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「やらない理由なくない?」からはじまったオンラインレンタルの取り組み~三和建設株式会社様(本社:大阪)/西尾レントオール株式会社様 事例インタビュー~

取材日:2023/09/14

左から: 西尾レントオール/大地様、平井様、大垣様 
三和建設/井上様、参鍋様 
SORABITO/博多、小林

SORABITOが開発し、建機レンタル企業様が専用のオンラインレンタルサービスを提供できる「i-Rental 注文」(以下「i-Rental」)。建機や保安用品などのレンタルを、パソコンやスマートフォンからご注文いただけます。また、注文の手配内容や履歴を確認でき、変更や再注文も簡単です。さらに、現場ごとにレンタル中の商品・数量を一覧化しているため、重複発注や返却漏れ防止などのコスト削減にもつながるサービスです。
 
今回は「i-Rental 注文」をサービスリリース時からご活用いただいている西尾レントオール様と、そのお客様であり、西尾レントオール様のオンラインレンタルサービスをご利用いただいている三和建設様にお使いいただいた経緯や感想などを取材させていただきました。

▼取材対応いただいた皆様
三和建設株式会社(https://www.sgc-web.co.jp/)
・取締役 井上哲史様
・大阪本店次長 工事グループ グループリーダー 参鍋広志様
・大阪本店工事グループ 作業所長 冨川祐司様 
 
西尾レントオール株式会社(https://www.nishio-rent.co.jp/
・関西土木営業部部長 大垣重規様
・関西土木営業部 高槻営業所 所長 平井真太郎様
・情報システム室 課長 大地幸夫様


両社のご紹介とお取引のきっかけ

SORABITO:
本日は取材対応いただき誠にありがとうございます。本日は是非忌憚ないお話を伺いたいのですが、初めに三和建設様について教えてください。
 
井上様:
今年(2023年で)創業76周年、大阪本店と東京本店を中心に事業を展開しています。サントリー様(山﨑蒸溜所、宇治川工場)、ニチレイフーズ様、淀川製鋼所様、杉村倉庫様、パラマウントベッド様等と長いお付き合いをさせて頂いております。10年ほど前から選択と集中の事業方針の中で、食品工場、特殊機能倉庫(危険物倉庫、自動倉庫、定温倉庫等)に注力しています。社員数も10年ほど前の107名から約170名まで増えています。本業と関係する領域でM&Aも実施しグループで6社300名の規模に成長し、企業理念浸透を基本とした新卒採用、経験採用、人財育成などに注力しています。
 
大垣様:
創業65年、社員数はグループあわせて約4500人で、九州を除く全国に拠点を置き事業を展開しています。道路舗装機械のレンタル事業から創業し、建築、空港整備、インフラ整備に関連するレンタルを行っています。三和建設様とのお取引は24年程前からで、京阪地域にある大手飲料メーカー工場の案件からです。それ以来、特に高槻営業所と懇意にしていただいております。

「なんで無料なん?」「やらない理由がない」から始まったオンラインレンタル~オンラインレンタル利用開始前の課題~

SORABITO:
三和建設様に最初にご紹介差し上げた際、「やらない理由がないな」とおっしゃっていただいたのが印象に残っているのですが、その背景にあった当時の課題や「導入後の変化」などを教えてください。
 
参鍋様:
電話のやりとりが大変でした。依頼する側としては、それほど電話をする時間がかかるわけではないです。一方で、こちら側は多くの担当が関連するため、レンタル側窓口である西尾レントオールの営業担当の方(平井様)に電話が集中してしまいます。現場では電話のタイミングがあわなかったり、忙しいのはわかっているので、電話を遠慮してしまうこともあります。当たり前ではありますが、土曜や夕方につながりにくいなども発生します。オンラインレンタルを活用することによって「いつでも連絡できる」だけでもかなり違いがありましたし、チャット機能などの活用で関係される方にも情報伝達がスムーズにできることも大きなメリットでした。

表面上は、コミュニケーション手段が電話からオンラインに変わっただけでしたが、西尾レントオールさん側もちょっとした確認業務が軽減されるなど、スムーズに動けるということも見えてきました。自社も西尾レントオール様も両社にとってメリットがあると感じました。また、同じ情報を西尾レントオール様も自社関係者も共有できることで、コミュニケーションの質も上がったと感じています。

なんといってもお金はかからない(笑)、やらない理由はないですよね?
コミュニケーション手段としてだけではなく。紙のカタログの代わりに画面から借りたい製品を選べたり、作業所内の在庫管理も楽になりました。返却も簡単にできました。システムなので血が通いにくい様に思えるのですが、それを超えるコミュニケーションができたと感じております。

SORABITO:
「なんで無料なん?」と3回もおっしゃっていただいたことが、とても印象に残っています。しかし、他の建設会社様にオンラインレンタルをご紹介させていただくと「電話の方が便利」といわれることも多いのですが、実際はいかがでしたか?
 
参鍋様:
声のコミュニケーションが薄れるとは感じていましたが、もうそんな時代でもないですし、適切に電話での確認なども併用するため、人のつながりが切れることはなかったです。

通話量は3割削減 ~オンラインレンタル導入後のリアル~

SORABITO:
建機レンタル会社のお立場として、平井様にお聞きしたいのですが、普段、三和建設様をはじめとしたお客様とは、1日何件程度お電話をされているのでしょうか?
 
平井様:
お客様からの電話だけで、1日50件から100件以上はありました。お客様から伺ったことをそのまま社内に伝えたりも必要なので、社内連絡を含めると200件ぐらいは電話をしていました。自身だけではなく、業界的にはごく当たり前の状況かと思います。オンラインレンタル導入後は、関係者が同じデータを見ているので、電話をしなくて良いシーンが増えたり、仮に電話をする場合も情報を伝えるのが非常に簡単でした。
 
従来はどっちが悪いという話ではないのですが、「それじゃなかったのに」「言った言ってない」なども時々発生してしまい、時には月末に「同じ日付ではあるものの、相互の認識が1ヶ月違っていた」などもありました。データ管理によって齟齬がなくなったのも大きなメリットです。

SORABITO:
三和建設様に限った際に、電話でやりとりされる方の人数は、どれぐらいになられるのでしょうか?
 
平井様:
10から20名程度です。内容は機械の問い合わせが多いのですが、注文以外に納期の問い合わせなどもあります。1件3分としても100件で300分は電話をしている計算になります。お電話にでると「はじめまして」というケースも往々にしてあります。この様な状況なので、電話が命です。固定電話ではなく携帯にかかって来るので、電源は落とせません。
 
SORABITO:
携帯が普及してから、電話によるやりとりに変化はありましたか?
 
参鍋様:
やはり増えましたね。定額かけ放題プランなどもありますし。
 
平井様:
以前と違って、電話をかけてこられる側も「運転中ですか?」など、配慮いただけるようになりました。安全に配慮してハンズフリー機能などを活用しているので、もうすぐゴールド免許です(笑)
 
SORABITO:
レンタル品の商品カタログについて教えてください。現場事務所に各社のカタログを持ち込んで、そこから注文されているのでしょうか?
 
参鍋様:
そうですね、カタログは作業所事務所に持ち込んで、それを見て注文していました。機械の重量や大きさを知りたいときには特にカタログから調べて、さらに詳細を確認したいときには問い合わせをして、長いラリーが発生しているのが実情です。オンライン上で欲しい情報はだいたい入手できるので、電話での確認が不要になりましたし、社員間でのコミュニケーションの質も上がりました
 
SORABITO:
コミュニケーションの質が上がったというお話について、具体的な変化をもう少し詳しく教えていただけますか?
 
参鍋様:
従来は所長が職員にレンタル品については「何を」「いつまで」と口頭で指示していたため、本当に借りているのかは、届くまでわかりませんでした。また、所長指示でのレンタル以外に、現場判断で借りることもあるため、所長がレンタルされている機材を把握しきれない状況も時々発生していました。どうしても現場で「これ何?」「いつまで借りているの?」「返却忘れでそのまま放置」なども起きてしまいます。オンラインレンタルの活用により、情報の共有がスムーズになって、結果としてコミュニケーションの質が上がったと感じています。

「メモや帳簿でレンタル品を全て管理したら?」という意見もありますが、現場の業務は複雑かつ一部属人的になってしまっており、現実にはメモなどでの正確な管理は困難なため、「返却したつもり」になってしまっているものも出てしまいます。作業所長や副所長が現場で無駄を見つけてからの返却依頼も発生しているのが実情です。特に竣工間際には、行き違いが発覚し、建設会社にとってもレンタル会社にとっても「返した」「返してない」「数量が違う」などの最も不毛なやり取りが発生しがちです。

SORABITO:
利用されている方の評価はいかがでしょうか?
 
参鍋様:
メールで通知がくるので常に確認できるのは効果として声があがってきています。画面上にカタログがあるのですぐみられる、在庫管理も一覧でわかる、カタログを見る時間が少なくなった(効率が良くなった)などの多くのメリットを聞いています
 
平井様:
事務所とのやりとりが楽になりました。お互い何が起こっているのか把握できるのはメリットです。わざわざ「わかりました」の連絡を入れる必要がなくなったのも大きいです。オンラインでは聞きにくいことは電話でやり取りしますのでデメリットはあまり感じません。連絡に対する返答も含めると3割ぐらいは電話が減ったのではないでしょうか?

社内勉強会の開催~新なチャレンジを定着させるための取組~

SORABITO:
両社にとって新しい取組だったかと思いますが、使い方や活用方法の浸透はどの様にされたのでしょうか?
 
参鍋様:
こういう便利なシステムがあるという告知をしたうえで、作業所で操作方法の共有などを行い、「聞いただけではわからないと思うので、とりあえず登録して使ってほしい」と伝えました。大ベテランの方は「抵抗がない」とまではいきませんでしたが、若手は一切抵抗がなかった様です。操作そのものは困りませんでした。それほど難しい操作もないですし、弊社にはDXに対するアレルギーはありません。「新しいものがでたらやってみる」という文化が浸透しています。
 
SORABITO:
冨川様から「勉強会をしたいので、仕様について教えて欲しい」というお問い合わせをいただいたのを覚えているのですが、冨川様が講師役をしてくださっていたのでしょうか?
 
参鍋様
冨川さんから広めてほしいという指名はしました。
 
冨川様:
作業所長に浸透させるため、「言葉ではなく動かしながら広めて欲しい」という依頼をいただきました。TOP画面だけだと良さが伝えにくいので、「台数管理ができること」「先の日付で注文を入れられること」など、細かい話よりもメリットを伝えると使ってもらえると感じたので、その様に伝えました。

SORABITO:
皆様の最初の反応はいかがでしたか?
 
冨川様:
リース品の台数管理が積年の所内の共通課題でした。この課題が解決できるというのが大きかったです。自身だけではなく、みんな同じ意識だったため、「まずは使ってみよう」となりました。
 
平井様:
結構すっとやってくれました。自分(平井様)が一番おそいぐらいです(笑)。入力も楽ですし、問題はありませんでした。
 
大垣様:
三和建設様の勉強会※に参加依頼があり出席したのですが、こちらから伝えることもなかったぐらい、勉強会もうまく説明されていてとてもスムーズでした。
※三和建設様にて主催された社内勉強会に、西尾レントオール様がご参加された際のお話です。
 
SORABITO:
正直、最初にオンラインレンタルの話がきたときはどうでした?本音で教えてください。
 
平井様:
正直にお伝えすると、本当にできるのか心配でした。従来の方法との関連性がわからず、二重の手間になるので、社員の負荷が大きくなるのではと心配していましたが、データ反映など思ったよりは楽だったという印象です。
フロント(機械の在庫管理などを含むマネジメント業務担当)、営業両方の社員が使っています。特定の人ではなく、社内にいる社員がだれでも顧客に対して対応ができるので業務もスムーズになりました。

オンラインレンタル(i-Rental注文)への今後の期待と展望

SORABITO:
運用の苦労はなかったでしょうか?今後の要望を含めて教えてください。
 
参鍋様:
難しいとは思いますが、レンタル費用(実勢価格)がシステム上でわかるとうれしいです。先に金額合意ができれば請求の際の交渉も無くなるので時間も削減できます。作業所メンバー視点でも、借りる必要性の判断がしやすくなります。

また、水中ポンプなどセットで使われる付属機器について、「これも必要です」というリマインドがあれば便利といわれたことがあります。現状も付属品を選ぶ機能はあるのですが、気が付きにくいのかもしれません。
 
冨川様:
TOP画面のラインアップについて、仮設資材として養生材なども含めてラインナップ整備をしていただけるとうれしい。副資材など購入品も一括管理できると、購入履歴が管理できるので、さらに助かる。金額管理機能も実装できれば、原価管理にも活用できるのでひと手間も二手間も減らすことができます。

SORABITO:
現場に浸透させるために苦労された点や、改善要望はありますでしょうか?
 
平井様:
先ほどのリマインドの話が該当します。経験が浅い社員の場合、レンタル会社としても同じことが言えて「確認が必要」なことが漏れてしまうことがあります。

例えばAIで現場を判断して、よく借りられる製品を判断して表示してもらったり、過去の例からレコメンドしてくれるとうれしい。建築、土木、道路など得意現場に応じて出し方の優先順位を変えるイメージになります。
 
SORABITO:
今後「i-Rental注文」の活用について、広がりをみせるにはどんなことが必要でしょうか?
 
 
参鍋様:
自社での活用拡大については、今は6作業所で活用していますがタイミング次第かと思います。基本的には全作業所で活用する様に指示を出しています。他の建設会社への広がりという点では、建設業協会などでの紹介は可能です。西尾レントオール様側では実際に三和建設からの電話の数は減りました?
 
平井様:
電話の数が減ったのはもちろんですが、同じ情報を共有できるので、ラリーの電話数が減ったのが大きいです。

DXに対して積極的な企業と、従来のやり方にこだわられている企業では進め方が大きく違ってきてしまいます。操作性についてはもっと少ないタップ(クリック)数でできるような「簡素バージョン」があっても良いかもしれません。
 
SORABITO:
色々貴重なご意見をいただき、本日はありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
 
一同:ありがとうございました。



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