Q.キャラの設定に悩んだら? A.生い立ちを考えよう(ノベルゲーム制作講座22 設定決めの5W1H who③)
キャラの生い立ちを決めて、特徴や性格の理由付けをしよう。
生い立ちが決まると、キャラ同士の繋がりも自ずと決まる。
美少女ゲームの場合、負けヒロインのその後も考えよう。
今回も前回に引き続き、設定決めの5W1H【Who】について。
キャラクターのメタ的な役割、立場、魅力を設定し終えたら、
お次は、キャラクターの『生い立ち』を考えましょう。
キャラクターの生い立ちを考えることで、
などの疑問に答えることができます。
前回と前々回の講座はこちらから
■物語のキャラも血が通った一人の人間
あなたがこれから作るキャラクターは、
この世に生を受けて物語が始まる『今日』という日まで、
辛いことも楽しいことも経験してきました。
今で経験してきた出来事、教わった文化教養、抱いた思い。
それらが『人となり』=『性格や心情、信条』=『属性』を形成します。
もしも野生で生まれ育ったターザンが
ノーヒントで難しい数式を解いてみせたら矛盾が生じます。
物語や設定に矛盾が生じると
ユーザーはキャラに感情移入できずに白けてしまいます。
ですが、「実は天才科学者の生まれ変わりである」「宇宙人に育てられた」
といった『ターザンが数式を解ける理由』がきちんと(?)
設定されていればそれは驚きに変わります。
■キャラの身体的特徴は、両親に依存する
生まれついての身体の丈夫さ、背丈や胸の大きさといった
『個体差』はキャラによって自由に設定できますが、
白人、黄色人種、翼が生えている、種族:オークである……といった
『種族的な身体的特徴』は、出生や両親の設定に影響されます。
金髪の日本人なら、日本人とアメリカ人のハーフでしょう。
翼が生えているなら、両親は天使か有翼人かもしれません。
キャラの出生や、両親の設定を決めることで、
「どうしてこのキャラは、○○という特徴を持って生まれたのか?」
という疑問に答えることができます。
『実は親が魔王である』『サイヤ人の生き残りだった』
『前世では救世主で、今は記憶を封印されている』など
先天的に備わった属性、潜在能力も、出生を決めることで説明できます。
ゲーム制作はチームで行うので
仕様書や企画書、設定に書かれていない項目は
「不明」「未定」なものとして扱われ、混乱の元となります。
「金髪なのは染めたから」「美少女ゲーム特有の派手な髪色(メタ)」
ならばそのように設定を決めて、明文化しましょう。
■キャラの性格は、育った環境に依存する
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内勤ライターとして、美少女ゲーム業界で15年以上働いてきた経験と、そこで得たノウハウを文章にまとめています。ゲーム業界特有の謎規則や技術解説、仕事に取り組む際の心構えなどもご紹介。応援してくださると定期的に記事が更新されます(人間だもの)