Case2. 社長流、外出自粛でテレワーク
皆さん、感染拡大が続いているが元気にしているか?
名乗るまでもないと思うが、
私だ、「社長」だ。
本日はわが社の外出自粛対応をご紹介しよう。この対応を通じてわが社の危機管理能力の高さをも感じ取っていただけるはず。何せ私はSタンフォード大でリスクコミュニケーションとITについて論文を、、、
(中略)
では、始めようかな?
◆鉄壁の備蓄
まずは思い出したまえ。
ヒルズ君の入社日を。
うん?
爆乳がなんだって?、、、ヒルズ君は騙され、、、?な、何を言って、、、そう、それだ、マスクと消毒だ。
わが社では入社する者全員にインフルエンザ対策の備蓄としてマスクとアルコール消毒を配布している。自分で言うのもなんだが、パンデミックを見越してここまでの対応をしている企業はなかなか無いだろう。コンサルたるもの、全てに先んじるのは当然のこと。
オール日本企業よ、わが社を見習いたまえ。
おっと、そうこうしている内にZooomから何やら呼び出しが、、因みにわが社は全員がリモートワーク中だ。
当然だろ?
タスクとスケジュール、エスカレーション先が明確であればリモートワークなどいとも簡単にできる。デスクワーク中心のくせに「顔を合わせてコミュニケーションしないと」などと言うやつはそもそもマネジメントができていないのだ。
だからこそ!
私はあれほど日報、週報、月報にこだわるのだよ!全ては明確なコミュニケーションと部下の行動把握、これによって私は佳乃2号ちゃんとのデー、、、じゃない、適切なマネジメントを可能にしているのだ!
◆スリリングなテレワーク
では通話するか。
えーと、、? 佳乃ちゃんどこ押せって言ってたかな、、、
「ぴろん」
おや、可愛らしいお花の写真、これは間違いなく
「佳乃ちゃん、どうしたの?」
「、、、」
おや?
「佳乃ちゃん?」
通信障害かな?
「社長、、、私はお嬢氏ですが?」
お、お、お嬢氏君っ!?
急に可愛らしいお花が鬼のようなお嬢氏君の顔に変化したではないか!君たち!?僕のパソコンに何をしたの!?
「私もJoinしております」
「私も入ってる」
ヒルズ君にギャル氏君!?し、新人Boy氏君も、、、
「今入りました、少し遅れ申し訳ございません!」
角刈り君、君は常に間が悪いが今回ばかりはエクセレントだ。
「では、月次報告を始めます」
◆リモートでマネジメント
「...ここまではプロジェクトの状況と採算状況について。次に稼働状況です。日報、週報でもお伝えしている通り...」
ヒルズ君が滑らかな説明を続ける。いつの間にか全員の顔がお花、動物、イニシャルになってしまった。画面に映るのは私だけ。これで使い方はあっているんだろうか?佳乃ちゃんに聞かないと、、メモメモ、、、
「...内訳はプロジェクト稼働65%、営業活動が10%、管理業務が25%となり前月と比較し...」
む!?管理業務が25%だと?
「プロフィットを生まぬ作業に時間をかけすぎだ!」
だから私はきっちりと日次でマネジメントをしろとあれほど、、、
「お言葉ですが社長」
お嬢氏君の横やり。こいつ調子にのっ、、、
「ひっ!?」
突然画面に炎が広がる。その炎の中にお嬢氏君の穏やかな笑みが浮かび上がっているではないか!?こ、怖い、圧倒的な怖さ!よ、佳乃ちゃんに報告しないと、、、
「社長、管理業務の8割は社長のご指示による日報対応ですよ」
何か言っているが、し、知らんぞ、炎をまずは消してくれ。、、、これは私のパソコンがおかしいのか?だとしたら口に出すのはよそう。何せ私はITにとても詳しいのだから。
「社長、困ったらまずミュートです」
佳乃ちゃんの声がこだまする。そうだ、たしかマイク印を押して斜めの線が出たら、、、
「社長?聞こえてますか?」
「席を立ってしまいましたね」
「は?もう終わりってこと?」
じゃぁ抜けまーす。
皆が抜けていく様子をフレームアウトした場所から確認する。
、、、終了。
いかがだっただろうか?
私もそれ相応の歳ではあるが、非常事態宣言を受け即座にフルリモートワークへと移行した。
繰り返す。
タスクとスケジュール、エスカレーション先が明確であればリモートワークなどいとも簡単にできるのだ。言い訳をする前にマネジメント体制を見直すべきなのだよ。
さて、そろそろ私も帰宅しよう。
「え、リモートなのに帰宅?」だと?
君ね、私くらいのレベルになると会社にいるだけで圧倒的なバリューを出すことができるのだよ。社員は一人として出社していないが、私は自らのバリューを出し続けるために出社する。それがヒルズ社長としての責務だ。
あ、そうだ、佳乃ちゃんと2号ちゃんに写メを送ってあげよう。きっと喜ぶだろう。ん?何の写真かって?
自撮りに決まっているだろう?
(カシャっ)
さぁ、今宵も素晴らしき夜景に、、、
乾杯!!!!!!
(続く)
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