【読者の秋2021】きれはし(ヒコロヒー)を読んでnoteを始めた
久々の読書
私は久々に読書というものをした。
大学を卒業してからというもの、活字に触れることが少なくなり、元々少ない語彙力がどんどん低下していくのを感じていた。語彙力の低下はもちろんだが、漢字が書けないのだ。読むのはギリできる。そもそもノートに書くという行為すら少なくなってきているのだから書けないのは仕方ないと開き直ってすらいる。
私は文学部出身だ。本当に文学部なのかと疑いたくなるほど、漢字には弱く知らない言葉が多い。難しい言葉なんて本当に知らない。そんな私がなぜ、文学部に入ったかという話はまた今度にして、今回は読書の話を書いていこうと思う。
選んだのは、『きれはし』
私が選んだ作品は、お笑い芸人であるヒコロヒー様の『きれはし』。
お笑いには疎く(というより日本のエンタメに疎い)、ヒコロヒー様のことは中学の頃からの友人が「私、弟にヒコロヒーに似てるって言われたんだよね」と言っていたことから知った。ちなみにその友達にヒコロヒー様要素は一切ない。姉弟フィルターだ。
そして、会社で出会った別の友人からこの作品を激推しされた。「中学時代の友人が弟から似ていると言われていたあの芸人か、すごいな。」と素直に思い、退勤してすぐ買いに行った。私はとても素直だ。
ちなみに、なぜ普段読書をしない私が久々に読む作品として芸人ヒコロヒーの作品を選んだのかというと、おすすめしてくれた友人がインスタ派ではなくツイッター派だったからだ。とても信用できる 。
『きれはし』を読んでみて
実際に読んでみると、最初から「フフ.......」と笑えた。ゲラゲラ笑うのではなく「フフ.......」だ。ちびまる子ちゃんに出てくる野口さんになった気分。野口さんは「クックック........」と笑うはずだが。
多くの人に読んでもらいたいから内容は伏せるが、久々の活字でも負担なく読み進められた。スゴい。
私とヒコロヒー様は生まれた場所も育った環境も違うだろう。それなのに妙に共感してしまうのだ。「わかる!!!」ではなく「はあ〜わかるわあ〜.......」となってしまうのだ。きっと私だけではないはず。だからこそ多くの人に読んでもらいたい。
特に、作品中の「サマージャム」は大共感だった。
夏が本当に嫌いだ。厳密に言うと、この日本の夏である。イキがっていると思われても構わない。サンフランシスコの夏なら良い。デンマークの夏も良いだろう。(103ページ)
わかるでしかない。私も実際にこの言葉を言ったことがある。日本の夏は嫌いだけれどロサンゼルスの気候は最高だった。ロサンゼルスが私を呼んでいる。移住したい、と。
そもそも夏を好きな人間の気が知れない。夏ってなんなんだよ。私はカーテンを閉め、冷房がガンガンに効いた部屋で布団にくるまってゲームをしたり、Netflixを観る夏が好きなのだ。これはツイッター派の人間の性質?
だからこそ一瞬にしてヒコロヒー様を信用したのである。「ヒコロヒー? ああ、友人が弟から似てるって言われてた芸人ね。」から「ヒコロヒー様、マジ信用。リスペクト。」までたったの一日。いや数時間。人間は実に単純な生き物だ。私に限った話かもしれないが。
「マジ信用。リスペクト。」に至るまでには、中国人として出会ったアスちゃんの話とリプトンのミルクティーの話も重要だ。本当にここは読んでほしい。ここだけでもいいから読んでほしい。「はい、わかります。リスペクトです。今日から私もヒコロヒー教に入信します。」感情になるはずだ。ならないのであればきっとあなたはツイッター派ではなくインスタ派だったのであろう。
私はただ面白味もない、良くも悪くも真面目な人間だが、そんな私にもヒコロヒー様と似たような経験がひとつある。
高校時代の友人に「祖母が台湾人で台湾のクォーターだ」と嘘をついたことだ。「台湾要素ないだろ!」と突っ込まれるところ、「確かに肌白いし顔も台湾っぽいかも。台湾のクォーターに初めて出会ったよ! 」と言われてしまい、今も打ち明けられずいる。もちろん私の祖母は日本人だし、妙にしんぴょうせいのあるアジアの国をチョイスした私が甘かったと思う。
その友人とはもう疎遠になったのでこれと言って大きな問題はないが、よくわからないノリでくだらない嘘をつくのはやめようと思った。
結局私のこんな文章ではどんな作品かわからないと思うが、私はヒコロヒー様の『きれはし』を、読んでnoteを始めたと言っても過言ではない。完全に影響されたのだ。私が本を出版できる人間ではないことは重々承知している。ただ、自分が思っていることや普段生きている中で感じたことを吐き出す場がひとつあっても良いのかなと、そう思えた作品だった。
最後に
最後になりましたが、久々に読書をしたい方や、読みやすい文章をお探しの方はぜひヒコロヒー『きれはし』を手にとってみてください。すぐに彼女の文章に引き込まれるはずです。
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