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3.Q大でのパワハラ

大学職員に転職して最初の配属先は、Q大学病院だった。
そこでタケシは”設備のメンテナンス”や”小規模の改修工事の設計・施工管理”を担当することになる。
本当はもっと大きな建物を設計したいから転職したのだが、「まぁまずは現場を知ってから設計した方がいいよな」と自分なりに納得していた。

しかし、ここでタケシはそれまでにない辛い経験をする。
上司である川島 慎一からのいじめだ。

何がきっかけはタケシ自身もわからない。
ただ、とにかく毎日いじめられた。

何の教育もない中で、全く経験したことのない多くの業務を振られた。
当然、何から手をつければいいかわからない。
しかし上司の川島は過剰に短い納期を求め、執拗にタケシのミスを責め立てた。
川島の態度からは、タケシを追い詰めてやろうという意図が透けて見えた。

とにかく毎日が辛かった。

Q大学病院の敷地内の外れに、ポツンとコンクリート打ちっぱなしの古びた2階建ての建物があった。
そこがタケシの職場だった。
大学内には在るが、物理的に他と隔絶された環境。
他からの目が届かないなかで、その建物内で最も職位の高い川島の振る舞いは常軌を逸していた。

その建物が監獄のように感じられた。

事務所は2階にあるのだが、足が重くて階段を登れない。自分から進んで処刑台に登っているようにすら感じる。
2階へ向かう階段の途中には窓があり、そこから見える太陽の光が、刑務所から見上げる空のようだった。
あの画は一生忘れないだろう。

【反省】
・平気で人をいじめる上司、いじめを正当化する上司は外部に通報すればよかった。
・早めに移動希望を出すべきだった。

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