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そうだ、医学部やめて税理士になろう!

うつ病になり、医学部を休学している筆者。臨床実習を続ける見通しも立たず、自分の将来に漠然とした不安を抱えながら過ごしていました。
そんな折、親に職業について相談したところ「税理士はどう?」と言われます。

税理士?いいかも!(2秒)

というわけで医師から一転、税理士を目指すことにしました。

税理士とは

ひとことで言うと、税金の専門家です。
税金の計算や書類作成を代わりにお願いしたり、税金関係でわからないことを相談したりできます。

税理士は国家資格を持っており、業務独占を有しています。「業務独占」を簡単に説明すると、上記の税務の代理や税務相談は税理士しかおこなえない、ということです。医療行為は医師だけ、法律事務は弁護士だけ、という決まりと同じです。

決断のポイント

それでは、税理士を即決した理由を述べていきます。

人とかかわらなくてよい

私は他人とのコミュニケーションが非常に苦手です。その場で楽しそうに会話することはできるのですが、とても強いストレスを感じます。相手がたとえ友人や家族であっても疲れてしまうほど。これはコミュニケーション能力ではなく、ストレス耐性の問題だと思っています。

そのため、就職するにも接客業はほぼ不可能と考え、少人数で黙々と進められる仕事を思い描いていました。たとえば、農家、職人、パン屋、ブリーダーなど…

そこで税理士です!
もちろん税理士も顧客対応は必要ですが、平常の業務は数字や書類に向き合う時間が多いです。それに、自分ひとりで黙々と作業を進めることができ、同業者とのかかわりが少なくてすみます。(認識が間違っていたらごめんなさい)

人を相手にしなくていい仕事、私にぴったりです。

税金の勉強ができる

これまでほとんど就労経験はなく、親の扶養でぬくぬくと暮らしてきました。学生という身分を利用し、国民年金もの支払いも免除してもらっていました。そのため、金銭にまつわる知識に乏しく、自分でも危機感を覚えていたところでした。

税理士をめざすとなると、税法についてかなり勉強することができます。普段かかわる所得税や住民税だけでなく、不幸があった際の相続税などにも対処できるようになれば御の字です。詳しすぎて日常生活で必要なレベルを超過してしまいますが、たくさん学んで損することはないでしょう。

どうやって税理士になる?

税理士として働くまでの道のりを調べたところ、税理士試験に合格し、かつ実務経験を2年積む必要があることがわかりました。その後、税理士名簿に登録してはじめて、税理士として仕事ができます。

以下、税理士試験と実務経験について記載します。

税理士試験

国税庁が毎年8月に実施している試験で、合格すると「税理士となる資格」が与えられます。なお、税理士試験に合格しただけでは「税理士」を名乗ることはできません。(ややこしい)


試験内容は、会計に関する科目と、税法に関する科目があります。
驚くべきことに、会計の2科目は必修なのに対し、税法の3科目は9つの中から選択して受験します。税理士って、税法をすべて勉強しなければならないわけじゃないんですね。

しかも、科目ごとに合否が出ます。一度に全科目受験しなくてもいい上に、合格した科目は再受験の必要がありません。難易度の高い試験とはいわれていますが、学習の重点を絞って少数科目ずつ受験するのもひとつの手かもしれません。


受験資格は主に以下の3種類があります。

  1.  学識による受験資格(大学・短大の卒業など、条件あり)

  2.  資格による受験資格(簿記検定1級合格)

  3.  職歴による受験資格(会計事務に2年以上従事など)

大学在籍中の私は、社会科学を含む62単位以上を取得していれば上記1に該当し、受験が可能です。ちなみに、要件を満たしていれば、退学しても受験資格はあるそうです。
いままでちゃんと単位を取って進級してきた私、グッジョブ!

※令和5年度から受験資格が変更され、「法律学又は経済学」から「社会科学」へ緩和されました。教養科目の法律学や経済学を選択しなくても、統計学を履修した医学部生は受験可能に!

詳細は以下のウェブサイトをご参照ください。
税理士試験|国税庁

実務経験

税理士になるためには、2年以上の実務経験が必要です。これは、税理士試験合格の前後どちらでもいいようです。既に税理士事務所などで働いている方であれば、試験合格と同時に税理士名簿に登録できます。

個人的に、この2年間を乗り越えられるかどうかで、税理士として食べていけるか決まると考えています。私にとって、税理士試験よりもハードルが高いといっても過言ではありません。

前述のとおり、人とかかわることが極度にストレスとなるため、人の多い事務所や法人の環境に耐えなければなりません。また、今後のうつ病の容態も読めませんし、状態が良好になっていても再燃・再発のリスクは常にあります。

実務経験を乗り越えて税理士として自立すれば、仕事や職場環境を選べるようになるはずです。できれば就職先が寛容な職場であってほしい、というのが切実な願いです。

今後の展望

昨日、税理士の道へ進むことが突発的に決まりました。
いまは国税庁のホームページを読んで、税理士になる意識が高まっているところです。あ、受験申込書って国税局に取りに行くんですね、へえ。(ご安心ください、郵送でも取り寄せできます)

しかし、まだ先は長いです。まずは合格率約20%の税理士試験が待っています。

ウェブ上で財務諸表論の参考書を試し読みしたところ、何から何までさっぱりわかりませんでした。当然です、これまで勉強したことのない分野なのですから。これから医師国家試験に臨む友人たちと同様、猛勉強に励むことになるのでしょう。

とりあえず参考書を購入し、独学でできるところまでやってみようと思います。今年の8月の試験で、1科目合格できればまずまずといったところです。

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