2年と8か月、片思いをしていた。 結局実らなかったけど、彼氏はできた。 あの人の私への態度は、特別で適当で結構残酷で、 彼のLINEは特別で特別で特別だった。 彼に会いたい気持ちはあるのに 会えないと痛い胸はあの人だけのものなんだ、いつまでも。 酔っぱらって呟いた「好き」は 誰に向けたものなのか分からないけど。 彼にしか言えないし、言わないんだ。
「昔から」 私は昔から、ひとめぼれをするタイプで、 小学校も高校も大学もそれから社会人になってもそうだった。 何がそうさせるのか、考えたこともあったけど 好きになった人はみんな全然タイプの違う人達で、 小学校は足が速くて、鼻が高くて、面白い男の子を好きになった。 高校は眼鏡で、色白で、頭の良い先輩に恋をした。 社会人になって、天パの、くしゃくしゃ笑顔の、背の小さい上司に惹かれた。 タイプは?って聞かれたら もう定番フレーズの「好きになった人がタイプ」って答えるしかない
「起きてる?」 1:28 あの人からのLINEの通知 「起きてるよ。」 本当はその通知で目が覚めたのだけど、眩しいスマホの画面に目を細めながら私はそう返信する。 「電話」 彼から返ってきたその2文字に「いいよ。」と送ると数秒後に着信が来た。 「もしもし。」 「おっすおっす 起きてると思わなかった」 「ギリギリ起きてたよ。」 「あ 嘘だ 寝てたでしょ」 「なんで?」 「いつもより声が眠そう」 なんでそういう所に気づくかな。嬉しい。むかつく。 スマホをスピ
ゆずの「サヨナラバス」という曲をご存じだろうか。 旅立つ"君”への失恋ソングで、ゆずにハマっていた私(中学生)の お気に入りの1曲だった。覚えたてのパソコンでその歌詞を検索して、 ノートに書き留めたりしていたことをよく覚えている。 そしてあるサイトで見つけた、「サヨナラバス」の”君視点”の替え歌。 今調べても、当然そのサイトは出てこないし、今の今まで——— そう、中学校の時に使っていたノートが見つかるまで、覚えてすらいなかった。その歌詞がこちら。 1. 予定時刻は6時
「最近、いい感じの人がいるんだけどさ」 バイト先のカフェで、洗い終わったコーヒーカップを拭いていると、 レジのすぐ横の席で話す2人組の女子高生の話が耳に入ってきた。 2人の女の子が身に着けている近所の高校の制服は、 3年前まで私も毎日袖を通していたものだ。 (後輩ちゃんか・・・) ちょっと悪いなと思いつつ、たいして忙しくもないので、 そのまま聞き耳をたててしまう。 「え、そんな人いたの?知らなかったんだけど」 ポニーテールの女の子が目を輝かせて、向かいの眼鏡の女の子