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リモートワークでも油断すべからず、怪我の話

新型コロナの流行がこれだけ長引くとは誰が想像できただろう。
非日常も、慣れれば日常。
いまやリモートワークは当たり前になっている。

ただでさえインドアなのに、さらに外出しなくなる。
腐ったミカンがさらに腐るようなもの。
腐ったミカンを放置するとどうなるか教えよう。
白から緑に変わり、毛が生えて、だんだんしぼんでいくのだ。
それに近い状態が1年あまり続こうとしていた。

腐ったミカンから脱却したい。
そんな思いで久しぶりにカメラを担ぎ、夜の海岸に出かけた。
AM3:00。
真っ暗な海岸で撮る天体は言葉に表せられないほど綺麗だ。
慣れた手つきでカメラをセットし、あとは星が昇るのを待つだけだった。
星を待つ間、何を思ったか岩場でジャンプしながら暇をつぶしていた。

だって、岩があれば誰でもその上をジャンプしたくなるもの。
目の前にメシがあれば食うし、エロ本があれば手に取る。
そんな人間の本能に則ったジャンプをしていただけだ。

オレは派手に足を滑らせ、大きく転倒。顔面と左手を岩に強打した。
顔は血まみれになり、手の指はぽっきり折れてしまった。
スマホで自撮りすると、まさに潰れたミカンのようだった。

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誰のせいだろう。
雲ひとつない澄んだ星空。運動不足。
真夜中。不注意。油断。承認欲求。
―違う。

100歩譲っても自分のせいだ。

本来なら即救急車を呼ぶべきシチュエーション。
心からの緊急事態宣言。でも、もう意地になっていた。
天体だけはなんとかカメラに収め、自力で運転して帰宅した。

翌日、病院で顔を何針か縫った。
指も複雑な折れ方をしており、そこから約1カ月の固定生活。

心も体も文字通りポキポキだ。

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幸いにもリモートワークのためボコボコのツラで通勤せずに済んだ。
当然、仕事には支障が出た。
片手が満足に使えないってだけで、
精神的ダメージがこれほどとは思ってもみなかった。

手の骨が完全に癒合してからはリハビリが始まった。
可動域を広げる訓練や、握力強化をする訓練。
何度かリハビリに通う内に気が付く。意外と若者の患者が多ことに。

リハビリを受けにくる人は年配、というか老人ばかりと思っていた。
理学療法士に聞くと新型コロナの影響で患者の層も変わってきたとのこと。
外出の機会が減ったため患者数は減っているものの、
年齢層は少し若返っているらしい。

オレと同じように、リモートワークで鈍った体を急に動かしたりして、
思いもよらぬ怪我をする人がやや増えているのだ。
急な走り込みなど激しい運動からウェイトトレーニングまで、
実に様々な原因で若者の怪我人が続出している。

誰もが腐ったミカンからの脱却を試み、失敗したのだ。
私だけじゃない。
リモートワークというプリズンからブレイクできなかった人たちがここにいる。
笑うがいい。蔑むがいい。怖くはない。だってミカン仲間がここにいる。

怪我をして改めて痛感するのが、体が万全でないと仕事や趣味、
そして私生活まですべてのモチベーションが激下がりするということ。
歩くモチベーションすらなくなる。まともな精神状態ではいられない。

リモートワークでメンタル不調者が増えているとネットニュースで見るが、
怪我するとそこへモチベーションの低下がフュージョンするから、
そりゃヤバいに決まってる。

あの頃ああしておけば。と思うのはいつだって事後だ。
デスクワークだから、リモートワークだから、
普段人と接することがないから、なんて油断していたらこのありさま。

皆にはオレと同じような目に合わないよう日頃から油断せず、
万全な体調管理で日常を過ごしてほしい。

健康は金では買えないのだ。

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【プロフィール】Game&Watch

新卒で入社したのはゲームやウェブサービスの会社。約3年勤め退職後はカメラマン兼ライターとして人材業界の広告代理店に入社。ITやガジェット、ゲームが大好き。パソコンはお友達。テクノロジーのトレンドや働く意味を常に考え続けている。

「ITやモノづくりの世界を身近に感じてもらいたい」そんな思いでこのnoteを始めました。書き手は全員転職経験者。実体験にもとづくエピソードや、転職に役立つかもしれない小ネタ、気になるニュースなどをざっくばらんに更新していきます。気に入っていただけたら、ぜひサポートをお願いします!