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LD(学習障害)は治る? 適切な理解とサポート🍀

LD(学習障害)は治るもの ではありません

しかし、その困難の原因を正しく理解し、適切なサポートをすることで、

困難を改善・克服し2次的な障害を防いだり
得意なことを活かして自信を高めたりすることはできる

と考えています

一緒に勉強していきましょう💪

LD(学習障害)は、SLD(限局性学習症)と名称がかわりましたが
ここでは、まだまだ一般的に用いられているLDの名称を使って解説します。

 LD(学習障害)は、全般的な知的発達の遅れがない(知的障碍ではない)が
以下の内一つ、または複数のことに困難を示すという特徴があります

🍀 読む
🍀聞く
🍀話す
🍀 書く
🍀 計算
🍀 推論

これらの困難により、

・学習自体が嫌いになる
・自己肯定感が低下する
・不登校傾向になってしまう

など2次的な障害を生じることもあります。

困難の原因を正しく理解し、適切なサポートを通して
困難を改善・克服し2次的な障害を防ぐこと
自信をつけ、自分の得意を活かすこと
が重要だと考えています

【参考文献】



LD(学習障害)の原因は?

子どもが『怠けている』わけではない!

LDのある子は、知的な遅れがないために、「怠けている」「やる気がない」「努力が足りない」などと周囲から評価をされてしまうことがあります。

周囲が、本人の困難さを理解することがサポートの第一歩です🍀


『しつけ・育て方』が原因ではない!

生まれ育った家庭や環境、親のしつけや育て方によって起こる学習上の困難が、LDの直接的な原因にはなりません。

保護者の方が責任を感じる必要は全くなく
むしろ無理解により、不適切な関わりをすることが問題です。

この記事を読まれている皆さんは、学んで理解しようとされていると思います
とても立派な理解者です✨


『中枢神経系に何らかの機能障害』とは?

では、LDの原因は何かというと、現状はっきりとは、わかっていません。

中枢神経系とは、神経の働きの主なもので、脳と脊髄にあります。
ヒトの脳には、1000億以上の神経細胞があり、それらが複雑に繋がることで、様々な必要な働きをしています。

目・耳・皮膚・筋肉など様々な感覚器官を通して入ってくる情報を受け止め、整理し、関係づけ、表すという脳機能のどこかが、十分に働いていないと考えられています。

例えば、脳の中の「ウェルニッケ野」という部分は、文字と話し言葉の両面から音を分析する役割があり、「角回」という部分は、脳に蓄えられた音声と視覚情報を結びつける仕事をしています。

これらの部分がうまく働かないと、文字を見て意味のある言葉に結びつけることが難しくなります

ただし、脳の他の分野は活発に働いていることが多く、他に問題はありません。


LD(学習障害)を正しく理解✨

L Dに限らず、子どもをサポートする上で大切なのが

🍀 何に困っているのか
🍀 なぜ困っているのか

を適切に理解することです
子どもの困難に寄り添い
適切に理解することがサポートの第一歩だと考えています。


気持ちに寄り添った関わりを

「一生懸命、勉強しているのに成果が出ないんだ」
「周りから『努力が足りない』と言われるんだ」
「自分はダメなんだ」

もしかしたら、このような気持ちになっているかもしれません
繰り返されると、自尊感情や自分を大切にする気持ちが薄れ

・不登校・非行・うつ的症状・不安症などの『2次的な障害』

を引き起こしてしまいます…

そうならないためには、まず
周囲の大人が子どもの困り感に気づき
気持ちに寄り添った関わりをもつ
ことが大切です

そして、苦手でも頑張って勉強している努力を認め

「今日は30分も勉強頑張っているね」
「この文字綺麗に書けているね」
「前よりも計算が速くなったね」

などできるだけ具体的に褒めましょう

褒めるときには、
他の子と比べてではなく、前の自分と比べての成長・努力
を認めてあげることが大切です💪

学校生活のほとんどが学習時間です✏︎
学習の困難を少しでも改善し
自分の良さを活かしていけるようなサポートを心がけたいですね🍀



学習面の困難を具体的に知る

学習面以外にも、社会面や行動面でも併せて困難を示していることがあります。
子どもがどこに困難を示しているのか具体的に知るためには、チェックリストが有効です。

以下に、長野県が作成されているチェックリストを添付させていただきます。
他にもチェックリストはたくさん作成されています。
お住まいの地域の学校や支援センターなどに問い合わせてみるのをお勧めします。

https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/tokubetsu-shien/tokubetsushien/jiritsu/jiritsu/documents/jiritsu1_5_3.pdf



LD(学習障害)を適切にサポート🍀

お子さんの困難を具体的に知ることができたら
その困難に応じてどのようにサポートすると良いのか、
一緒に考えていきましょう✨


『苦手』を無理強いしない

「苦手」や「困難」に気づいたら
『苦手を克服させたい!』と感じるのは自然なことです

しかし、苦手なことを繰り返しトレーニングしても効果が出ないようなら
すぐに中止しましょう。

特にLDの特性による困難は、お子さんに合わない勉強法を続けても
「克服」することは難しい
です。
学習そのものが嫌になってしまったり、自信をなくしてしまったりすることにもなりかねません…

例えば、文字を覚えるのが苦手な子に
何度も書く練習✏︎
を繰り返しても効果が得られないことが多いです。

『苦手を避ける』方法もあります

目的は、『文字を何度も書くこと』ではなく
『文字を覚えること』

『文字』という障害物を、みんなと同じように飛び越えるのではなく
回り道をしたり台を置いてあげたりする方法もあります

お子さんの苦手や困難がLDの特性によるものであると考えられるなら
飛び越える以外に

別の方法(カルタ・言葉遊び・読み聞かせ)や
適切な道具(書きやすい鉛筆・大きなマスのノート)

などを一緒に考えることが、お子さんのストレス軽減につながります🍀



『得意』を活かす

文章を読むのが苦手 → 聞いて理解するのは得意
文字や言葉の理解が苦手 →   イラストで理解するのは得意 
計算が苦手 →  目の前の物を数えるのは得意 

得意なことを活かして別の学び方で苦手をフォローしていく
という考え方もあります🍀

「なんで計算できないの?」
「何で文字が覚えられないの?」

そこまで苦労なく読み書き計算ができた人にとって
わからない理由がわからないことがあります。

お子さんは違う人間で理解の仕方が自分とは違んだ
と受け入れた上で、お子さんの
『できないこと』ではなく『できること』に注目することが大切です🍀

『得意なこと』は何ですか
それは、他の人と比べて、ではなく
自分の中で他のことよりも得意なことです

・読むより聞くこと
・聞いて覚えるより見て覚えること
・絵を描くこと
・音楽を奏ること
・体を動かすこと
・パソコンやスマホ、ゲームの操作

など得意なことをできるだけたくさん見つけてみましょう。
その得意なことを、褒めて褒めて伸ばしていきましょう。
得意なことを子ども自身が知ることも大切です✨


『苦手』に合わせて、工夫する

お子さんの苦手に合わせて、道具や環境を整えることも大切なサポートです🍀

【読むのが苦手】
・色定規、タイポスコープをつかう
・拡大教科書を使う
・文節や言葉のまとまりごとに、区切り線を描く
・読めない漢字に読み仮名を書く
・ICT機器の読み上げ機能を使う
・アプリを活用する
・オンライン図書(DAISY)を活用する
 (保護者・教師が無料で申請可能です↓)


【書くのが苦手】
・粘土遊びで、文字の形を捉える
・文字に○シールを貼り、指でなぞる
・文字をボンドで立体的にし、何度も指でなぞる
・大きいマスのノートを使う
・滑りにくいソフト下じきや、紙やすりを使う
・ICT機器の音声入力機能を使う
・キーボード入力で入力する
・板書を撮影してノートに貼る
・書きやすい筆記用具を使う


【計算が苦手】
・具体物を使って計算する
・普段の生活で、数える計算する経験を積む
(お箸を人数分運ぶ、チョコ均等に分けるなど)
・マスの大きいノートを使う
・文字や式をイラストに描いて理解しやすくする
・聞いて覚えるのが得意なら、書くより何度も言う・聞く



ちょこっとトレーニング💪

① 焦らず少しずつ
② 楽しい気持ちで
③ 効果をすぐに期待しないで

取り組むことがトレーニングの効果をあげるコツです✨

「見る」「聞く」「話す」「読む」「書く」「数」をテーマにした
家庭や学校でちょこっとできるトレーニング(遊び)をいくつか紹介します。

『見る力』を高める遊び👀

【ビー玉コロコロキャッチ】

集中して見る力や眼球運動を高めるトレーニングです👀

机の上にビー玉を転がして落ちるところを
子どもが、紙コップでキャッチする

という遊びです。

ビー玉のスピードを変えてみたり
ビー玉の数を増やしてみたり
紙コップ→おたま→スプーンとキャッチする道具を変えてみたり

など楽しくアレンジしながら取り組めると◎

他に
【迷路】
【言葉探し】
【点つなぎ】
【間違え探し・探し絵】

なども目のトレーニングにオススメです🍀

こちらの書籍で他にも色々なトレーニングが紹介されています♪


『聞く・話す力』を高める遊び👂

【ある・なしクイズ】
出題者が発言した言葉に、指定した文字が含まれているかどうかを聞き取る遊びです。

例 「は」があるときだけ、手を叩く

「はなび」👏
「ほたる」
「ごはん」👏
「はるやすみ」👏
「なつやすみ」

という感じです。

お題を「小さい ょ 」などにすると難易度アップ
「きゅうきゅうしゃ」
「しょうぼうしゃ」👏
「とっきゅうでんしゃ」
「しょうがっこう」👏
「ちゅうがっこう」   

という感じです。他にも

【スリーヒントクイズ】
【古今東西】
【マジカルバナナ】
【リピートしりとり】

などの言葉あそびは

『聞く力』だけでなく
『記憶力』
『集中力』
のトレーニングにもなるのでオススメです💪


『読む・書く力』を高める遊び✏︎

【言葉のすごろく】
「くつ」なら2マス
「えんぴつ」なら4マス
「しんかんせん」なら6マス

と言うように、サイコロの代わりに絵カードや絵サイコロを用いることで
物の名前に、音の数がいくつあるか楽しく学べます🎲


『数の理解』を深める遊び♪

【いくつといくつ?】

5→2と3
6→4と2
9→4と5
10→8と2

などのように数を合成・分解する
小学校1年生の算数で学習します

おやつの時間に、あめやチョコなどを使って

あめを5個見せる
 ↓
子どもは目をつむる
 ↓
大人はあめをいくつか隠す(手や紙コップて見えないように隠す)
 ↓
子どもは目をあけて、いくつ隠されているか考える
 ↓
正解したらおやつをもらえる

などのように、楽しく数に触れることが大切ですね♪


まとめ

『LD(学習障害)かな?』
と感じておられる保護者の方や先生方

まずは、何に困難を示しているのか
なぜ困難なのかを理解することが
サポートの第一歩です

得意なことを活かし
自尊感情を高めながら成長
していける🍀

そんなサポートができたら最高ですね✨



最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます。
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この記事を読まれた方が、
少しでも『LD(学習障害)』について理解を深めていただき、
少しでもお役に立てれば嬉しいです🌈
今後もできる限り有益な記事を書いていきますので、よろしくお願いします✨

【参考文献】


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