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ソニーのエンジニアが理工系学生に伝える”大学での学びの意義"@奈良女子大学

ソニー広報HTです。暑い夏も9月に入り少し和らぎ、学校生活も再開しましたが、今回の記事ではソニーのエンジニアと学生・生徒の皆様との交流活動の取り組みについてお伝えしたいと思います。

ソニーでは、理工系分野におけるジェンダーバイアスの解消及びダイバーシティの推進をテーマとした多面的な活動と、次世代人材育成に取り組んでいます。その一環で、昨年4月に日本で初めて女子大学として工学部を設立した奈良女子大学と、多様な次世代理系人材の育成が重要である事に共感し、産学連携した取り組みを進めています。
理工系を進路として選択する女性、そしてそれをキャリアにつなげていく人材が少ないという実態に向き合い、背景の一つにあるジェンダーバイアスの解消に向け、こうした交流活動を積み重ねています。具体的には、学生たちに企業で働くエンジニアのキャリアに対するイメージや関心を広げながら技術への理解を深める為、この取り組みにグループ各社が参加し、大学の1、2年生向けにソニー製品に関する技術啓発とキャリア教育を目的とした講義を実施し、さらには中学高校生にむけた技術ワークショップなども企画しています。

今回は、7月下旬に実施した講義の模様をご紹介します。社会で理系職種を視野に入れている大学生の熱意に触れた講師陣のコメント、奈良女子大学の先生・学生の方々のお声などをお届けします!

プログラム詳細はこちらのページからご覧いただけます👇👇👇

講義のテーマは、「①ライフサイエンス分野※、細胞分析装置のがん治療への活用の可能性と期待、②人間中心設計という商品開発手法」について。
上記テーマとともに、「学問との向き合い方、考え方」が、現在の業務の向きあい方にどのように生きるか、講師陣から学生の方々に語られました。


◇今城美紗さん(担当講義:細胞分析装置のがん治療への活用の可能性と期待)

               細胞分析装置の商品企画職を担うソニー㈱今城さん                                大学時代に機械工学を専攻。新卒時は異分野の職種だったが、手を挙げて現職に異動した

講義を担当することに決まり、学生時代を自分自身で振り返ったとき、まず浮かんだのが「学生当時、今学んでいることがどのように社会にいきるかのイメージがわかなかった」ことでした。社会での働き方をイメージするときに、各会社がどのような技術をもち・事業を行っているかまでを知ることができても、組織内の各職務で何が求められているかまではなかなか知ることができなかったと思っています。

 例えば、理工学系の知識や経験は、実際にはエンジニア以外にも企画職など色々な職種で生かすことができます。私自身の仕事である商品企画は、お客様のニーズを知りながら、同時に商品開発を担うエンジニアが日々挑む技術課題などを正確に把握する知識が求められます。意思決定するには、エンジニアと共通言語で会話し、認識を合わせていく過程がとても大切です。
今の学びの意義を落とし込んで理解ができると、次にどう生かせるか、キャリア選択を含めた自分の将来像の解像感を上げられると今は思います。

※ソニー細胞分析装置に関する商品技術の一例はこちらをご参照下さい。

◇岩瀬綾子さん(担当講義:人間中心設計について)

      ソニー㈱岩瀬さんは2児の母。お子さん達には「人生は一生学びであること」、           「学び続ける姿勢」を自分の背中で見せていきたいと語ります

理工学系の女性の働く姿を、講義を通じてイメージしてもらうことにも意味があると思っています。私自身、高校で理系を選択した時は少数派でしたが、自分の興味に向き合うと自ずと答えは一択でした。一方で、周囲の友達に伝えるのが憚れるような空気もありました。小さいときに感じた暗黙のバイアスや、言いにくい雰囲気などが今後変わっていくと良いですね。

この講義は大学生の方々が対象ですが、小中高校生のお子様にもお伝えしたいのは「幼少期の遊びを通じて触れた科学現象、理科の授業で習う現象などに興味を強く惹かれ、学びたいという思いがあるのだったら、どうぞその思いを大切に育てていってほしい」ということです。

◇奈良女子大学 研究院工学系 中田大貴教授 ※包括連携プログラム推進ご担当

工学部の授業カリキュラムを産学連携で推進されている奈良女子大学の中田教授

今回の授業では、女性エンジニアの方にお話しして頂けるようにお願いしました。学生には、今学んでいる基礎的知識が、商品開発のどういったことに繋がるのかを理解できること、また、大学生の間に学んでおくべき知識を自ら理解し、主体的に学ぶことを期待しています。
さらには、今後、女性として様々なライフイベントを経験していくにあたり、実際にどのようにキャリアを形成していくのか、そのロールモデルがあると学生達の心配も減るだろうと思い、この授業を設定しました。
今後も、主体的に考えて行動に移せる学生のさらなる輩出にむけ、是非ご協力頂きたいです。

◇参加学生の方々からのお声

今回の講義は、ほかの方のお話とは少し内容が違って、製品を作り出すときの考え方、モノを売り出す側のしていることや考えることを知ることができました。何か商品化したいと思っていても、そのプロセスや計画の立て方、消費者のことを考えられていなければうまくいかないと思うので、将来開発をしたくなるかもしれないわれわれにとって基本で大切なお話だったと感じました。

ソニーが持つブルーレイ技術が、細胞分析装置に利用されていることに加えて、新しいがん治療法に携わっていることに非常に驚き興味を持ちました。高い技術や専門性を持っていれば、それが娯楽目的の技術でも思わぬところで社会貢献につながるのだと分かり、私も分野を問わず興味を持ったことに取り組んでみたいと思いました

人が使いやすいモノを造るということを実現するためにユーザビリティテストでユーザーがどのように考えながら機械を操作するのか、またどのようなミスをするのかを知るということが大切だということを知りました。確かに、作り手には当たり前だった認識が使い手にとってはそうでないということは、よくあることでありながら中々気づけないものなので、ユーザーからのフィードバックは製品開発の上でとても重要なものであることに改めて気づかされました。

   授業中に疑問に思ったことを、学生の方々はスマホ専用フォームから自由に質問できる。                  途切れることなく寄せられるご質問の数々に、講師陣も正面からお応えしました。

科学する心、理工系の学びを社会に実践していく醍醐味をお伝えする活動、これからもさらに続きますので、どうぞ乞うご期待ください!

なお、ソニーでは、理系女性人材の採用や人材開発に継続的に強化して取り組んでいます。2024年度のソニー株式会社新卒入社予定者(理系職種※)に占める女性比率は、過去最高となる約3割を見込んでいます(※理系職種とは、エンジニア・研究職含めた技術系職種を指す)。今後も、次世代理系人材育成に向けて中長期の視点で取り組むとともに、ソニーが多様な人材が働きやすい環境であることを継続してお伝えしながら、国内におけるジェンダーバイアスの解消に向けて機運醸成を図っていきます。         (9月22日追記)

執筆:広報部HT
「学生の皆さんの授業中やその後の感想の熱量に触れて、
私自身も多くの刺激をいただき、交流の意義を強く感じました!」


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