もう戻らない

今日は雨だ
つまりバスが混んでいる
早くのらなきゃ

長く過ごしたこの街のことは詳しい


誕生日のラインをしてからしばらく経った
まだ既読にはならない

わたしの誕生日は過ぎた



人生の思い出が詰まった大学に久々に来た

久しぶりの共学生活
はじめての新歓、やさしい先輩
眩しい出会い
女子のグループ
容姿端麗な浪人生
大学生カップルが量産される試験期間
同期との喧嘩
心が暖まる友達との出会い
忘れられない旅
人生で一番一生懸命になれた大会
はじめての恋人ととの別れ
大学に篭って勉強した日々

全部が詰まった大学に
卒業以来にやってきた

帰り道わたしの胸が風に吹かれた
全部の思い出が全部が詰まり過ぎて苦しくなった
高校生の時大学生はキラキラしてると思っていた
本当に大学時代ってキラキラしてる
綺麗な思い出は輝くように嫌な思い出は割れたガラスのようにキラキラしてる
時折それらは胸に突き刺さる

もう、絶対、二度と、戻らないその日々を
愛おしく切なく悲しく
胸に風が吹いた
ひどく冷たい風だった

はじめて大学受験でこの街にこの駅にこの大学に来たその日をバスの日が照らすのを眺めながらずっとずっと思い出しながら
もう二度とこの街には戻らない気がした
そんな気がした

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