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こどもの読みもの

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こどもにおすすめの本。 かつて、こどもだった大人におすすめの本。
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#読書記録

浮世風呂

浮世風呂

浮世風呂

式亭三馬 1809〜1813にかけて刊行
銭湯を舞台に江戸庶民の日常の生活や風俗を描いた滑稽本。
4編9冊からなる滑稽本で、一貫した話の展開ではなく、銭湯に集まる客たちの世間話を集約した作品です。

【男湯之巻】
続々と客が入ってきて混んでくると、世間話の音量が響き渡る。昨日の話、地震の話、大家の話・・・。風呂の中で男が倒れて大騒ぎ。西国から江戸へ出てきた者が、タライの中に布がつけてあ

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小説智恵子抄

小説智恵子抄

佐藤春夫 1957

「あんまりいいお天気だから、わたし空を探しに行ってきましたのよ・・・・・。」

「年少の読者が詩集『智恵子抄』を解読のためには多少の役立つところのあるのも疑わないし、また原詩集がわが解釈の不備で傷つくはずのないのを信じ、安んじてこれを上梓する」

高村光太郎 1883〜1956
高村智恵子 1886〜1938
高村光雲 1852〜1934 その弟子米原雲海

「智恵子抄」19

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吉里吉里人

吉里吉里人

井上ひさし 1981
上野発仙台行きの夜行列車「十和田3号」が突然急停車。猟銃を構えた男たちが乗り込んで来た。
東北の一寒村、吉里吉里村が突如日本から分離独立を宣言、「吉里吉里国」を名乗ったのだ。たまたまこの列車に乗り合わせた三文作家の古橋は、ネタを掴む千載一遇の好機とばかり、同行の編集者共々この「小国」に外国人として滞在することを申し出る。

吉里吉里国は誕生から崩壊まで僅か36時間ですが、あり

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羊たちの沈黙

羊たちの沈黙

トマス・ハリス 1988

FBIアカデミーの訓練生クラリスは、行動科学課の長クロフォードから呼び出され、依頼を受ける。
その依頼とは、現在、行動科学課で進めている「凶悪犯逮捕プログラム」作成のために「人喰いハンニバル」こと、ハンニバル・レクター博士と面談して欲しいというものだった。
九人の人間を殺害し、その肉を食べたと噂されるレクター博士。一流の精神科医にして連続殺人犯である。彼の協力を得る為に

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