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食の風景

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「食の風景」とは、食に纏わる美味しいお話から、料理のあれこれを、時に脱線しながら、思うままに腕を揮っては語っております。レシピは無いけれど、今日も美味しいご飯を一緒に食べませんか。
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#秋

食の風景「畑から食卓へPEANUTPASTE」

こんにちは 昨年の冬の出会いを一つお話させていただきます。 見るからに素敵な食品を見つけました。 何ともお洒落でスマートな小瓶。余計なものは一切入っていない、天然素材のみで作られたピーナツペーストです。 千葉の落花生を未来につなぐピーナッツブランド「Bocchi」の商品です。ここにも「おいしい」を育て、守り、つないでいこうと頑張っておられる農家さまがいらっしゃいます。応援したい。 ピーナツは好物です。このピーナツペーストは一体どんなお味がするのでしょう、大変興味をそそら

食の風景「前略、秋味」

 野菜に果物、木の実に魚・・旬を迎える食材の豊富な秋真っ只中です。 「今日はどんな秋味にする?」  そんな相談が町のあちこちで交わされているような気のします。 今日のわが家は、まさに秋味いっぱいの食卓となりました。 さつま芋ごはん、さんまの塩焼き、大根とさつま芋の味噌汁です。 角切りにしたさつま芋をごろごろ入れて、お芋に味を付ける程度の塩をひと摘まみ。三合のお米と一緒に炊けば、あっという間に紅染まる鮮やかなさつま芋ご飯の出来上がりです。ほくほくです。柔らかな甘い香りが食欲

食の風景「それならスープにしませんか」

具材は何でも良いのです。台所にあるものを鍋でぐつぐつことことすればスープです。これだけあったら食事になるのです。 スープにしませんか。 日々の時間に追われてしまった時、どうしても元気が出なくて台所へ立つのが億劫になることはありませんか。品数が増える程料理に時間がかかります。ただ栄養は摂りたいと思います。こんな時はスープにします。今日はそんな頼もしきスープの数々を写真で御紹介致します。それでは、 「いただきます」 和風洋風とこだわる必要もなく、その日の気分で、その日ある

食の風景「君が好きなきいろみどり、そしてあか」

旬を迎えた南瓜が美し過ぎやしませんか。半分に切った状態で断面を見せて並んでおりました。その多くは秋の彼岸に思い立っておはぎの南瓜あんとなりましたが、残りは元々食べたいと思った蒸焼きかぼちゃにしました。鉄のフライパンへ皮を下にして並べ、水を回し入れて蓋をします。じゅうじゅうじゅうじゅう、あっという間に甘い香りが漂います。水分が飛んだ頃に蓋を開けて焼き色を確認。こてんと向きを変えて、全体に火が入っていれば出来上がりです。味付け無し。それで良いのです。旬の南瓜は味付けいりません。甘

食の風景「秋の先陣切ったよ平茸ごはん」

そこは秋の入り口。少し歩けば大きなかぶがありました。平茸の株です。おばあさんやねこやねずみの力を借りなくても一人で持ち帰れるサイズの平茸の株です。 スーパーにきのこが盛り盛り置かれるようになると、「秋だもんねえ!」とやたらと誰かに共感を求めたくなります。年中食べられる食材ですが、秋のきのこは格別です。どれもみんな旨味が増して、活き活きとしています。余計な事はしないで、只炭火で焼いて頬張りたい。そう思わせる姿形をしています。 そんな立派な平茸を、ごはんの鍋で炊き込みご飯にしま

「秋の彼岸に色とりどりのおはぎを」

 刷毛で伸ばしたような薄雲が広がる秋空の下、土手に並ぶ彼岸花は地元の小学生が植えたものです。小道に並んで、今年も秋の彼岸を迎えました。仕事と執筆の合間に作れるかな、どうかな・・・と思いつつ、そろそろあんこが食べたいと思います。台所で材料の在庫を確認。 もち米220gに米320g。もち米100%が好きですが在庫が無いので今日は混ぜます。はかりでグラム計算したため3合以上に。 ※一合は約150g・180CCです。 あんこ・・小豆210g、三温糖100g、黒糖3かけら、塩ひとつ

食の風景「秋を迎える朝ごはん」

 茗荷の収穫を終え、名残の笹の葉が風に揺れてはさわさわと鳴り、椿と山茶花の木が黙然と立つわが家の庭に、今年もむかごができました。  本日の表紙はむかごとお漬物の小皿です。父曰く昨年ほど蔓を伸ばさなかったそうで、収穫量は期待できないとのこと。しかしながら秋の始まりを感じさせてくれる滋味深い食物です。小鍋でことこと火を入れて、お醤油で味付け。里芋とも違い、独特の香ばしさがあります。小粒でも味はしっかり、美味しい恵みです。  さる休日の朝ごはん。日頃ついつい気忙しく動き回ってし

「食の風景・深秋定食」

言葉以上に写真が語る事って、あると思う。 あると思うのよ。美味しかった。ごちそうさまでした。                          いち ※食の風景シリーズが溜まってしまいました。先ずは去る深い秋の夕食をお届けします。短編小説を連投したので文字の休憩に、宜しければ御賞味下さいませ。

「食の風景・鴨のローストと秋の実り」

時にはボリュームのある夕食を。晩秋のとある夜、鴨のローストを作りました。秋の実りと共に、 「いただきます」 この、食卓に着いて手を合わせる瞬間が好きです。幸せが込み上げて来るから。 本日の献立 ①紅はるかと黒米のさつま芋ご飯 ②キャベツの芯のまわりと小松菜の茎と人参の合わせ味噌汁 ③本日のメイン・鴨肉のロースト風、秋野菜と一緒に 鴨はフライパンでじっくりロースト風に焼いて、出た油で、まずは人参を焦げ色つくまでしっかり焼きます。香ばしい甘味が出て、一層美味しくなり

「食の風景・寒い日の具だくさん豚汁」

今朝は冷え込んだ。季節外れの寒さが続いて、どうにも身の縮こまる休日。こんな日のご飯は、あったかいものがいい。そう、例えば豚汁なんて、いいじゃないか。 そうと決まれば早速お料理しましょう。 豚肉の小間切れは便利な食材ですね。汁物に良し、炒めて良し、お好み焼きにも、ボイルしてサラダ風でも食べられます。お得なパックを買っては、小分けして冷凍しておきます。使う当日か前日に冷蔵庫で解凍して使います。 今日の具材は大根、人参、白菜、平茸、板こんにゃく、玉ねぎ。全てお家にあったもの。

「食の風景・私は煮物が食べたいの」

先日から和食が作りたくて作りたくて、食べたくて、休みの日にとうとう作りました。 何作るかと云って、やっぱり煮物です。秋の豊富な根菜を使って美味しい煮物を作ろうと思います。 煮物の板昆布は、先月北海道物産展に行きたいと云う家族に付いて行って買い求めた真昆布でして、今回が初登場。どんなお味か、出汁は、旨味はどの位出るかしらと、わくわくしながら出勤前に水に浸けておいたのです。丸一日浸かっていましたが、板は崩れることなく良い出汁が出た模様。それをごろごろ野菜の入ったお鍋へ合流。具

「食の風景・秋鮭と南瓜の煮物」

ほくほく南瓜の、甘くてとびきり美味しい季節がやって来ました。焼いて好し、揚げて好しの南瓜ですが、とくに、煮物が絶品です。秋鮭も旬を迎へ、売り場では運が良ければ鮭の白子に出会えます。我が家では大人気の白子ですが、今日は無かったので、切り身だけ。こちらは素朴な焼きで。皮のみ塩胡椒振っています。アルミホイルふわり被せて殆ど片面焼きです。 と云うことで今夜も和定食。お品書き「十七穀米入りごはん・キャベツと大根の皮のお汁・南瓜の煮物・レタス・焼き秋鮭・白湯」 湯呑みの中身、日本酒じ

「食の風景・秋刀魚定食」

 今晩は。日一日と暮れが早まり、近所の金木犀は直満開に。夕焼け染まる空へ見惚れる頃には、早涼しい風と松虫の合唱が聞こえて来ます。  そんな一日のおわり、今夜の献立は「秋刀魚、栗ご飯、味噌汁、法蓮草のお浸し」と秋味を満喫する料理が並ぶことになりました。表紙の秋刀魚、北海道産です。ここ数年は値が上がりましたが、それでも食べたい季節の味です。良い物が入荷したらしく、売り場でも張り切った宣伝が貼られていました。確かに奇麗な瞳をしていました。思わず立ち止まって、食べたいな、そう思いま

「食の風景・季節の天ぷら」

「藤の間揚げ物あがったよ」 忙しい厨房の中、飛び交う威勢。一方では煮方の兄さんが親方に味見をお願いしている――天麩羅を並べるとそんな料亭の厨房思い浮かべます。 天麩羅、唐揚げ、フライ・・・。揚げ物はどうも奥が深く、考える程に手強い料理だと思います。衣、油、温度、見栄え。いつか上げたてを提供してくれる天麩羅屋へ連れて行って貰った時、その仕上がりにいたく感動しました。職人と云うのはやっぱり凄いものですね。油で胃がもたれる事もありませんし、何より一つ一つの食材が、外側はさくりと