インカトレイル3 水のとりこ
歩きます。
とにかく歩きます。。
極寒のサルカンタイ山の麓を後に、あとはマチュピチュに向けて少しずつ下っていきます。
下るにつれて、気温が少しずつ上がってくるのを肌で感じます。
植物限界域っていうのがあって、たぶん3800m以上はほとんど植物は育たないのかな?
上の写真もそんな感じですよね。。
それが、下っていくほどに、緑が見えてきて、その種類がどんどん変わってくるんですよね。花が咲いているのを見たときは、なんかちょっとホッとしました。
当然、ここ数日の間は風呂にも入っていませんし、シャワーなんかもありません。。
だんだんと気温が上がってくると汗もかいてべたべたしてきます。
そんなとき、雪解け水でできた滝があって、ちょっとした池というか、滝つぼのようなところがありました。
他のみんなは素通りしていくんですが、僕はその水に無性に触れたくなりました。
勢いよく落ちてくる水に手で触れた瞬間、冷たさで全身がぞくぞくしましたが、顔を洗い、頭を投げ出して後頭部を冷やしました。
それだけでもだいぶひや~~っとさっぱりしたんですが、なんだかそれだけではおさまらず、みんな通り過ぎたのを一応確認して、バックパックを下ろしました。
そして、着ているもの全部脱いで、滝つぼにドボン!
音で気づいた人たちが振り返って笑っていました。
冷たすぎるのでほんの一瞬でしたけど、暑さと疲労でぼやけていた世界が、急に輪郭がはっきりとしました。
濡れたまま脱いだ服を着て、また一行の列に戻りましたが、疲れていた脚が軽くなっていました。
水って、ほんとすごいよな~って。
日本には滝行ってのがあったよな~って。
帰国したらやってみようかなって、ぼんやり考えながら歩いていました。
一歩、歩くごとに見える景色が違ってくる。。
そのとき、その瞬間をもっと大切にしてみよう。。
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