「てんてき」
こんばんは。
作家の尾崎レミです。
少し前にソラニエ・ラボという
ものづくりユニットをやっているという
記事を書いたのですが、そのチームで、
クジで キーワードを一つ引いて、
それについてあらすじを考えて発表する、
というのをやっています。
少し前に引いたキーワードは
「てんてき」
ひらがなの、てんてき、です。
点滴 なのか
天敵 なのか
もっと他の何か なのか
皆さん、どう思います??
私はソラニエという作家ユニットをやっていて、
基本的に二人で本を書いているので、
相方の水辺くんと散々話し合い、あらすじを作りました。
てんてき、なかなか強敵なテーマでした。
読んでくれたら嬉しいです。
載せます。
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「てんてき」
人の涙が枯れ果てて30年
人類にとって、涙はもはや過去の産物となっていた
頬をつたう、一筋の雫
そんなものは映画の中の演出でしか見なくなった
それ以前から、感情をあまり感じなくなる人間が増えていた
大きな喜びもないが 深い悲しみもない平坦な日々
涙が枯れるという突然変異、
それはもしかしたら病だったのかもしれないが
人はそれを『人類の進化』だと呼び
私達は悲しみを克服したと祝った
それから数年後
世界から犯罪自体が減り 退屈な日々を過ごす警官・真狩(マガリ)とその友人の倉本(クラモト)は
行きつけのバーの裏口近くに、地下へと続く階段があるのを見つける
降りるとそこには、点滴に似た形状の装置がぎっしりと並んでいた…
上部に吊るされた袋には透明な液体が入っているが、
管を通り、最終的に下にある受け皿にたれて来る液体は色とりどりだった
真狩は止める倉本をよそに、色のついた液体を持ち帰ることにする
数日後、あの地下室のことが気になった倉本は真狩と共に再びバーを訪れ、
あの袋に入った透明な液体が 今は枯れ果てたとされる「涙」だということを突き止める
点滴のような装置、滴る色のついた液体…
倉本はもうあのバーに行くのはやめようと提案するが、
真狩は、持ち帰った液体の不思議な魅力に取り憑かれていた…。
強烈な想いを宿したものは高く売られ
感情は買わないと手に入らない
二人の男の運命は正反対に分岐していく
想いを宿す「雫」を巡る人々の話
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ファンタジーからSF、童話まで、
色々な話を書きたい私達。
でもあらすじまで考えると、
すぐに言葉やセリフを考えたくなっちゃうな。
おはなしに囲まれた、たのしい毎日。
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