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男の一人旅 ハノイ編①

2024年6月10日〜14日の4泊5日でベトナムのハノイに一人旅してきた。本来であれば、東南アジアを連続で周ろうと計画していたのだが、4日目に高熱を出し、消化不良のまま一時帰国となったことも含めて、まとめておく。

出発:機内にて

なるべく低予算で旅をしたかったので、ベトジェットエアという LCC を利用した。 時期的に閑散期だったのか、ありがたいことに片道17,000円くらいで移動できた。ニューヨークとの差が凄い...

機内に乗り込むと、ニューヨーク行きで遭遇した勝手に席変え問題が発生していた。欧米人3人組が後方座席に座っており、キャビンアテンダントと揉めている。結局、キャビンアテンダントでは埒が空かず、強そうな男性スタッフがやってきて、本来の座席に戻され解決。かつての僕であれば、「非常識な人がいるもんだ」と片付けていそうだが、今回は「ああ、例のあれね」とこういう価値観もあるという理解の下地ができていたことに自分でも驚いた。

キャビンアテンダントの制服は、各国の特色が出るようで、ベトジェットエアは赤いポロシャツをバーバリーチェックのようなショーツにタックインしたスタイルで、赤いヒールを履いていた。調べると赤は社会主義国共通の色だそうで、半袖半ズボンなのは時期的に暑いからなのかもしれない。

ノイバイ国際空港に着陸後、ベトジェットエアは前からだけでなく、後ろからも出られた。そして、なんと直接空港の地面を歩いた後バスで移動する。この直接空港を歩くことがよくあることなのかは不明だが、僕には初体験で新鮮だった。また、降りた瞬間、とてつもない湿度と熱気が押し寄せ、ベトナムに来た事を実感させてくれるのも感慨深かった。

飛行機から空港までは、バスで移動するスタイル
吊革が日本と違う

到着:ノイバイ国際空港にて

入国審査官は厳格な人が多そうな印象だったが、終始何も喋らず笑いもせず、パスポートと本人確認をするだけの簡易的なものだった。

税関審査は1人ずつというわけではなく、出口に向かって大人数がぞろぞろと突っ込んでいき、呼び止められる人とそのまま通過できる人が分かれる感じだった。結局どういう仕組みか分からなかったが、僕はバックパック1つだったので、そのまま通過できた。

宿泊するホテルがハノイ旧市街にあり、タクシーではなくバスで移動してみたかったこともあり、まずは空港で両替した。適当に良さそうなレートで両替をしてもらったが、日本円はベトナムドンに対しても円安とのことだったので、100US ドルを使った。

100USドルを両替した結果

ノイバイ国際空港 → ハノイ旧市街まで(86番バス)

事前に下記サイトを参考にハノイ旧市街に行くには、ベトジェットエアバスか86番バスの2種類があることを知っていた。実際に停留所に行くと、ベトジェットエアバスはおらず、86番バスが止まっていたので、こちらで移動することにした。

どうやってチケットを買えばいいのか分からなかったので、バスの前にいたおばちゃんに聞くと、どうやら中で買えると言ってそうだったので、中に入ってみると、運転手のおっちゃんが現金で運賃を回収するスタイルだった。

ここで失敗したのは、僕はベトナムドンの金額の読み方が分からない状態だったにも関わらず、おっちゃんに紙幣を差し出し抜き取ってもらったこと。結局、このおっちゃんは良い人だったので騙されなかったが、もし悪い人なら、僕は相当カモに違いなく、今後は二度とこのようなことがないようにしようと学んだ。

ところで実際の運賃は、45.000ドン(これは45ドンではなく4万5千ドン笑)。日本円への換算の仕方は、点から下3桁を消して6をかけるだけ。つまり、270円ということになる。とても安いにも関わらず、4万5千という大きな数字かつ紙幣なため、訳がわからなくなってしまうので注意。

律儀にレシートまでくれる

空港からハノイ旧市街までは40〜50分くらいで移動できるが、しばらく誰も降りず、ずっと移動しているのでバスの降り方が分からない。というのも、日本では当たり前な降車ボタンが付いてないからである。代わりにSOSボタンがあって、最初はこれが降車ボタンかと一瞬思うのだが、押すと騒ぎになりそうと気づき一歩踏みとどまる笑

たぶん、押してはいけない笑

結局、降車ボタンはないらしく、各停留所で止まり勝手に降りていくスタイルのようだった。

親切に対応してくれた運転手のおっちゃんは、運転に関しては豹変し、クラクションを鳴らしまくる笑 そして、どんどん前の車を追い越していく。後ほど、街に到着すると分かることなのだが、ベトナムではこれが当たり前で別にこのおっちゃんが変わっているということではなかった。ちなみに、ベトナムは右車線通行。

バスの車窓から①
バスの車窓から②
工事の規模がでかい
一番左のバスが86番

86番バスにて

バスの中でも色々あって、日本人のお爺さんが1人でベトナムに来たようで、ホテルがどこにあるか分からないと結構大きめな声で呟いている。僕は申し訳ないが、僕も見知らぬ土地で分からない可能性が高く、聞こえないふりをした。

それを見ていたベトナム人女性が「お爺さん、どうかしましたか?」と日本語で優しく声をかける。お爺さんは「耳が遠いもんで...」と繰り返し、会話も噛み合わないような様子だった。

お爺さんは、ベトナム人女性の真横に席を移動し、自分の言いたいことをずっと言っている。お爺さんは「ドミトリーを予約したんですけどね、その場所がわからないんですよ。」と言うと、ベトナム人女性はドミトリーという単語が分からない様子で会話が前に進まない。

それを見兼ねたハノイに詳しいそうな別の日本人のお爺さんが声をかけ、「僕が一緒に探してあげますよ」と天の声を差し伸べる。そのお爺さんは、今度は別のお爺さんの方へ席を移動し、お爺さん同士の会話が始まる。

困っていたお爺さんは70代後半らしく、もう1人のお爺さんは70代半ばだったので、耳が遠く、見た目の若さも全然違う自分との姿にかなり驚いている様子だった。

日本語が堪能なお爺さんとの会話も噛み合っていなかったのだが、僕は先に下車したため、その後2人がどうなったのか知る由もないが、親切なベトナム人女性と日本人お爺さんには脱帽である。

ホテルにて

ホテルは比較的価格の安かったアートホテルハノイというところに宿泊した。1泊2700円くらいだった。

実はこのハノイ旅は、日本にいる時からすでに始まっていた。というのも旅行サイトを通じて宿を予約していたのだが、日程を延長するために再度予約をしたのだが、同部屋で延長できないかリクエストしていた。しばらくすると、ベトナムから国際電話の着信が入る。

相手「Hello~」
僕 「Hello~」

相手「$%&=#%$&’?」
僕 「Sorry? Could you say that again?」

と電波が悪いのもあって、全く何を言っているのか聞き取れない。
そこで、電子メールをくれないか?とお願いすると、伝わったようで連絡が入る。

Hello, we have received your new booking and you texted that because you couldn't extend the time, your friend booked for June 12-13, and if possible, it would be better to stay in the same room. We don't understand if you want to cancel your booking for June 10-12? Or if you will stay in both the old and new stay for 3 nights, please let us know as soon as possible best regards.

どうも旅行サイトの翻訳で意味が違ったものになったようである。僕は延長をお願いし理解してもらえると、次の返信が入る。

It‘s easier to texting and using translation than talking on mobile phone, we’ll hope to see you soon, have a good day sir.

初めからそうしてくれよ〜と思うが、電話の方が主流なのかもしれない。

ホテルに到着すると、国際電話した相手が対応してくれて、妙な親近感を覚える。そして、お互いに電話でうまく喋れずにすまなかったと謝り、すぐに打ち解けることができた。どうも、日本のアニメや漫画に興味があるようで、近々日本にも行きたいと話していた。

彼の人柄かアジア人同士だからなのか分からないが、相手が英語なのにも関わらず、こちらが緊張や気圧される感じが全くなかった。英語といっても、彼もそれほど流暢というわけでもなく、お互いが第二言語としての英語を使っているという影響もあるかもしれない。

部屋
浴室

もし宿泊されるという方のために特記しておくならば、繁華街に近いので夜までうるさいのが難点。そして、浴室やトイレのタイルなど細かなところの清掃は行き届いてないので、綺麗好きの人は少々気になるかもしれない。嬉しいポイントとしては、500mlの水が2本無料で貰えること。

昼食:Vietnam Restaurant Thuan's Cuisine

住所:5 P. Nguyễn Siêu, Hàng Buồm, Hoàn Kiếm, Hà Nội, Vietnam

飛行機の到着時間も遅かったので、午後3時くらいに遅めの昼食をとった。探すのも面倒くさかったので、Google map で近場でレビューが良さそうなところに入った。

ホテルなのかレストランなのか分かりにくい笑

こちらのお店には、時間帯的に僕以外にお客さんがおらず、お姉さんが案内してくれた。英語が話せそうな雰囲気だったので、おすすめを聞いて、適当にそれを注文することにした。

エビと野菜の炒め物
春巻き
レモンジュース(微炭酸)

エビと野菜の炒め物は、味付けが甘辛でかなり美味しかった。甘辛といっても、日本で味わえる感じではなく、ベトナム特有の調味料が効いてそうだった。野菜はにんじん、玉ねぎ、ピーマン、チンゲンサイが入っており、味付けも相まってご飯とよく絡む。

春巻きは、日本の春巻きとは違い、米粉で巻いたものを揚げているため、食感が軽くパリッとしている。中身は鳥か豚を選べて、その他春雨、野菜が入っており、つけダレにディップして食べる。

つけダレは後から調べると、ヌクチャムと呼ばれるベトナムの万能つけたれらしく、主に魚醤、砂糖、ライムの絞り汁、酢、唐辛子、ニンニク、水などを混ぜ合わせて作られるようだ。

この3品で300.000ドンだったので、日本円で1800円くらい。
少々高めだが、味は美味しかった。

会計する際になって、少し話していると、Googleのレビューをつけて欲しいとお願いされる。通りでレビューの評価が★5ばかりな訳だと妙に納得してしまった。これが初めての体験だったので、さっきからの親切な対応もレビューのためだったのかなと妙なことを考えてしまい、自分の気持ちがよく分からなくなった。

後々考えると、ハノイは外国人観光客がとても多い街であり、飲食店もそれに負けないくらい多く出店している。そのため、少しでもレビュー評価が多く、高いということは彼らにとっては生存戦略なわけである。なので、彼らにしても当然な行為なのであると納得した。

ホアンキエム湖

ホアンキエム湖はハノイ旧市街からも歩いていける距離にある観光スポットで、お腹も満たされたので散歩がてらに周辺を散策した。

観光スポットということもあり、「バイク(タクシー)に乗らないか?」と声をかけられることがとても多い。大抵、こちらが無視して近寄ってこない場合も多いが、向こうから「こんにちは〜」と言って後をつけてくる人には注意したい。

交通に関しては、とんでもないバイクの量なので、横断するのが最初は恐怖である。ただ、周りの現地人の真似をしながら、タイミングを見計らって横断すると、バイクの方から避けてくれるので、慣れれば簡単である。信号はあってないようなもので、ニューヨークを超える信号無視率である笑

これだけ交通量が多いと事故も多発するのではないかと想像したのだが、そんな様子は全くなく、救急車や警察の出動もほとんどないのが驚きだった。

露店に関しては色々あるが、やはり蒸し暑いということもあってか果物屋さんが多かった。

ここはまだ交通量が少ない方
街並み①
街並み②
街並み③
ホアンキエム湖①
ホアンキエム湖②
ホアンキエム湖③
亀の塔
ホアンキエム湖④
ホアンキエム湖⑤
ホアンキエム湖⑥
ホアンキエム湖⑦
植物も豊富
タケノコみたい
亀の塔

僕が感じたこと

ベトナムの天気は変わりやすく、どんどん雲行きが怪しくなり、突然のスコールが降ってきた。これも僕が東南アジアに来たことを実感する出来事だった。

気候上、雨季と乾季があるようだが、6月のハノイはとにかく湿度が高く、蒸し暑さが気持ちを削いでくる。

土地柄によって、こういう気候的な違いがあるというのは、中学くらいから地理の授業で勉強するのだが、全然実感を伴っていないので理解していなかったんだなと気づく。

そして、どういう気候の土地に住むかというのも、人々の行動や性格を決定づける要因になっている気がする。

例えば、これだけ蒸し暑い日々が続くハノイだと、そりゃヤル気も出ないし、外でぼーっと休憩みたいな人も多く見られた気がする。

こういう比較をしてみると、日本の気候は自分にとっては心地良いものだったんだなという発見がある。最近は日本でも猛暑の日が多くなっているが、春夏秋冬が移ろい、梅雨も少しあって、自然も豊かで、ととても恵まれた環境に住んでいるんだなと感じた。これは決してベトナムを批判しているわけではなく、僕はこの蒸し暑い環境がずっと続くなら、かなりキツイなと正直思ったのである。

あとは、スマホが登場したことにより、店前で退屈そうに画面を見ている人がとんでもなく増えたのではないかと感じた。おそらく、以前はぼんやりと外を眺めたり、誰かと喋ったりということも少なからずあったと思うのだが、スマホが出てきたことによって、ますます退屈に耐えられないようになっているように見えた。

また、ニューヨークと重なる部分もあるが、ベトナムとも比較してしまうと日本は街が本当に綺麗だと感じる。ベトナムは親日の国ということもあって、近年日本の綺麗な街を習って、ゴミを出さないように教育していこうとなっているとのことだが、一定の世代以上の人はそういう習慣がないらしい。

我々は生まれた土地ですでに存在していた文化や習慣に染まりやすいのではないかと感じた。

例えば、外でお腹を出している男性がベトナムでは多いのだが、おそらくこれも周りがやっているから流行している文化的なものな気がする。バイクにヘルメットなしで、子どもを抱えて、4人乗りしていたりというのも見かけたが、これも日本では見かけない。車は車線を跨いで走ったりもするし、僕が「当たり前」と思っていることが全然こちらでは当たり前ではない。

こういう僕が当然とみなしていることが、固執するに値しない事実が外国にあるということがとても大きな発見だと思った。

To be continued...

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