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ちょっとタメになる海外生活ネタ⑨ヨーコはラクダ🐪が欲しかったのか?エジプト

 こんにちは。暑い中訪問ありがとうございます。

 日本もどんどん暑くなってきていますね。私が暮らす北海道。子どもの頃はクーラーなんて考えたこともないくらい涼しい夏でした。初めて夏に東京に行ったのは3歳の時ですが、今でもあの刺すような陽射しが感覚として残っています。

 エジプトに初めて行った時は、その感覚がよみがえりました。そういうわけで、今日はエジプトのカイロでの話を書こうと思います。

 写真はエジプトのものではなくメキシコのテティオワカンです。メキシコにピラミッドがあることを知らない人が多いので載せてみました。

 

イメージ通りとにかく暑いカイロ


 エジプトと言えば砂漠。砂漠と言えば暑い。エジプトに対して私は、そんなイメージを持っていました。

 初めてエジプトに着いたのは6月ある日の未明。空港で明け方まで始発のバスを待とうとするものの、空港から出ないといけないと言われ慌ててそこに居合わせたフィリピン人の中年カップルと客引きのタクシーで市街地のホテルまで行くことになりました。

 空港から街中までは生ぬるい風を浴びながらボーッと景色を見ていました。砂漠などは全くなく、アスファルトの道路が続き街路樹にはヤシの木🌴が並んでいました。

 ひとり旅で貧しそうに見えたのでしょう。そして、ホテルに着いてみると空室があとひとつしかありませんでした。客引きの男達は、私に
「そこの夫婦と一緒の部屋に泊まりな。料金はいらないよ」
と、無料で泊めてくれたのでした。

 とても優しいご夫婦で、翌日というか夜が明けたらピラミッドの個人ツアーに申し込んでいるので一緒に乗って行って良いと言います。お言葉に甘えて、一緒のタクシーでピラミッドのあるギザまであっという間に着きました。

ラクダが結納金? 

 ピラミッドのあるギザ地区に着いてまわりを見ると、高層ビルが建ち並んでいます。高層ビルの中の一画だけが取り残されたように砂漠になっていてピラミッドがあるのです。ピラミッドのエリアに入ると、またたくさんの客引きがいて、ラクダのライドを売りつけていました。

 夫婦は言われるがままに客引きのラクダに乗って出発。また例によって
「彼らからたくさんお金をもらったから、君は無料で乗りな」
と私をラクダに乗せてくれたのです。

 モハメッドという若い少年が乗ったラクダの後ろに乗せられました。出発してすぐにモハメッドは
「僕と結婚してくれたら、ラクダ5頭と牛5頭、それに羊も5頭プレゼントするよ」とまるで観光案内のように淡々と英語で話しかけてくるのです。

 いやいや、そんなものもらっても困るからと思い、笑っていると
「This is cemetery 」と遠くを指さしています。そして突然流暢な日本語で
「これはお墓」
と言ってきました。

 観光地で不自然な日本語で「安いよ」と話しかけてくる人はたくさんいます。でも、「お墓」という単語を日本語で言える外国人には初めて会いました。

 彼は昔、ヨーコという日本人と付き合ったことがありその時に日本語を覚えました。でもある日いなくなってしまったそうです。今でもまだヨーコが好きで戻ってきたらいいなと言っていました。ピラミッドを見ながら彼と日本語で話すのは不思議な感じがありました。

 ピラミッドの中はただ暑いだけだから入らない方が良いよとアドバイスをくれたり、日陰に布を敷いて私を座らせお水をくれたり、とても紳士なモハメッド。

 最後に
「僕はずっとギザにいる。気が変わったらいつでも戻ってきて。ラクダ10頭にしても良いよ」
と言い残して去って行きました。

ヨーコは戻ってきたのか?

 さて、数年後私は再びカルロスとギザを訪れました。たまたまなのかモハメッドの姿はありません。もしかしたらヨーコが戻ってきたのでしょうか。

 カルロスがラクダに乗っている時に私は客引きから
「結婚してくれたらラクダと牛をあげるよ」
と声をかけられました。エジプトでは結納金がラクダ🐪なのでしょう。



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