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4.コードの基礎:その1

初めて覚えたコードは

Cのコードフォーム、ではありませんでした。
1度と5度の俗にパワーコードと呼ばれるもので、教本をざっと眺めすぐできそうだと思ったのがコレ。
CとかGとか意識しだしたのはずっと後のことで、さらに、コードがなんたるかを少しわかり始めたのが、音楽理論の勉強を始めてからなのでまだ1年経ってません。

コードを勉強し始めてすぐ思ったのが、

コードフォームはもう覚えなくていい、楽できる!

でした。
いくつか知ってることが前提になりますが
ほぼ無限に存在するコードを覚えなくていい
こう思うだけですごく気が楽になりました。

コードを構成するルールがわかれば、コードの構成音を知ることが出来ますし、コード名から自分でコードフォームを作るといった応用も出来ます。
その取っ掛かりに、コードを構成するルールと命名規則をやってみます。

度数を理解している前提で進めますので、
まったく知らないという方は、1.音名と音程 から、
よくわからないという方は、2.度数 を先にご覧ください。

こちらの教材をプリントアウトし、
鉛筆と消しゴムが揃ったら始めますよ。


コードをつくる基本ルール


基本ルールはこうです。

ルートから高い方へ
ひとつ飛ばしで
音を重ねる

ルート(根音)はコードのベースの音です。
その上に音を重ねてコードが構成されています。

ルートがC(ド)の場合、
C、E、G、B、D、F、A・・・
白鍵の奇数番目を順に重ねる形になります。

度数でいうと
1度、3度、5度、7度、9度、11度、13度 、・・・

重ねるにしてもギターの弦は6本。
3音か4音が現実的なところです。
実際、曲に使われるのも3和音と4和音がほとんどです。

では、基本ルールを使って3和音と4和音の構造を紐解いてみます。
Cメジャー・スケールの7音をルートにしたコードの構成音と度数を書き出します。


3和音と4和音

手初めに一番馴染みがあると思われる

C(C)

をやってみます。

Cメジャー・コードは、
Cをルートとして、3つの音で構成される和音です。
メジャーは省略され、コード名は「シー」と発音します。

コード名のはじめのアルファベットはルート
この命名規則は簡単ですね。

LessonSheetにCの構成音と度数を書き出してみましょう。
基本ルールにのっとり、Cからひとつ飛ばしで音を重ねます。

LessonSheet_P4のCの行にCの構成音を書き出します。

鍵盤図のC列が交差するマスに、Cを書き込みます。
ルートの目印に○で囲んでおきましょう。

鍵盤図のCから、ひとつ飛ばした音はE、
さらにひとつ飛ばした音はG、
これらをCの行に書き込みます。

LessonSheet_P4 Cの行にCの構成音を書き出す
Cの構成音 CEG

これでCの構成音がCEGだとわかりました。

度数を書き出すあたり、インターバル・スケール(仮)を使います。
これも自作の教材のひとつ、まだの方は作ってみて下さい。
面倒だったら、山折り(1)で折り曲げるだけでも使えます。

インターバール・スケール(仮)の使い方

任意の音の度数をサクッと確かめられる物差しです。
教材の鍵盤図または指板図と組み合わせて使います。

1.基準とする音にP1を合わせる。
2.確かめたい音の度数を見る。
  または、確かめたい度数の音を見る。

シンプルにこれだけです。
コードの構成音や、度数に該当する音を確かめたい時にお役立て下さい。
勉強を始めたばかりで音名と度数がソラで言えない私のような方にオススメです。

少々名前が長いのでこれ以降は、
インターバール・スケール(仮)をISと省略します。

インターバル・スケール(仮)の使い方

ルートCの下、1マス空けて、ISのP1を合わせます。
CEGのすぐ下のマスに、ISから読み取った度数を書き写します。

LessonSheet_P4 Cの度数を書き写す
Cの度数 1度 長3度 5度

これで、CはのC・E・Gで構成されていて、それぞれ、1度・長3度・5度だとわかりました。

実際に弾いてみましょう
フォームはLessonSheet_G4のCで、音名も確認して下さい。

C (CEG・ドミソ)

どんな響きに聴こえますか。
私は、明るさと力強さを感じました。

感じ方は人それぞれ、正解はありませんので、自分が感じたまま言葉にしてみて下さい。
これぞ音楽理論の原点とまでは言いませんが、言葉にすることは理解への第一歩だと思います。

ちなみに、前回やった2音の響きを感じるエクササイズで、私はこんな印象を持ちました。

1度+長3度 = 陽キャ、甘く柔らかい
1度+5度 = 華やかに強調

Cは、ほぼこの足し算と考えて良さそうです。
長3度で感じてた甘さは消えた気がします。
音数が少ないほうがキャラが引き立つように思います。

余裕があれば、EとGを基準とした時の度数もISで確かめてみて下さい。
Eを基準とした時のG(短3度)とC(短6度)、
Gを基準とした時のC(4度)とE(長6度)、
この響きが混ざったうえでの明るさと力強さだと知ってると、何か物足りない時にひとつ音を足すとか、うるさく聞こえるので音を省くなど、応用時に役立ちます。


続いてCの4和音いきます。

というと、なんとか7thですか?

惹かないで下さい。
大丈夫、たいしたことありません。
3和音に一つ音を足すだけです。
しかも押さえる指は一つ減るし。


CM7(C・メジャーセブンス)

Cをルートとする4和音。
読み方は 「シー・メジャーセブンス」

メジャーは省略するんじゃなかったっけ?
というツッコミありがとうございます。
その通りです。実際省略されてます。
これが、コード名の罠1つ目です。

省略せずに書くと

Cメジャー・メジャーセブンス

コード名に区切りを入れると  C | M7 です。

度数でやりました、7度には長短があると。
音名についてるメジャーは省略されていて、コード名に残ってるのは、長7度の M(メジャー)というわけです。

ルートのメジャーは省略する
4音目のメジャーは省略しない

これが コード名の罠 コードの命名規則です。
他の命名規則もおいおい紹介させていただきます。

LessonSheetにCM7を追加しましょう。

LessonSheet_P4のCの行に4つ目の音と度数を書き足します。

鍵盤のGからさらにひとつ飛ばした音はBです。
ISのP1をCに合わせたら
Cの行に音名のBを、
その下にISから読み取った度数のM7を書き足します。

LessonSheet_P4 Cの行に4音目の音名と度数を書き足す
CM7の度数 1度 長3度 5度 長7度

これでCM7の構成音と度数が書き出せました。
ついでに、右の4和音と書いてある下のCにM7を書き足して、4和音のコード名を完成させておきましょう。

これも弾いてみます。
フォームはCの人差し指を離すだけです。
LessonSheet_G4でフォームと指板の音名を確かめておいて下さい。

CM7(CEGB・ドミソシ)

これはどんな響きでしたか?
私は、少し切なさを含んだ透明感のある響きに感じました。


Am(Aマイナー)

Aをルートとして、3音で構成される和音。
読み方は 「エーマイナー」
メジャーと違い、ルートについてるマイナー省略しません。

LessonSheetにAmの構成音と度数を書き込んでみましょう。

ルートはA。
鍵盤図のAから
ひとつ飛ばすとC
さらにひとつ飛ばすとEです。
これをLessonSheet_P4のAの行に書き写します。
ルートのAには目印に○で囲んでおきましょう。

次に、ISのP1をルートのAに合わせ、
音名のすぐ下のマスに度数を書き写します。

LessonSheet_P4 Am7の構成音と度数を書き込だす
LessonSheet_P4 Amの構成音と度数

これも弾いてみます。
LessonSheet_G4のAmでフォームと音名を確かめて下さい。

Am(ACE・ラドミ)

どんな響きでしたか?
私は、影と哀愁を含んだ暗い響きに感じました。


Am7(Aマイナー・セブンス)

Aをルートとして、4音で構成される和音。
読み方は 「エーマイナー・セブンス」

ここに2つ目の罠が隠れてます。
省略せずに書くと、

Amm7(エーマイナー・マイナーセブンス)
区切りはこう Am|m7

メジャーとは逆に、
4音目についてる m(マイナー)が省略されています。

LessonSheetに4つ目の構成音と度数を書き込んでみましょう。

LessonSheet_P4のAの行に4つ目の音と度数を書き足します。

鍵盤のEからさらにひとつ飛ばした音はGです。
ISのP1をルートのAに合わせたら
Aの行に音名のBを、
その下にISから読み取った度数のm7を書き足します。

LessonSheet_P4 Aの行に4音目の音名と度数を書き足す
Am7の構成音と度数

では、これも弾いてみます。
これも指1本離すだけですが、一応フォームと音名をLessonSheet_G4で。

Am7(ACEG・ラドミソ)

どんな響きでしたか。
私は、哀愁漂う不思議な響きに感じました。

構成音を見てお気づきの方もいらっしゃるかと思います。
ルートのAを除いた3音はCの構成音と全く同じです。
暗いAmと明るいCが同時に鳴ってるので、不思議な雰囲気を感じさせるのだと思います。
また、CにAを加えたコードとも取れますので、Cを元Am7のフォームを導き出すことが出来ます。

勉強を始めてからコードや音の関係が視覚化しやすくなり、フォームで語れるギターって優れた楽器なのだとひしひしと感じてます。

LessonSheet_G4 by @soundws


CもAmも3和音はハッキリとキャラクターを感じましたが、4音目が加わるとずいぶん印象が変わります。相対的にキャラ色が薄まり、切なさなどエモい空気感が増すように感じました。
あくまでも私の感想なので、みなさんはぜひ自分の言葉で表してみて下さい。


コードの命名規則

私のLessonSheet_P4を挙げました。
左のルートには3和音のコード名を、
右のルートには4和音のコード名を書き足してあります。
みなさんも書き足しておいて下さい。

さて、コードの命名規則で最も重要なことにまだ触れていません。

そもそも、ルート直後のメジャーやマイナーは何なのか?

CとAmの度数を比べてみて下さい。この違いがヒントです。

LessonSheet_P4 by @soundws

ルート直後のメジャーorマイナーは 3度 のことを表しています。

コード名はこんな順番で表記されています。

ルート | 3度 | 7度

そのうえで

長3度ならメジャーは省略し、短3度ならマイナーは省略しない
長7度ならメージャーは省略せず、短7度ならマイナーは省略する
完全5度は省略する

この省略のため、混乱を招きやすいわけです。

DmM7(Dマイナー・メジャーセブンス)
このコード名を見て構成音を迷わず言えるようには
まだなってませんが、勉強を始めて度数は即わかるようになりました。
D | 短3度 | 長7度
Dmは4弦ルートのフォームを知ってるので、
2弦3fのDを半音下げてC#を弾けば良いと導き出せます。

コード名を即指板に展開するには経験を重ねる必要がありますが、鍵盤図とISを使えば構成音と度数はすぐわかります。どうぞお役立て下さい。


コードトーン

コードの構成音を英語で「コードトーン」と呼びます。
コードトーンでフレーズを作るとか、
コードトーンでアドリブを弾くとか、
編曲でよく使われるキーワードです。
「サビ終わりの1小節はCのコードトーンのアルペジオにしよう」
という場面なら
Cの構成音(C・F・G)を単音で弾けば良いということです。

3和音は英語で Triad(トライアド)、
4和音は Tetrad(テトラッド)、
これも、編曲で良く使いますので一緒に覚えておいて下さい。


Cメジャー・スケール7音のうち、
Cのコードトーンで4つ制覇したので、完全制覇まであと3つです。
コードの音とポジションを覚えれば、スケール制覇も見えてきませんか。



今日のLessonSheet_P4をご覧頂くと、
Cメジャースケールの音をルートにしたコードがあと5つ残ってます。
次はこれらを制覇する予定です。
もし5000文字を超えるようなら分けますけどね。

ISの使い方もご理解頂けたと思いますので、予習もアリですよ。

< 3.コードの基礎、その前に I 5.コードの基礎:その2 >

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