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映画の話425 戦場のメリークリスマス

 高校の頃映画館で観て以来、今までに何度か観ました。改めて観て思うのは、通訳という、日本と連合国どちらにも属しながら、どちらにも属していない者と、現在で言うLGBTQというボーダレスな存在を、戦争という、これもまたボーダーが崩壊した世界の中で描いているのだろうと思いました。
 加えて、ミュージシャンのデヴィッド・ボウイ、坂本龍一、内田裕也、そして当時バリバリの芸人だったビートたけしが丸刈りになって、それぞれ主役から脇役に至るまでキャスティングされたことで、どこか不安定な感じが、毎回観るたびに新鮮さをもたらしてくれていると思いました。
 「戦メリ」と呼ばれ、今なお色褪せないのは、さまざまな解釈をさせてくれるからだと思います。傑作だと思います。
 そして、思えばデヴィッド・ボウイがその4年後にベルリンの壁際でライブを行ったことを思えば、またこの映画に出演した思いもいろいろと思われ、感慨深くなります。

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