Let's 経営学　#10 価値って何？

　ブランド品のバッグや車、時計なら一定の仕事をする実用的な面を持っているのでまだマシです。
　お金は？
　お金はただの紙切れだったり混ざり物の効果に過ぎません。PayPayなどの電子マネーにいたっては全く実体のないただの画面上の数字に過ぎません。なのになぜみんな欲しがるのでしょうか？　つまりなぜ価値があるのでしょうか？　価値って何なのでしょうか？
　このことは以前もこのClassi上で書いたと思います。
　お金の価値を創っていあるのは「信用」だと言われています。「信用」というのは言わば「思い込み」です。私たち全人類が
「お金は価値がある！」
と思い込んでいるから貨幣経済は成り立っています。ですから、同じお金でも破綻国家が発行しているお金は価値がなく、ただの紙切れです。私がお金を発行しても誰も欲しがらないのと一緒です。それは「信用」がないから「オサダの発行したお金には価値がある！」と誰も思っていないからです。でも、もし私がアイドルだったら私が落書きした紙切れさえもメルカリで数万円で売れるのでしょうね。ビットコインなど暗号資産と言われている新しい価値はまだまだ定着しておらず不安定なので急に価値がなくなり、文字通りただの数字になることも何回かありました。
　そう考えると、価値というものは、元々あるものではなく、創られていくものだと言えそうです。
　思えばあらゆる物は、それ自体に最初から価値が備わっているわけではありません。フランスの一流の職人ジャンポールアザブジュウヴァンがこだわって手間をかけたとか、大型豪華客船ケンタウロスが沈没しても壊れず太平洋を2000キロ漂流して漂着したとか、ドバイの橋で時速300キロを出したとか、200枚食べてもわずか2kcalだとか、ストーリーがあることで存在を主張します。
　それでもそこに価値を感じて「欲しい！」と思う人と、全く価値を感じない人がいます。ダイヤモンドでさえ価値を感じない人にとってはただの石ころです。
　ではどうやったら価値＝「欲しい！」は創れるのでしょう？

つづく