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東京で暮らす意味があるのか

ここ数年の緊急事態や収入の低下、地域経済などのダメージを、東京の郊外で体感しながら、ニュースや情報掲示板を見ると、特に若い世代の閉塞感が半端ない。

私が初めて会社勤めをした頃の初任給と、現在の若い人の初任給が余り違わないことに驚く。給料は余り上がらず、一部の大手企業を除くと、若い世代だけでなく中年世代も生活は苦しいと思います。

貧富の差は、私が若い頃よりも拡大し、外食産業を含めてデフレが当たり前の世の中です。建設現場のスタッフがコンビニのオニギリとカップ麺だけで路上で食べている姿も珍しくないです。東京では珍しくない光景です。

東京の方が地方よりも生活は貧困のような気がします。たしかに贅沢を言わなければ働く場はありますが、住宅事情も改善されているとは言い難く、約40年前と同じような問題を抱えていると思います。

むしろ、人情や古い町並みが消えていく中で、下町を含めて、徐々に東京の魅力はなくなっている所もあります。新しい施設整備や開発は進みましたが、課題も増えています。

私が東京で暮らしている理由

若い時から、特殊な仕事・職場につき、東京じゃないと成立しないような内容が多く、自営業になった今も更にニッチな分野に浸かり、地方では需要が少ないため、仕方なく現在の場所に自宅と仕事場を構えていると言えます。生まれ故郷のようなしがらみがないこと、交通アクセスが便利で、地方よりもコンパクトな生活圏なので高齢者には住みやすい面もあります。

東京は郊外と都心部では表情も暮らし方も違います。時間の流れる体感も違います。私が住んでいる住宅地は、生まれ故郷の地方都市より生活圏が小さく、医療施設も近く、年寄りには暮らしやすいかもしれない。

しかし、若い人はどう思うでしょうか。ネット環境があれば、東京に住む理由はないと、私は考えます。

私の仕事に限定すると、ここ数年で変化がありました。それはテレワーク需要が増えたことです。一度もお会いしたことのない依頼者とネット環境を通じて契約するという機会が増え、契約書を交わさない取引では、メールだけで用事が済みます。最近は、領収証もPDF送付が徐々に増え、郵送する件数も減ってきました。ネット環境があれば、地方でも仕事は出来るようにはなりました。

学園都市「国立」の生活圏に居て幸運だった

国立は、大学・専門学校、付属幼稚園・小学校・中学校・高校など学校が多く、近所に音大の附属小学校・中学校があり、電車で南武線から京王線・小田急線など音楽大学へのアクセスが便利であり、この環境から、私も依頼者の現場に出かけるには便利でした。

地方に居たら、私の仕事は、まず無理だったでしょう。暮らしている立地に恵まれていたと思います。

現在は、確かにネット環境で仕事をしているので、地方に移住しても仕事はあると思います。むしろ、東京のマンションユーザーの方が生活は厳しく、価値観もデフレ化しており、わずかな注文でも、送料を見積もると「連絡が途絶える」というような信じがたいことが増えています。

しかし、私の依頼者の多くは富裕層に近い階層だと思います。首都圏の居住層は貧富の差が拡大し、私の依頼者は変化してきています。

東京は、確かに面白い。だが、自営業者には厳しい街だと思います。人情が希薄化する中で、誰も助けてくれるような親戚など地縁はなく、実力と運に大きく左右される世界だと感じています。

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