熊の敷石
台風の影響が大きかった。大雨による被害も全国各地で起きているとニュースで見た。いよいよ梅雨のシーズン。油断はできない。
さて、6月最初の記事では最近読んだ小説を紹介したいと思う。
堀江敏幸さんの「熊の敷石」。
あらすじは以下の通り。
堀江さんの作品は初読となる。
この小説は「熊の敷石」、「砂売りが通る」、「城址にて」の3作品が掲載されたものだ。
そもそも敷石とは何か。広辞苑をはじめ辞書には「通路、玄関先、庭などに敷き並べられた石」と示されている。
では、熊の敷石とは何か。これはフランスの寓話「ラ・フォンテーヌ」がもとになっているのだが、そこについては北村行伸さんが下記のように解説している。
読み終えて感じたこととしては、人間関係には様々な摩擦があるということ。でもそんな摩擦を感じながら人間同士、上手く付き合っていくものだと思った。
文体は淡々としていて堀江さんの独特な言葉使いによって表現されている。僕はこれが初読なのでこの他の作品も読んでみたいと思った。
長らく会わなかった友人と再開した時、距離感は変わってしまうもの。手紙やLINEなどでやりとりしていたとしても、いざ直接会って話すと何か違和感をもつことがある。それに相手も同様にこちら側に違和感をもっている場合もある。それは会わなかった空白の時間が生み出した感覚だと思う。
舞台のフランス。
美しい情景描写が行ってみたいという気持ちを掻き立てるものだった。
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