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青春の後ろ姿#21 〜20代は、清志郎と、バイクと、文学以外に何もありませんでした〜源氏物語大成 全14冊⑤

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 この画像は「研究篇」の目次です。
 私たちの師匠世代は伝本研究、文献学的研究が大切にされていたようです。
 解釈を楽しむ、論理を楽しむといった読みは、時として指導教授から厳しく叱られました。もちろんその世代の研究も、さまざまな理論が援用されて解釈されていました。実際、例えば折口信夫以来、民俗学を援用する研究者もいなくはなかったですし、口承文芸や伝承など、形のない文学の研究をしている先生方もいらっしゃいました。学外でも岡一男先生は精神分析学を援用するという無茶ぶり。
 当時の大御所の先生方は実証主義とか科学的研究とか言う方もいらっしゃいました。でも、生意気に「文学なんて文学なんですから。『科学的な解釈』ってなに? ありえない」と、思っていました。
 もしかすると、かつては科学やデータ主義に対するコンプレクスを文学研究の学会自体が抱えていたのかもしれませんね。

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