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おやきの具

長野県民のソウルフードと言えば、やっぱりおやきだろう。
小麦粉や蕎麦粉を使ったもちっとした生地に、野沢菜やナスなどが包まれているワンハンドフード。
子供の頃からおやつや軽食として食べ続けてきた。
わたしはおやきが大好きだ。

高校入学を期に、北海道出身の友人ができた。

彼女は明るい性格で、わたしたちはちょっとしたことで大笑いや大騒ぎをしていた。

ある日彼女におやきの話をしてみた。
すると、こんなことを言われた。

おやきなら北海道にもあるよ。

え❓
おやきって長野の食べ物じゃないの❓

よくよく聞いてみると、彼女が知っているおやきとは、中味があんこであり、逆に野沢菜やナスが入ったおやきなんて聞いたことがないとのこと。

いやいや、あんこのおやきなんて絶対おいしくないよ!やっぱり野沢菜のおやきが本当のおやきだよ❗️

そんなしょっぱいおやきはおかしいよ!おやきと言えばあんこだよ❕

と、言い合いがはじまった。

二人とも、それぞれの故郷で
おやきとはこういう食べ物だ、
というすり込みのもと、
子供の頃から食べていたし、
そのおやきが大好きなのだから譲れないのは当然だ。

あんこ❓

野沢菜❔

そんなおやきは邪道だー‼︎

ということになる。

時は流れ、
わたしは何食わぬ顔であんこのおやきを食べている。
あんこだけでなく、チーズやカスタードクリームなど、長野のおやきにはいろいろなバリエーションが増えた。
そのことを友人に伝えたいけど、
彼女は高校卒業を待たずに天へと旅立ってしまった。

今、また彼女とおやきについて話せたら、わたしはなんて言うだろう。

うん、おいしいよ、あんこ。
いいんじゃない❓
おやきってさ、結局甘くてもしょっぱくてもおいしいんだよね。
でもさー
さすがにカスタードクリームって邪道じゃない❓

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