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AIでアニメーションを作ってみました - Kaiber.AI

こんにちは。空色チューリップの古河玉虫です。

今月上旬に開催された2023ボカロック投稿祭に「またたび」という曲で参加しました。イベントの詳細は以下をご覧ください。

参加曲のMV制作にあたりKaiber.aiというサービスを使いました。これはAIイラストを連続的に生成することでアニメーションを作ることのできるサービスです。

世界的に有名どころではLinkin ParkのMVの制作にもこのKaiber.aiが使われており話題となっています。

なかなかすごいアニメーションMVなのですが、残念ながらKaiber.aiのサービスを使えばこのクオリティのものがポンと出来上がるかというとそういうわけではありません。実際にはkaiber.aiで作ったアニメーションを素材として一部使用している、という理解が正しいのではないかと思います。

アニメーションの作り方は結構簡単で、キービジュアルとなるイラストをKaiber.aiにアップロードし、どんなアニメーションを作るかを英語の指示文(プロンプト)で指定。動画の長さや、変化の大きさ、アニメーションの動く方向などのパラメータを指定するという手順です。

空色チューリップのMV制作では、最近、このKaiber.aiを多用しており、冒頭で述べた「またたび」という曲のMVでも使用しました。ただ、kaiber.aiで作ったアニメーション素材をそのまま張り付けるだけでは少し味気ないですから多少凝った手法を用いています。

具体的な制作手順としては以下の通りです。

① Novel AIで生成したキービジュアルをKaiber.aiに読み込ませて、まずは60秒程度のアニメーション素材を作る。使用したキービジュアルは以下のものです。

kaiber.aiに読み込ませたキービジュアル

② 生成されたアニメーション素材を8倍速くらいの早回しで動画に組み込む。そして、アニメーションの最後のフレームをスクリーンショットで画像として切り抜き、それをKaiber.aiに読み込ませてさらに60秒程度のアニメーション素材を作る。

Kaiber.aiで生成したアニメーションを早回ししたもの

③ 以下、①と②を繰り返して曲の尺に合うアニメーションを作っていく。「またたび」では曲の展開に合わせてアニメーションを逆再生したり、再生速度を変えたり、動画編集ソフトでエフェクトをかけたりして最終的なMVを完成させました。

そして、出来上がったMVがこちら

ボカロック投稿祭ではMVの面白さに対してコメントを多くいただくことができました。

Kaiber.aiで生成されるアニメーションのおかげで動きのあるMVが簡単に作れます。ただ、それだけでは曲調の変化や歌詞の流れに沿った動画を作ることが難しい。この記事で書いたように、作ったアニメーション素材の最後のフレームを再度Kaiber.aiに読み込ませてアニメーションを数珠つなぎのように繋げていくことで動画の展開をコントロールしつつ、流れのよいアニメーションを作ることができます。

ひと手間かかりますが一からこれだけのアニメーションを制作することを考えればかなりの省エネでそれなりのクオリティのMVを作ることのできる手法ではないかと思います。

今後もAIの上手な活用方法を研究して創作に活かしていけたらいいなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。もしよろしければYouTubeのチャンネル登録もしていただけると嬉しいです(笑)