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こどもの読みもの

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こどもにおすすめの本。 かつて、こどもだった大人におすすめの本。
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2023年2月の記事一覧

桃太郎

桃太郎

『桃太郎』

落語
「御伽話」出自

子供が夜遅くになっても寝ないと、親は早く寝なさいと御伽噺をする。

「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に・・・。」

・・・桃太郎の話をすると、話が最後まで終わらないうちに、親がひとこと。
「あれ、寝ちまいやがった。子供なんてものは罪がねえなあ」

最近では、こうはいかない。「寝ると噺は聞けないし

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一ねんせいになったら

一ねんせいになったら

ーねんせいになったら

まどみちお 作詞
山本直純 作曲

1966年 NHKテレビ番組「うたのえほん」発表。

一ねんせいに なったら
一ねんせいに なったら
ともだち ひゃくにん できるかな
ひゃくにんで たべたいな
ふじさんの うえで おにぎりを
ぱっくん ぱっくん ぱっくんと

卒園式で歌われる童謡です。小学校入学を迎える子供達の、期待に満ちた心が伝わってきます。「ひゃくにん」という現実的

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ムーミン谷の彗星

ムーミン谷の彗星

ムーミン谷の彗星 1946
トーべ・ヤンソン TOVE JANSSON

戦争を連想させる大災害がモチーフになっています。トーべはこの物語を継続戦争の頃に描き始めましたが、実際に挿絵を入れて最後まで書き上げたのは平和が訪れてからになります。ムーミン達はこれまでのストーリーに引き続き、自然の大きな力を相手に冒険をするのですが、この「ムーミン谷の彗星」は内容が過激になります。物語の序盤、青いムーミン屋

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かさじぞう

かさじぞう

瀬田貞二 再話
赤羽末吉 画
初版年月日:1966/11/01

とある雪深い国に貧しい老夫婦が暮らしていました。おじいさんは正月の餅を買うために、笠を五つ持って町に売りに出かけましたが、さっぱり売れません。そのうちに日が暮れて雪も降ってきたので、しかたなく戻ってくる途中、野原に立っている六人のお地蔵様に雪が積もっているのを見て、いかにも寒そうで可哀想に思い、持っていた笠を被せていきました。しかし

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ムーミン谷の彗星

ムーミン谷の彗星

ムーミン谷の彗星 1946
トーべ・ヤンソン TOVE JANSSON

戦争を連想させる大災害がモチーフになっています。トーべはこの物語を継続戦争の頃に描き始めましたが、実際に挿絵を入れて最後まで書き上げたのは平和が訪れてからになります。ムーミン達はこれまでのストーリーに引き続き、自然の大きな力を相手に冒険をするのですが、この「ムーミン谷の彗星」は内容が過激になります。物語の序盤、青いムーミン屋

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杜子春

杜子春

「杜子春」
芥川龍之介 1920

・・・・・
「或春の日暮です。 唐の都洛陽の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでゐる、一人の若者がありました。 若者は名は杜子春といつて、元は金持の息子でしたが、今は財産を費ひ尽して、その日の暮しにも困る位、憐な身分になつてゐるのです。」
・・・・・

鈴木三重吉の主催する児童文芸雑誌「赤い鳥」1920に発表された童話。「夜来の花」1921に収録される。中国古典「杜

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