見出し画像

気負いすぎた学生時代に『兎みたい』と言われた私が思う、ウサギと狼の関係


学生時代の話をしたいと思います。私は中学の頃、学級委員というものを1年間やったことがありました。大抵クラスの委員というのは誰もやりたがらないもので、委員決めは毎年地獄のような状況でした。

私は当時クラスから孤立していたものの、例のごとく押し問答が始まった際に、クラスの誰かに「○○さんやってみたら?」と冗談で言われたのを真に受けて、私がやらなきゃと思って手を挙げたことがあります。


学生時代、今より不器用を極めていた私は、クラスの人の目が怖かった

何をしたかはほとんど覚えていないのですが、性格上気負って掃除を頑張ったり、頼まれてもいないのに、クラスの男子に掃除をちゃんとやってくれと注意したりした覚えがあります。誰かが小声で「いつも頑張ってるね」と声をかけてくれて、喜んだ覚えもあります。


必要以上に気負う性格だったので、クラスの学級委員となったからには、ちゃんと注意したり皆の規範にならないと、『学級委員のくせに』と詰られるのでは?陰口を言われるのでは?と思いこんでいたので、ただでさえ嫌いな学校が余計嫌いになった覚えはあります。


そんなとき、逃げ出したいくらい嫌だった学級委員の集まりに参加した際、唐突に別のクラスの学級委員の女の子に、

「○○さんって、兎みたいだね」

と言われたのが、なぜか未だに覚えています。


私が縮こまってキョロキョロしていたからなのか、緊張すると瞬きが止まらなくなるからなのか、わかりませんでしたが、なぜか今でも覚えている言葉です。


その子は明るくて姉御肌的な感じで、ショートカットの女の子だった気がします。名前すら知りませんが、印象だけは何となく覚えています。あと、当時同じく学級委員だった男の子の苗字や顔も、なぜかおぼろげに記憶があります。

学級委員の彼が当時私をどう思っていたかは知りませんが、特に目の前でバカにされたり罵られたりしていないし、穏やかな雰囲気の男子だったので、何となくほっとしていた記憶があります。


別に学級委員なんてやらなくても良かったし、そういうのは他のもっとうまく生きられる人に任せればよかったのに、教室ではいつも変に強張っていたように思います。

人の顔色をうかがいながら、陰口を言われると落ち込んで、息をひそめるように生活をしていました。ただ、なぜか誰もやりたがらない役を自分が引き受けなければならないような気になって、周りに迎合しようと頑張っていました。


ちなみに、なぜ「ウサギと狼」なのか?それは、私にとってパリピ属性がいわゆる狼のような存在だったからです。


なぜ狼かというと、最近完結を迎えた「BEASTERS」(ビースターズ)のレゴシ(狼)が、私の思うパリピとは真逆の性格ながらも、見た目と奥手な性格のせいで周りから誤解され、怖がられていたからです。

パリピではないですが、狼は属性的には肉食の怖い生き物。パリピの中にも良い人はいるでしょうし、狼だからと言って怖いとは限らない、ただやっぱり怖い、というのが、私の中のパリピかなと思います。


「BEASTERS」は主人公が狼、ヒロインが兎なのですが、気弱で肉食獣ということに負い目がある「レゴシ」が、ある日の夜、偶然小さくて白い兎の「ハル」に出会うのです。


出会い方はレゴシが誤ってハルを襲いかけるという最悪なものでしたが、会ううちに段々とレゴシはハルに惹かれていきます。ただそんな恋愛模様だけではなくて、肉食獣と草食獣が一緒に生活する中で生じる、双方の偏見や事件により、物語は展開していきます。


肉食獣は草食獣を食べてはいけないと表面上では決められていても、肉を売っている闇市が存在したりもします。普通に一緒に暮らしてはいても、ともに生活する動物を食べたい本能もあるという、闇を感じさせる作品です。


そんな作品ですが、印象的な場面があります。

はじめ兎のハルが、レゴシに対して強気な口調で普通に会話しているように見せかけつつも、恐ろしい狼の風貌により、身体が勝手に逃げようと拒絶反応を起こしていました。


それに気づかず、レゴシはハルと会話ができてうれしそう……というシーンなのですが、兎であるハルが、レゴシに対して恐怖を抱くのは当然なのだろうなと思って、何となく感慨深くなりました(笑)


ハルはどうしたって体格や身体能力面ではまるで歯が立ちませんし、どんなに強気な彼女でも、怖いものは怖い。それでも互いに歩み寄っていく姿が甲斐甲斐しくて、そういう部分も面白い作品だなと感じました。


兎だろうが狼だろうが、それぞれに良いところもあれば悪いところもある。同じ人間に見えても、人それぞれ個性があり、何かしら歩み寄って生きていければみんな幸せになれるのだろうと、思います。




ここまで読んでくださり、ありがとうございます!非会員ユーザーでもスキは押せますので、良ければ押してくださると励みになります。