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心理的安全性 から考える、4つの象限

*心理的安全性とは、組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見、素朴な質問、そして違和感の指摘が、いつでも、誰もが気兼なく言えること。

「心理的安全性が高い = ヌルい職場」 ではない!

表の4象限を左上から反時計周りにみていきましょう。

① ヌルい職場
心理的安全性という言葉から、人によっては想像されやすい「ヌルい職場」です。
つまり、クオリティの低いアウトプットでも怒られず、納期も厳しくない職場は「心理的安全性は高いが、仕事の基準が低い」時に起きます。
ヌルい職場になってしまうのは、心理的安全性が低いためではなく、”仕事の基準が低い”ことが原因です。
「ま、このくらいでいいか」というフレーズが人々の頭の中に浮かぶ組織・チームです。
このような「コンフォートゾーン」にいるとき、仕事は大変ではないですが、仕事そのものから得られる充実感はあまり感じられません。成長志向であるならば、危機感を覚え、変化が必要になります!

② サムい職場
同じように、”仕事の基準が低い”まま、心理的安全性も低くなった組織です。
この場合は、心理的安全性が低いため、「チームの成果のためや、チームへの貢献を意図して行動すると、罰を受けるかもしれない」というリスクある職場です。その上、仕事の「基準も低いため、そのリスクを冒してまで他者と積極的に関わる必要がない、というお互いに無関心なカルチャーの職場です。
成果を出すことよりも、仕事をしているフリをすることや失点を疲れないために自分の弱さを隠すことへ注力し、言われたこと以上の仕事はしません。

③ キツい職場
一方で、「心理的安全性は低いが、仕事の基準は高い」のような職場です。
これらは、チームや組織からの助けや相談に乗ってくれる人はいないが、高いノルマは課せられる営業チームを考えると、イメージしやすいのではないでしょうか。
キツい職場は、一見、「土気」が高く見える側面もあります。
しかし、キツい職場では本当に必要なはずの反対意見を述べたり、根本的な意義について問い直したり、目的を確認することは忌避されます。「余計なことは考えず、成果を出せ。」と言われる、結果思考の職場というイメージでしょうか。
ありがちなのは「上司対策」が生まれること、ここに時間が使われると、メンバーがポテンシャルを出し切るためのマネジメントコストが高くなります。また、常に監督できなくなるため、リモートワークが非常に向いていない、機能しにくいのが、この「キツい職場」です。

④ 学習する職場
最後に右上の「心理的安全性が高く、仕事の基準も高い職場」。これが、「学習して成長する職場」です。
つまり、社会の変化にうまく対応し、挑戦や実践から学び、結果として成果の出る職場です。
言い方を変えれば、心理的安全性を機能させるものが、「基準の高さ」であり、ヌルい職場では仕事の基準が低いため、こういった状態は作れません。
この「学習する職場」では、高い基準を保ち、人々を成果に向けて鼓舞するため、次の4つが努力の根源となります。

-サポート
成果が出ていない時にも、罰や不安ではなく相談に乗ってくれたり、アイデアをくれたりする。
-意義
組織・チーム・プロジェクトとして、大義や意味がある目標設定がされており、やりがいや成長実感を感じられる
-みかえり
まだ成果には至らなくとも、望ましい努力をしている時に承認や感謝を伝えてもらったり、より適切な行動を促してもらえたりする。
-配置
適材適所で配置されることで、自発的・自律的に努力できるようになる。

このように、心理的安全性が高い職場では「衝突(コンフリクト)」が促進されます。
「非」心理的安全な職場では、「衝突」をできるだけ避けるように調整し、仕事をしてきたという方もいるかもしれません。しかし、「健全な衝突」はむしろ業績にプラスとなります。


このような4象限で考えると、それぞれの特徴がわかりますね。

あとは、自分たち「らしい」のはどれか?

これが書いてあったのは「心理的安全性」に関する本だったので、④を理想としていますが、③のような「キツい職場」でうまく行っている大手企業も存在していることも事実です。

つまり、どれも、悪いことはないと思います!
自分たちがどうしたいか、組織の大義、在り方、理念を明確にし、考えを深めていきたいですね(^ ^)


参考文献:石井 遼介『心理的安全性のつくり方』日本能率協会マネジメントセンター 2020年 9月

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