運転スコアが低くなる魔の3時間とは?53万時間の走行データから紐解く安全運転のコツ
ソニー損保が提供する運転特性計測アプリ「GOOD DRIVE」。
2022年1月からはアプリの利用対象者をソニー損保のご契約者以外にも拡大し、安全運転の輪を広める取組みが始まっています。
前回は、アプリ誕生の経緯やアプリに込められた思いなどをご紹介しました。
今回は、実際にユーザーの走行データを解析する担当者に話を聞きました。データから見えてきた、危険運転をしがちな時間帯や安全運転のコツをご紹介します。
53万時間の走行データから読み解く、ドライバーの傾向
「GOOD DRIVE」は、スマートフォンのGPSや内蔵センサーを活用して、利用者の運転傾向を計測するアプリです。
Hさんは日々、GOOD DRIVEを通じて蓄積されるデータ※と向き合い、解析を進めています。
※ソニー損保の自動車保険のうち、「安全運転でキャッシュバックプラン」(GOOD DRIVE)のご契約者の走行データが対象です。
GOOD DRIVEはエンジンをかけてから切るまでの間を一回の走行として、
スマートフォンに内蔵されたセンサーとGPSを活用し走行データを計測。
データの評価は、アクセル・ブレーキ・ハンドル操作の良し悪しと走行中のスマートフォン操作の計7項目が対象になります。
ソニー損保の自動車保険のご契約者※による、延べ53万時間の走行データ(対象期間:2022年5月〜12月)を解析したところ、Hさんは運転時間帯と運転スコアにおいて、ある傾向を発見します。
「ソニー損保で自動車保険を契約されているドライバーの走行データ※を集計しています。今回、一定期間の走行データを集計し分析を行った結果、目立った2つの傾向がありました」
※ソニー損保の自動車保険のうち、「安全運転でキャッシュバックプラン」(GOOD DRIVE)のご契約者の走行データが対象です。
運転スコアが低くなる魔の3時間が判明
Hさんの分析によって明らかになった2つの傾向。
ひとつめは「早朝時間帯のハンドル操作の悪化」です。
「他の時間帯に比べ、午前4時から6時にかけてBADハンドルと判定される挙動が急激に上昇する傾向が見られました。特に午前5時前後は突出して増加しており、日中時間帯の約2倍の頻度で発生していました。
GOODハンドルと判定される挙動は、深夜時間帯から早朝時間帯にかけて発生頻度が下がる傾向にあり、特に午前4時から大幅に減少し、6時頃に最も減少します。その後7時からGOODハンドルが増え始め、9時には日中に近い高水準に戻りました」とHさん。
2つめの傾向は「深夜時間帯のアクセル操作の悪化」。
Hさんは、ハンドル操作に比べてアクセル操作は、より早い時間帯からBAD判定が増加する傾向が見られるといいます。
「午前2時以降、BADアクセルの判定回数が上昇し始めます。午前4時に増加のピークを迎えますが、午前5時からは正常化に向かい、6時には全時間帯を通して最も少ない水準まで回復します。一方、この時間帯のGOODアクセルはやや減少傾向にあるものの、他の時間帯と大きく変わらないという特徴があります」
これらの傾向を反映してか、時間帯別の平均運転スコアでは、午前4時から7時までの3時間のみ87点に届かず、他の時間帯や24時間平均のスコアを下回るという集計結果が出ています。
Hさんはスコア低下の原因をBADハンドル・BADアクセルの増加およびGOODハンドルの減少にあると分析。「交通量の減少」「歩行者の不在」「明るさ(視界)の変化」に要因があるのではないか、といいます。
「深夜時間帯は視界が悪くなるため、スピード感覚を失いやすくなります。また時間帯が遅くなるほど交通量が減るため、ついアクセルを踏み込んでしまうのではないかと推測しています。逆に早朝時間帯は、徐々に外が明るくなるにつれて視界が広がることで、BADアクセルが減少しているのではないでしょうか。
しかし、交通量や歩行者が比較的少ない時間帯のため、日中よりもスピードを出してしまう傾向が読み取れます。そのため、加速が大きい状態でのハンドル操作が増加し、結果としてGOODハンドルが減りBADハンドルが増えてしまうのでしょう」
こうした分析結果を踏まえ、Hさんは改めて安全運転のためにGOOD DRIVEを活用してほしいと呼びかけます。
「深夜から早朝の時間帯にかけて運転される方は、レジャーや出勤など目的はそれぞれだと思いますが、目的地までの予定時間が決まっている方が多いと思います。『時間までに到着しないといけない!』という焦りから運転が荒くなってしまうかもしれませんが、GOOD DRIVEを通じてご自身の運転を客観的に振返り、安全運転を習慣づけていただきたいです。
GOOD DRIVEはBADアクセルやBADハンドルなどによる減点だけでなく、理想的なドライビングへの加点も行うのが特徴です。そのため、運転スコアが下がったとしても、より多くの加点操作を計測することで運転スコアを回復させることができます。楽しく気持ち良い安全運転の実現に、ぜひGOOD DRIVEを活用していただければと思います」
「運転スコア計測ならソニー損保」を目指して
Hさんは今回の分析のために膨大な量の運転データを調査。
その中でGOOD DRIVEを利用するお客様からの声にも触れたといいます。
お問合せの多くは「減点の理由を知りたい」というものですが、そこに添えられた一言にHさんは大いに勇気づけられているそう。
「お客様からは『計測後の運転スコアを確認するのが習慣になった』『加点された項目をみるのが楽しみ』といったお声もいただいています。一方で『減点された項目を次回から気をつけるようにしている』というコメントを読んで、安全運転のお手伝いができていると実感します。『より一層使いやすいアプリにしてほしい』というご要望にお応えできるようにしていきたいです」
GOOD DRIVEに携わるようになり約1年。今後はGOOD DRIVEで取得できるデータの種類を増やし、より詳細な走行データの分析を行いたいと先を見据えます。
「将来的には、取得できるデータの量だけではなく、データの種別を増やして分析の幅を広げ、さまざまな角度からお客様の安全運転の実現にアプローチするのが目標です。
現代の自動車技術の発展はめざましく、いずれは運転スコアの計測機能を搭載した車が登場するでしょう。その機能が広く普及するまでは、GOOD DRIVEがドライバーの安全運転サポート役を担いたいです。『スマホで運転スコア計測するなら、ソニー損保』といわれる存在になれるよう、GOOD DRIVEの魅力を高めていきたいと思います」
まとめ
今回は、走行データから運転スコアが低くなりがちな時間帯や安全運転のコツをご紹介しました。
今後もGOOD DRIVEに関する記事をnoteに投稿していきますので、引続きよろしくお願いいたします。
■運転計測アプリ「GOOD DRIVE」の誕生ストーリーに関する記事は下記をご覧ください。
運転計測アプリ「GOOD DRIVE」で社会に安全運転を広げる
https://note.com/sonysonpo_jp/n/n1dee1a16fa73
上記内容は掲載当時のもので、現在と異なる場合がございます。