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最初に心を折ったもの_2019/03/15

重い荷物と、暑さと、迷子と、アウェイに足を踏み入れた事実に、
私は見事にやられてしまった。 

第0ラウンド:空港からの移動

昨日の現地時刻18時半頃、とうとうカンボジアに到着した。
空港でSIMを現地のものに変えて、Grabでトゥクトゥクを呼ぶ。
借りる予定の家の周辺をめがけ、トゥクトゥクが走っていく。

ここまでは順調だった。

むしろ、「旅行で来ているワケじゃない」という思いもあり、
今までの海外経験の中でも1番冷静に過ごせたくらい。

第1ラウンド:家探し 

いよいよ家の近くに着いて、カンボジアの地に降り立った時、
私の挫折はスタートした。

「どの家もアパート名が付いてない」
「私は家の外見や住所、名前がわからない」
「そもそもどの家も門が閉まってる」
「どの家も同じように見える」
「ピンが指している家の場所の正確さは不明」
「自分の居場所の正確さも不明」

困ったなあ‥‥と思いながら、バックパックとハンドバッグ、
大きめのスーツケースを持って、周辺を何周か彷徨った。

日本と違って常夏のアジアは、夜でも気温が高い。
汗も噴き出してくる。

ああどうしよう。

家主の女性のアイコン写真を見せて、周囲に聞き込みをしてみた。
みんな、知らないと首を振る。
しばらく聞き込みをしたけど、結果は完敗。

そこでやっと、家主へ連絡しようと決意できた。

最初から連絡すれば良かったのにと思う人もいると思う。
でも、すぐにそう出来なかったのは、私の英語力の低さに起因している。
自分が今どこにいるかを説明し、相手の言葉を理解することは困難だと感じたからだ。

でも、ずっと迷うことになるくらいなら、連絡しよう。

「私の英語が悪くてごめんね」

案の定、電話の内容の半分以上が理解できず、電話越しで終始ワタワタしていた。
家主さんも「私の英語が悪くてごめんね」と、私に負けないくらいワタワタしてくれた。

「英語が悪い」と謝る彼女は、それでも十分に話してくれていて、
彼女以上に「英語が悪い」自分のことが心底悔しかった。

その後、家主の女性は私を迎えに来てくれた。

それだけでなく、私を部屋に案内した後、
ぐるっと部屋を点検して、電球を替えたり枕を新しくしてくれたり、
鍵のかけ方まで丁寧に教えてくれた。

お互い英語が拙いため、一緒の空間にいながら
メッセンジャーでやり取りをする滑稽な感じを2人で笑った。

「何か困ったら、いつでも連絡してね。」

そう言って、彼女は自分の家に帰っていった。
とってもありがたかった。


なにはともあれ。
今日無事に家につけたことが、私は何よりも嬉しかった。

家の設備がどうであれ、水が出ないことがどうであれ。
鍵付きの帰る場所があるということは、
安全欲求を満たすために超重要だと気付いたのだった。

第2ラウンド:食料の入手

家に着いて荷物を置いて一息。

ご飯を買いに外へ。
とりあえず目指すは、やっぱりスーパー。

面白味もなく、コーンフレークを購入。
あとはひたすら水。水。水。

これ以上体力も無いので、家に近い屋台で、
「牛」と説明してもらったおかずを買って帰宅。 

実は、この日1番の挫折ポイントはこれから。  



それは、買ってきた牛肉が
ビックリするくらい口に合わないという衝撃
だった。

確かに買ったときから思っていたけど、
脂身なのかコラーゲン的な部分が多い部位で、なんかブヨブヨしている。
味付けうんぬんより、牛肉の味が合わないように感じた。

屋台で買うにしては良い値段だったので、捨てるのは惜しいと思い、
10分の1くらい食べてみたけれど、やっぱり厳しくて断念。


笑顔で差し出してくれたお店の人に申し分けないなぁとか。
これから先食べ物が全然口に合わなかったらどうしようとか。
というか、こんなことで参ってて生きていけるのかしら、とか。
思考が色んな方向に波及して散らばっていった。


ああ、本当に来てしまったんだな。
そんな中で、初めて実感した。


色んなことが起こって、「1日分の精神力は消耗し切ってしまった」
みたいな気持ちだった。

ベットに横たわって、ぼーっとスマートフォンを眺める。
日本と交わされるオンライン上でのやり取りが、随分と遠くの出来事に感じられた。


「明日から、私はちゃんと生きてやっていけるのかしら。」

正直な感想は、これだった。


とはいえ、体力と精神の限界はとっくに超えていたので、
それ以上何かを考える隙間もなく、眠りについたのだった。

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