うつ病闘病記【制限が持つ利】不便益
人は怠惰な生き物である。
故に、私は私という人間に様々な制限を課す。
障害者という自らの自助研究と、2次障害三次障害といった生活や社会性の困難さを治療していくこと、それらと並行して『自分らしく生きながら社会生活・社会貢献をする』という道の模索をすると決めたことによって、私の生活水準は否応なしに落とす他ない。
というスタート地点から始まったこともあってか、私は公共住宅の入居を決めるときに家賃や自治会費がほんの僅かに安くエレベーターのない棟を選択した。
それは、何をするにも引きこもってやれてしまう事が大半である私は運動不足に陥りやすいからだ。
エレベーターのない上階に住んでいれば、コンビニに行くというだけでも否応なしに運動をする。
デビットカードがしょうに合っているのも、その性質上おこる制限が由来だろう。
普段使いのカードをデビットカードにし、それは年金受け取りの口座ではないものにしているから、振替をしないと使えないのだ。
洗濯は着替えなくては出来ない、と制限したことで1日中パジャマで過ごすという日はなくなった。
同時に、着替えたら洗濯をするという流れが生まれたことで洗濯物を溜め込むこともなくなった。
爪が頑丈でズボラな私は、爪を切ることを忘れ魔族並みに伸ばしてしまう癖がある。
バレーボールをしていた時でさえ、伸びすぎて先の白い部分が吹き飛ぶことが稀にあるくらいには整えていなかったほどだ。
その頑丈さとズボラさ故に放置することを避けるため、ここ最近は『爪を切らない』と制限をかけ、そのかわりに毎日爪をヤスることにした。
以前にも試したことがあるのだが、その時は上手くいかなかった経験を踏まえての再チャレンジだ。
今のところは上手くいっている。
逆に、おやつや飲料に制限をかけないことで復活してしまったタバコの量を減らそうとも試みている。
ゆるやかに初めたことであって、おやつはしっかりと意識して我慢しないようにしたのは本日のことなので、この再チャレンジは今後の経過観察が楽しみである。
(実際に今、これを書きながら先程買った菓子に置き換えたことで確実に1本分は回避できている。)
口寂しさではなく、息抜きの深呼吸のような役割の場合のためにタイマーを購入する予定も立てている。
同じ深呼吸の息抜きであれば、同じ分数だけ『呼吸瞑想』に切り替えて健康を保ちたいものだと思っている。
焦らずに、無理をせず、出来なかったからとて己を責めたりしないような気楽さで、減煙・禁煙にも取り組みたいと思う。
片付けは相変わらず下手で、わかりやすい大物たちがある程度片付いてからというもの進みはとても遅くなっている。
制限という言葉に置き換えるなら、判別をしやすい制限区域でないものたちの行き場の判定をしかねているのだろう。
会社勤めをしていたときは、こうして理にかなっていると納得して自ら受け入れていくことが出来る『制限』や『ルール』というものはあまり多くはなかったし、このような視点・価値観をそのまま伝えてしまうことで評価も下がってしまっていたのだが、全てを自分でこなすとなった今の生活では随分と役立つ視点であると感じている。
自由だからこそ、勤めていないからこそ、養生せねばならないからこそ、夢を追いかけるからこそ、私は私という怠惰な人間にきっとこれからも様々な制限を課していくのだろう。
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