人斬り
あらすじ:身分制のために出世が見込めない世の中で、くすぶった生活を続けていた青年岡田以蔵は、ある日、土佐勤王党首の武市半平太より吉田東洋暗殺視察の命を受ける。上洛後、半平太の手足となり数々の破壊・殺戮の実行役となった以蔵は坂本龍馬と出会う。龍馬は以蔵に人斬りをやめるよう忠告するのだが…。
五社英雄監督作品であり、勝新太郎氏が岡田以蔵を演じている。頭よりも先に剣が動く、以蔵。 数々の天誅シーンの勝新太郎の目は狂気爛漫である。
勝新太郎氏の熱演も凄まじいのだが、それ以上に印象に残ったのは薩摩藩の人斬り、田中新兵衛を演じた三島由紀夫氏だ。 三島由紀夫氏は役者ではないのだから台詞の棒読みは致し方ない。しかし、三島氏の気迫は誰にも負けていない。そりゃそうだ、切腹シーンを演じているのだから。田中新兵衛が自分にふりかかった疑惑を晴らすために一切言い訳せず腹を切る場面がリアルすぎて絶句する。切腹シーンの三島氏の凄まじき目力と鍛え抜かれた右腕が美しい。三島氏の切腹シーンは、緊迫感のある大変印象的なシーンであった。
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