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あさこ日記1

「昔から」

私は昔から、ひとめぼれをするタイプで、
小学校も高校も大学もそれから社会人になってもそうだった。

何がそうさせるのか、考えたこともあったけど
好きになった人はみんな全然タイプの違う人達で、

小学校は足が速くて、鼻が高くて、面白い男の子を好きになった。
高校は眼鏡で、色白で、頭の良い先輩に恋をした。
社会人になって、天パの、くしゃくしゃ笑顔の、背の小さい上司に惹かれた。

タイプは?って聞かれたら
もう定番フレーズの「好きになった人がタイプ」って答えるしかないくらい
性格も容姿も様々なひとたちにひとめぼれを繰り返していた。

そんな私が明日結婚するのは、昔から友達だった彼。
ひとめぼればっかりだった私にとって唯一、友達から彼氏になった人で、
”あんたにもそんな時あるんだね”なんて女友達にからかわれたこともあった。

何が決め手だったのかなんて、今でもよく分からないけど、
告白もプロポーズもすんなりと、自然に受け入れて、
私はいまここにいる。

明日はふたりの故郷である、千葉の、景色の綺麗なホテルで、式を挙げる。
実感が湧かない、っていうのは嘘で、式場を決めるところからガンガンに湧きまくっている。ドキドキで死んじゃいそうだ。

今日はそれぞれの実家で過ごし、明日の朝、式場で待ち合わせをする予定だ。
母お手製のロールキャベツとハヤシライスを食べ、
父の涙をみんなで茶化し、「明日も早いから」と自室に戻って、この日記を
書いている。

明日は1か月悩みに悩んだドレスを着て、プランナーさんと何回も打ち合わせた進行で、サプライズもへったくれもない、けどやりたいことがつまった式にする。

とにかく、友達と写真を撮って、あと、なるべくご飯も食べて、
お酒は飲みすぎないようにしなきゃ、あ、彼の体調にも気を遣おう。

実は、新入社員の時ひとめぼれしたあの人も、職場の人を呼んだテーブルに明日座っている。
今は下心なんてさらさらないけど、”しゃんとした姿勢の綺麗な花嫁さん”を
見せられるように、頑張ろうと思う。

あぁ、眠くなってきた。明日の為に、今日は、眠ろう。

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眠れない夜に

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