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嬉しかった。また声が聞けた。

先日Netflixで配信されている「桜のような僕の恋人」という作品を視聴した。原作は宇山佳佑さんの小説である。TikTokなどでも映画化を知らせる動画が多数投稿され話題になっていた作品だった。そういうわけで僕も早速視聴してみたというわけだ。

あらすじは、Netflixに「美容師として働く明るい美咲に恋をした、若きカメラマン見習いの晴人。やがて恋人同士として共に未来へと歩み出した2人の前に、思いもよらない運命が立ちはだかる」と掲載されている。

切なくて考えさせられて深いなとしみじみと感じられる作品だったことはおそらく視聴した方のほとんどに共感して頂けると思う。

1番グッときたのは、美咲が年老いた姿になり晴人の写真展を見に行った帰りに桜並木の道で2人が出会った時に、晴人が美咲に気づかなかった(気づけなかった)シーンである。美咲は晴人の名前を呼ぼうとした瞬間、身につけていた桜色のニット帽を風で飛ばしてしまう。晴人はそのニット帽を拾って笑顔で「どうぞ」と差し出した。しかしこのシーン。晴人は目の前にいる女性が美咲だと気づいていなかった。美咲はかすれた声で「ありがとう」と笑顔を見せたが、内心はきっと気づいてもらえなかった寂しさとともに晴人に会うのはこれが最後だと感じていたのだと思う。

もちろん美咲自身は「早老症」になり老人の身体になっている自分の姿を晴人に見られたくなかったと思うけれど、美咲が数日後に亡くなったと知り晴人が美咲の部屋を訪れた際に、部屋の中に置いてあった桜色のニット帽を見つけてあの日出会った女性が美咲だったと気づくシーンを観ると、晴人にとってはなんともいえない後悔や無念さが残ってしまうものだった。

晴人はこれから先、桜の季節になると美咲と過ごした時間を思い出すことだろう。僕も視聴後、改めて命の尊さ、愛するということ、大切な人との時間について自分に置き換えて考える機会になった作品だった。

「桜」には「精神の美」、「優美」、「純潔」の他に「私をわすれないで」という花言葉があるらしい。桜は咲くけどいずれ散る。そんな儚さや寂しさ、切なさからこうした意味が込められているのだと思う。まさにタイトル通り「桜のような僕の恋人」なのだった。

4月も残り1日。今年のGWも有意義な時間を過ごしたい。


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