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「オンボロ屋敷の桃色ヤモリくん」第13話

「黒猫コムギちゃんと桃色ヤモリくんの誕生」

 今回は、ヤモリくんが、どうして不思議な力を持つ桃色ヤモリくんになったかのお話し。

それは、黒猫のコムギちゃんがオンボロ屋敷の住人となって半年過ぎたころの事である・・・。

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 ある晩の事、黒猫のコムギちゃんは、窓辺で流れ星を待っていた。

「ボクは、孤児になってしまったんだんだ。でも、この家のご住人である草野ハルオさんと、妹のサクラさんに助けてもらったんだ。

そして、今ではこの家の飼い猫となり、2人に、とても可愛がってもらっているんだよ。

でも、2人は、余りお金持ちではないみたいなんだ。それに、お家も、とてもオンボロなんだよ。だから、ボクは・・・」


こう思いながら、コムギが流れ星を待っていると。夜空に明るい流れ星が1つ流れて・・・。その時コムギは、急いで

「だからハルオさんとサクラさんには幸せを届けたいんだ。」

と願ったのだった・・・。

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 そのコムギの思いを、窓枠の上にのって聴いているものがいた。

ヤモリくんだった。

長い尾を引いた流れ星は、最初黄色に光っていたが、やがて桃色に大きく光って流れ星は消えた。しかし、その光は、ヤモリくんの目にキラキラと輝いて映ったあとも残像となり長いあいだ残っていたのだった・・・。


 その黒猫コムギちゃんの、流れ星への願かけを聴いていたヤモリくんは思った。

「そうか・・・、でもコムギちゃんは、なんて優しい良い子なんだろう。そして、この家のハルオさんにサクラさんも・・・。」

「ヤモリのボクは、人間たちのあいだでは家を護るとも言われているのに。なのに、ボクは、このオンボロ屋敷に住むハルオさんの事もサクラさんの事も、黒猫のコムギちゃんの事も何も知らなかったんだ。」

「コムギちゃんが、そんな事を想っているのなら。ヤモリのボクとしても、この家のみんなの為になんとか力にならなければな・・・」と。

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 しかしヤモリくんは、コムギが心の中で思っただけなのに、なぜコムギの思った事が分かったのだろうか?

動物同士だけに存在する、テレパシーのようなものなのだろうか。

それとも、コムギの事故で亡くなった母猫の魂の力なのか、あるいは神様の力か・・・。

いや、やはりコムギの流れ星への願いが叶ったからなのだろ・・・。


 これが、ハルオとサクラを助けるヤモリくんの誕生の話である。

それからのヤモリくんは、流れ星のパワーか、神の力なのかは分からないけれど。

とにかく、ハルオとサクラの夢の中にあられては、桃色に光るヤモリくんとなり。

2人と、コムギちゃんの力となるべく夢のお告げを伝える不思議な力を授かったのだった・・・。

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連載小説(不定期)

「オンボロ屋敷の桃色ヤモリくん」第14話「ハルオとヤモリくん」
へ つづく

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「オンボロ屋敷の桃色ヤモリくん」第13話「黒猫コムギちゃんとヤモリくんの誕生」

終り

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コメント 2020-07-15 154257

2020.10.10 2023.12.19修正





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