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「絵本が日常に入り込んだ瞬間」

ある日夕食に久しぶりにコロッケを作ってみた。大好きなコロッケ。美味しいよね~。
でも大好きなのに、はじめから手作りするのってなんとなく面倒くさくて、コロッケやメンチカツっていうのは、その頃ずっとやっていなかった。

もともとトロい私はお料理も決して手際がいい方ではないので、その日もそうだったのだが、ミンチ肉を炒めじゃがいもをゆでてマッシュするところからパン粉つけて揚げるまで時間がかかり、立ちっ放しのおかげで腰が痛くなってしまったのだ。

しかし久々にやるとなるとなんだか張り切っちゃって、作ってみたらやたらとでっかくて量も多い物になってしまった。

さてコロッケを食べていると、つい口から出てくるのが「11ぴきのねことあほうどり」(馬場のぼる作 こぐま社)という絵本の中に出てくるフレーズ。
「コロッケ、コロッケ・・・あ~あコロッケばっかり。毎日コロッケはもうあきたよ」というと、長男も次男もすぐにのってくる。

「たまには食べたいなあ、とりのまるやき」
「とんとんとん、こんばんは。わたしは旅のとちゅうのあほうどりです…」
などと、家族みんなで文中のセリフを言っていく。(主人まで!)

とにかくあの頃、小学二年生と年中さんだった息子たちはふたりとも「11ぴきのねこ」シリーズが大好きで、しょっちゅう絵本を読まされた。
いやでも覚えてしまう。

食べる前は、長男などは
「僕コロッケ大好き。毎日だってうれしいな」
とかいっていたけど、さすがにこの日のはボリュームがあったらしくやっと食べていた。
次男にいたっては、出来合いのものはそれまで手をつけなかったほどコロッケがあまり好きではなかったようだが、この日は特別。ペロッとたいらげていたし、普段ならこれも絶対手をつけないキャベツの千切りしたものも、マヨネーズをつけてすっかり食べてくれビックリだった。

みんなで共通の楽しい話題で食が思わず進んだのだろうか、うれしい誤算だった。
やはり食卓では楽しい雰囲気って大事なんだね。
特に食の細い子どもには、たまにはこういうやり方で食べてもらうのもいいかもしれない。

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