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ジョーカー

あらすじ:孤独で心の優しいアーサーは、母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みコメディアンを目指す。ピエロのメイクをして、大道芸を披露しながら母を助ける彼は、同じアパートの住人ソフィーに密かに思いを寄せていた。そして、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、底辺からの脱出を試みる。(シネマトゥデイより抜粋)

今作品は様々な映画のエッセンスがホアキン・フェニックス演じるジョーカーに宿っている。

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労働者の個人の尊厳が失われた資本主義の世界で働く工員であり、(モダンタイムズ)

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現代都市の狂気と混乱の中で孤独に生きるトラヴィスであり、(タクシー・ドライバー)

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コメディアンとして有名になりたいと考えているルパート・パンプキンであり、(キング・オブ・コメディ)

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自由を求めて精神病院から命を懸けて脱出を試みるマクマーフィである(カッコーの巣の上で)

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そして、今作品での荒廃した地下鉄や街並みは、70年代のニューヨークを彷彿させる。地下鉄シーンや街並みを観ていると、ふと「フレンチコネクション」が頭によぎった。

トッド・フィリップス監督は『「ジョーカー」は、DCユニバースから切り離すために時代設定を1970年代後半~1980年代初期にした。今まで観たジョーカーと、このジョーカーを共存させることは避けたかった。「タクシー・ドライバー」「狼たちの午後」「キング・オブ・コメディ」のような時代に起こった出来事として作りたかったことは確かです。当時(70年代)のスタジオは、キャラクター描写の作品を制作していました。それは効果はありましたね。』と述べている。

今作品はファンタジーの世界での出来事を描いているのではなく、リアリティ溢れる世界を骨太に描いた傑作である。そして、ホアキン・フェニックスの後世に残るであろう名演技を是非堪能していただきたい。


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