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【お料理】 桃ジャム (調理時間:40分)

・季節の美味しいフルーツを保存食に。
・自分で作るから甘さを調整できる。

「釣りをする人って羨ましい。」
まだ20代前半だったころ、なんとなくそう思っていました。音楽を作ったり、大学の勉強でそれなりに慌ただしく日常を過ごしていた私が、近所の川でその釣果を気にするでもなく釣り糸を垂らしている釣り人を見てそう感じたのです。

「ぼーっと何も考えない時間がほしい。」
おそらくそういうことだったのでしょう。そこでどういうわけか、ジャムを作るようになりました。
パンをあまり食べない私がジャムを作り始めたのですが、それもたまにやるとけっこう楽しくて、今でも頻度は減りましたが、イチゴやアンズ、イチジクなど季節ごとにジャムにして好きだったフルーツはたまにジャムにします。

そんな中でも、アンズのジャムと並んでトップクラスで好きなのが、この桃ジャム
そのまま食べても美味しい桃ですが、ジャムにしてもそれはもう絶品で可愛らしい風味になるのです。

☆材料はこちら

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・桃(個人的には柔らかめの品種が好きです)
・グラニュー糖(てんさい糖は優しくてオススメ)
・白ワイン
・レモン

とってもシンプルな材料です。
作り方もシンプルで、工程を踏まえればだいたいどんなジャムもできます。

まず桃の皮を剥いて種を取り、実を切っていきます。(皮と種は捨てないでください。
切り方はお好みですが、私は小さめの角切り:粗みじん切りを1:3ぐらいで切っています。(食感の違いが出て楽しいんです。)

皮は淡いピンク色を出すのに使います種はペクチンが含まれているのでこれも一緒に煮ます
一緒に煮ると千切れたりして取るのが大変なので、お茶パックに入れて煮ていきます。

お砂糖の量は人それぞれですが、あまり多いと果物の味が分からなくなってしまいますし、少ないとカビが来たりするので、私は桃の量の30%のお砂糖を使います。(レシピ本などを見ると、けっこうこれでも少なかったりします。)

それから色を綺麗に出すためにレモンを絞って入れ、だいたい白ワインを1カップほど入れます。

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木べらでワインとお砂糖を馴染ませます。

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中火にかけて沸騰してくると、たくさんアクが出てくるので、丁寧にすくいましょう。
何度も何度も丁寧に、何も考えずにすくいます。

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その間に瓶の消毒です。
食品用アルコールでもよいと思いますが、なんとなくジャムは煮沸消毒したくなるんです。
ジャム瓶と蓋を入れてぐつぐつ煮るか、写真のように蒸し器にかけてもよいです。

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そうしているうちに、アクが取れて澄み切った色になってきます。
切ったばかりの時の桃のピンク色が抜けてしまったように思いますが、ここから煮詰めていくことで、旨味と色味が果肉に戻っていきます。

この時の火加減は弱火〜中火の間ぐらいです。

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さらに煮ていくと、水分が少なくなり、泡が大きくなってきます。
だんだんとジャムに近づいている証拠です。

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ジャムを煮ていて一番むつかしいと思うのが、今どのくらいの粘度があるのかわかりにくいということ。
ちょっと動画や写真では分かりにくいですが、冷水を入れたコップに煮ている途中のジャムを一滴落としてみてください。

さーっと流れたらまだ緩い証拠、流れかけるけど下に固形で固まって落ちれば少し緩めのジャム、ぼてっと塊になって落ちたら硬めのジャムになっています。

ジャムの粘度について、せっかくなのでペクチンについての話を書いておきます。
私も完全に理解しているわけではないし、知っていなくても美味しいジャムは作れます。
ペクチンは植物が持っているホルモンの一種で、それが反応することでジャムは固まります。食品添加物として販売もされているので、使っている方もいらっしゃるかと思います。
ペクチンはリンゴや柑橘のような果物には多く含まれていますが、この桃はペクチンが少ない果物と言われています。
よって少しでも効率よくジャム化させるために、桃の中でもペクチンを含んでいると言われる皮と種を一緒に煮込んでいるのです。

たしかに、食品添加物としてのペクチンを使えば、もっと早くジャムは作れます。
使用に関して否定するつもりは全くありません。
ですが、家でのジャム作りは、果物をゆっくり煮て、甘い香りを楽しみながら何か物思いに耽ったりする時間であってもよいと思うのです。しっかりと行程を踏まえ、煮ていけば、果物もそれに応えてくれますから。

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お好みの粘度に出来上がったら、火傷しないように瓶に詰めましょう。
私はヨーグルトにかけたり、クリームチーズと一緒にクラッカーにつけて食べるのが好きです。
作った人にしか味わえないこの喜び。暑い日が続いていますので、熱中症に気をつけながら、お家で桃ジャム作ってもらえたら嬉しいです。


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