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【そのまんまフォルケの振り返り】良い対話の場は、見知らぬ他者とローカルがつくる?

はじめてのプログラムが終わりました!


こんにちは、主催者のみくです!9月に実施した、デンマークのフォルケホイスコーレをモデルにつくったプログラム。南は佐賀県そして東京をメインに8名の参加者が、3日間の旅を共に過ごしました。

北海道のだいたい真ん中にある上川町というフィールドを舞台に、町の人にもたくさんご協力いただきながら実施できました!(ありがとうございます!!!!)

あらためて、ローカルで場をひらいていく面白さを実感したので、今日はそのことについて書いていきたいと思います◎

最後の一枚、パシャ!

”見知らぬ他者”という最高の場づくり要素

初日にお互いどんな仕事をしているの?といった話をがっつり話す時間はあまり設けておらず、3日目の最後の方で「えー!むかし官僚だったの!?」というびっくり体験もするくらい、お互いのことをある意味知らなかった私たち。

ところが、参加者の方が「なんだかずっと昔からの友人のように話すことができて不思議」と最後のチェックアウトの時に話をしてくれました。

その感想を聞いた時、「やっぱりそうなるよね」と確信に近いものももっていたわたし。

ものすごくオープンな性格な方でないと、「私シャイだから、見知らぬ他者と3日も時間を過ごすのはややハードルがあるよ!」と思うかもしれない。

ものすごい矛盾しているかもしれないけれど、そもそも参加者がお互いに「見知らぬ他者」であることが、「昔からの友人の感覚」がプログラムを通して熟成される理由になると思うのだ。

対話において大切な「判断を保留すること」

少し想像してみてみる。
自分のとても仲の良い友人が「転職しようか悩むんだよね」と話し始めたら、まず最初に何を思い浮かべるか?

「Aくんに合うのは、接客業だと思うよ!」と、その方の強みを分析してアドバイスしたり。
「どうして?」と聞きつつ、その回答を聞きながら「あ〜また〇〇から逃げたくなってるんだな〜」と頭の中で判断したり。

色々知っている仲だからこそ、簡単に判断をしてしまって対話ではなくて会話や議論になりやすくなってしまう経験ってあるあるじゃないですか?

最後にみんなで話になって話になってチェックアウト

相手の言葉に耳を傾けながら「転職したいと感じた時って?」と聴き続けるのは、親しい友達や家族の方が意外と難しいと思う。

(実は私にとっても、これがとても難しくて、”聴くこと”はお金をもらっている状態じゃないとできないダメ人間かも・・とよく悩む。笑)

だからこそ、初めましての見知らぬ他者の方が、「自分とは違う」という前提になっていて、「聴かないことには何も分からない」という対話の大切な部分を場に作り出してくれるのじゃないかなと思う。

「相談」を「問い」に変えていくこと

ほかにも、日常の空間の中で友人や家族と会って相談する時って、「前にすすめないといけない感じ」がどうしてもでてきてしまう。

転職について「相談」すると、何かしらの「解決」がセットにならないとダメな気がして、お互いにゴールを求めてしまう。

もちろんそれが大切な場面もあるけれど、もっと解決の手前で深く自分の内省の旅に出た方がいいことだってある。

9月の北海道は日本一早い紅葉シーズン

プログラムの中は、相手は自分のことを全く知らないからこそ「転職について考えていて」と話しながら、「どうして?」を繰り返すうちに、「自分にとってキャリアアップってどういうこと?」という「問い」へと転換し、深くもぐって「対話」する感覚に近くなる。

「転職って悩みがつきないよね」という表面の部分での共感ではなくて、「転職って、前のキャリアを活かさないともったいないって思っちゃうんだよね」という一段おりた内容で共感や、「もったいないって感覚ってよく分からない。どういうこと?」と違うからこその疑問が出てくる。

こうして「相談」が「問い」に姿を変えていくことは、見知らぬ他者という存在がいるからこそ、ほぼ自発的に起きてしまうのではないかなあと思う。

ローカル、だからこそ。


そして大切なのは、見知らぬ他者が揃うだけでは足りない、場を深める要素をローカルで実施すること自体がもっていること。

たとえば、今回のプログラムで実施した問いをたててペアで歩く、Beの肩書きを考える、森の中を裸足で歩く。
どこかでやったことのあるプログラムだったのではないかと思う。ものすごく特別なスキルや秘密が隠されているわけでは、正直全然ない。

でも、どのプログラムもその人にとっての特別で愛の溢れる時間になったのは、それがローカルで行われたからなのだと思う。

①「見知らぬ他者」同士である参加者自身が、「(めちゃくちゃ遠い)上川町に来るぞ」と決めてきた「一人ひとりの意志」

② 何億年前の歴史を体感させられる大自然、小さな虫の鳴き声、雨のにおい、その土地で朝とれた食べ物の味など、「自然との調和」

③ローカルで暮らしをつくっていく人の「まちを愉しむエネルギー」

上げ出したらキリがないし、言語化できない部分もたくさんある。

これらの、参加者のみんながもってきてくれたギフトとローカルにしか醸し出せない味わいが、このプログラムを非日常でぬくもりのあるものへと変換してくれる。

焚き火と、星空と、問いと。

だから、心をこめて、来てくれたみんなにありがとう。
そして、なんだか呼ばれてるかも?と思った未来の参加者のみなさん、お待ちしております!笑

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