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「思いがけないプレゼント」
お絵描き・工作好きの長男のことは、これまでも少し述べてきたが、二年生の時も当時通っていた学校がある自治体の工作展で賞を取った経験がある。
ものづくりは彼はやはり大好きだと思う。そのものづくりが私にとっても忘れられない思い出になった象徴的なことがあった。
とある冬のお休みの日、折から続くすぐれない天気で外も寒く、午後からずっとおうちの中でみんなですごしていた。
長男は宿題が終わるとだいたい絵を描いたり、適当に工作をやっていたものだ。
その日も何気に見ていると、アルミホイルとか針金とか出してきて何やら作っていた。
少し時間が過ぎたところで、突然私のところにやってきて
「おかあさん、ちょっと指を出してみて」と言って、何かはめている。
ビデオを見るのに忙しい私は、見もせずにいた。
また抜き取ってゴソゴソやってから再び私の隣に座ってきて、
「はい、おかあさん。またはめてみて」と言うので、見ると指輪をはめていたのだ。
花の形のビーズを針金で止め、輪っかを作って、その輪っかにアルミホイルを巻きつけて手作りしたかわいい指輪。
「どお?」と聞くので、「かわいい!ありがとう!!」と言うと、すっごく照れくさそうに「どういたしまして」だって。
かあ~っ!かわいいねえ…。こんな時、息子がいてしあわせだな~…と思う。
思わず「彼女ができた時も、こうやって指輪とかプレゼントしてあげなよ。そしたらもう、その彼女はお母さんみたいにすごくよろこぶからね!」とアドバイス。
まだ先のことだけど、どんな彼女を見つけてくることやら…。
長男、九歳の誕生日が来たあとのことだった。
(この時の写真の指輪は今でも大事にとっている、私の大事な宝物だ)
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しか~し!この時の私のアドバイスは長男が二十代半ばになってもいまだ活きることがなく、それ以前の心配をしなくてはならないという不遇な日々を送る親子である。
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