状況をチャンスに変えることが、指導者のキャリア構築において有益であることを理解することが重要です。

VI. 未来の展望

サッカー指導者のキャリアと将来への展望

サッカー界のIT化とグローバル化が進み、サッカー指導者に求められる要素は常に増加しています。

例えば、映像やGPSなどのサービス登場で分析業務の多様化/民主化が起き、新たなキャリア機会になって若手が参入している事例もあります。

また、Jクラブが60クラブになり、プロクラブやセミプロクラブが増えることによって指導者としての国内キャリア選択肢も広がっています。

さらには、部活動の地域移行(外部指導員への委託)も進み、教員ではなく、サッカー指導の専門的知識を持った人材が必要になってきます。

あと、意外と知られていませんが、日本人指導者ってアジア圏においてはプレゼンスが高まってきています。
ぜひ、外国でもキャリア機会を掴みとってほしいですし、僕自身もそういった指導者の手助けをしていきたいです。

個人的には、欧州における日本人指導者のプレゼンスはまだ高くはないのですが、今後は指導者でも欧州のクラブを率いる人材が出てきてほしいと思っています。

最後に

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

現代はチャレンジしようとすれば皆がスタートラインに立てます。
チャンスをもらえるかは行動(アウトプット)次第です。

ぜひ、サッカー指導の現場に携わっている方は、Footbolsterを活用して計画的に偶発性を高めてください!

そして、サッカー指導者としてのキャリアを積むための踏み台に使ってください!

質問やご意見があればFootbolster公式アカウントor藤田のアカウントまでお気軽にご連絡ください!


明日は株式会社Emerの板本くんの「スポーツが生み出す熱狂で世界を変える」の記事です!

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