週末レビュー8月25日:NY串カツ屋台許可取得、教育格差について

今週は9月からQueensで始める串カツ屋台の許可がおりた事が大きな収穫だった。あと、串カツのヘルプの求人を出して、速攻アルバイトの募集があったので、ちょうど今からLINEで面接をするところ。他にも緑茶屋をマンハッタンでやるべく、とある社長のご好意で場所を提供してもらう事が決まった。その他はMBAの勉強と読書、今週はなんと4冊読んだ。その中で、教育格差という本を読んで思う事があったのでそれについて書きたい。

NY串カツ屋台

― 屋台許可取得

今回取得した許可は、NYで行われるフェアにおいてはどこに参加しても良いと言うもの。アメリカ人の友人の名前を借りて取得。それに加えてFood Protection Certificateと言うテストをパスして免許の保持が義務付けられている。これは誰でも取れるが、弟が持っているのでそれを借りた(大丈夫でしょう)。また、今回プロパンガスを使うのでプロパンガス取り扱い許可も消防署に行って取らないといけない。これも誰でも取れる。この免許は裏技使えないので、これだけ取れば、許可関係は全て準備OK。

NYで良く見かける屋台の許可関係については先週のブログに書いているので、興味があるひとは読んでみてください。

― 求人

「Queens Night Marketで一緒に串カツを売ってみませんか?」と言うキャッチコピーがよかったのか時給15ドル(最低賃金)即日キャッシュがよかったのか、速攻応募がきた。アメリカで長年仕事をしている年配の方お二人。どちらも飲食の経験があるので、長年オフィスワーカーだった僕とアメリカ人の友人よりできると思う。こう言うスキルが上の人にものをお願いするのって結構難しいので、面接しながらどう言うコミュニケーション取ろうみたいなことずっと考えていた。

MBA財務の復習

今週は財務の復習の続き。先週企業価値評価のやり方を復習して、今週は応用と言うかその他、リスクマネジメント(先物で失敗した企業の事例)、MBO(ポッカのMBO事例)、敵対的TOB(株式会社ソトー)とか諸々。

ファイナンス業界に行くこともないのになんで自発的に復習を続けるか。それは周りで起きてることを知ったかじゃなくて、ちゃんと理解したいからと言うのが本音かもしれない。ブラジルの事業立ち上げの時も買収チームが話している事とかそのへんの資料を見ても1ミリも理解できなかった。経営企画に異動した時もなんとなくわかるけれども、本当はわからない事ばかりだった。会社をやめた今でも、ニュースやら本やらビジネスの情報に触れる中で賢い奴らは知っているが自分には理解できない。そう言う事があまりにも多い。別にエリートになろうとしているわけじゃない。ただ、どうせ知らないんでしょう?みたいな感じでコンサル、金融の人たちの冷ややかな目を受けて来たのもあると思う。今学校で勉強する事でわからないことをゼロにしておきたいと言うモチベーションなのだと思う。

教育格差

今週は4冊本を読んだ。「ルポ児童相談」慎泰俊(著)、「好きなことしか本気になれない」南章行(著)、「人生の勝算」前田裕二(著)、「教育格差」松岡 亮二 (著)。なんか意識高すぎる感じで自分で自分が気持ち悪いが、まぁ興味があるのでしょうがない。一番面白かったのが、教育格差。これはGojo & Company, Inc.の社長の慎泰俊さんがブログで「格差」に興味があるひとは絶対読んでみてとあったので、早速読んでみた。あまり語り口調は好きではなかったけれど、データの内容はかなり衝撃的だった。日本の教育格差は戦後から全く縮まっていない。また国際的に見ても別に平等ではないんですよと言うのをデータで証明している本。親の経済レベルと教育レベルが低い家庭は塾に通えないなどの機会を失うだけでなく、勉強に対するモチベーションまで失う。義務教育という機会の平等が与えられたとしても、上に挙げた要素によって、幼稚園に入学した時からその格差は火を追うごとに大きくなる。と言う事をロジカルに確かなデータで証明しているだけの本。

僕自身この事に関してはものすごく共感というか、実際に自分に起きた事なのでよくわかる。僕の家庭は僕が10歳になるまで、ものすごく裕福だった。ただ、バブル崩壊の影響を受けて父が経営する会社が倒産。母親も働くようになった。それまでは習い事もしていたし、ご飯も決まった時間、躾もあった。ただ、貧乏になった途端、躾とか、習い事とかあるわけないし、そういうレベルの話ではなくなった。母が切り盛りする飲食店の上で母の仕事が終わるのを遅くまで弟と妹と待っていた。その後親戚のお兄ちゃんが迎えにきてくれるようになったが、母が帰ってくるのは夜中の1時くらいなので、朝と週末以外に母と会う事も激減した。もともと真面目で成績もトップだったはずの自分はこういう家庭の環境悪化に引っ張られるように勉強もしなくなった。追い討ちをかけるように心のよりどころだったサッカーも怪我で「一生激しい運動はできない(今考えるとそうでもなかったが)」と病院で告げられ、サッカーのレースからも落ちぶれてしまった。そこから今考えても悪魔のような人間になってしまった。この本のデータによると、親の経済レベルが高くなくても、親の教育レベルが高ければ、子供の教育レベルは高く維持されると言う。また、僕の10歳までの時のように両親がまともな教育を受けていない場合でも(特に父はまともな教育を受けていない)、家が裕福であればその子供の教育レベルは高くなる傾向にある。まさに自分がそうだったと思う。最悪のケースとして、両親がまともな教育を受けていなくて、貧乏な場合。僕の10歳以降はここに該当したんだなとおもった。とにかくここには書けないくらい荒れまくった。ぐちゃぐちゃになって元々の自分ではなくなった。

自分が中学校3年くらいの時くらいに家庭の経済状況は安定しだした。そのタイミングで、自分のことを心配していた母が、自分は絶対に今の悪いサイクルから抜け出さないといけないと。留学に行きなさいと強制的に背中を押してくれた。そこから奇跡が起きて、運よく大学に入り、就職をする中で、勉強をする意味を理解するようになった。今持っている勉強に対する意識を10歳の自分にできれば刷り込んであげたいが、そんなことはできない。社会に出て、いろんな経験をする中で、やっと勉強する事の大切さを周りから教えてもらえるようになった。そう言う意味で楽天に入れた事は本当によかったと思う。先輩、後輩、同期、お客さん、色んな人の身振そぶりを真似ながら社会人になって初めて、本当の社会性を身につけられたと思っている。

自分の周りで一流企業で働いている人たちと話していると昔威張っていたヤンキー達は今頃自分たちの半分以下の給料で生活しているみたいなニュアンスの話を聞く事がある。なんか自分に言われているような気にもなる。そして怒りよりも悲しくなる。僕も含めてWoking Classの人たちは受験戦争を生き抜いた人たち以上に勉強をして来なかった。義務教育の平等の機会も与えられていたにも関わらず、だらしない。ただ、もし自分が10歳の時に親ともまともに顔を合わせられず、塾に行けと助言されるわけも、勉強だけは絶対にやれと言われるわけでも、そんなお金があるわけでもない家庭に育ったら、そこまで自分を律する力があっただろうか。自己責任でしょ。ではないといつも思う。優秀な人の優秀さはほとんどその家庭から生まれていると思っている。だからまず、その環境と両親に感謝して、そうでない人たちを見るときは思いやりを持ってみて欲しいと思う。

最近TED Talkでものすごく共感するスピーチを聞いた。911が起きたBush政権の時の国務長官Colin Pawell氏が「Kids need structure」といテーマで話をしている。彼自身移民の貧乏な家庭に生まれ、NYの当時の最貧困地域であるハーレムで育った。親は学校にさえ行けば良いと放任だったと言う。近所の教育を受けて来なかったおばさんたちの励ましもありかろうじて学校に行ったと言う。とはいえ、彼は全っっく勉強をしなかったらしい。たまたま、軍隊学校に行きそこで才能を開花させたおかげで、上流階級の世界に入りこめた。その世界はもうハーレムに住む人たちが絶対に入り込めない世界。だからこそ彼はKids Need Structureと、教育を受ける姿勢を子供が持つ事がいかに大事か説いている。みんなが足並みを揃えて学校に来るもっと前、この世に生まれた時から競争は始まっている。しかもほとんど勝敗は決まっている。彼のように奇跡的に自分に向いているものを見つけない限り多くの人が底辺へと落ちぶれていく。親の教育意識、経済状況は幼稚園に入る前から子供に影響を与える。幼稚園に入った時点からすでに格差があり、時間が進めば進むほどその差は開いていく。その差を埋める活動を彼は行なっている。早速Colin Powell氏が支援しているBrooklynの小・中学校にボランティアに行こうと思っている。

https://www.ted.com/talks/colin_powell_kids_need_structure?language=en

本来教育格差の最底辺にいるべき自分が親の奇跡的な大逆転パスと社会に出て出会ったいろんな人のおかげで勉強の大切さを理解する事ができた。自分のように奇跡が訪れる人は相当少ないと思う。だから、少なくとも自分のように本来のシナリオから抜け出せる人を作り出す事に貢献したい。そう思った1週間だった。



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