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コロナと平和と旅行のはなし

緊急事態宣言が解除されて、少しずつ街も活気が戻ってきました。

しかし、北九州市の断続的な感染者増加とクラスターの発生もあり、第二波への懸念が余儀なくされています。

コロナ禍の状況で明らかになってきた社会問題。オンライン授業による学力格差やリモートによる働き方の変化などですね。
それらとは別に、コロナ禍の裏で動いている様々な社会問題。アフリカ・インドの蝗害、アメリカの黒人殺害によるデモなどです。
すべての人が、これからの生活や社会について考える機会にもなっています。

いま明らかになっている社会問題と新型コロナウイルスの状況を踏まえて、平和産業の在り方について考えます。

〇平和産業について|世の中に本当に必要か

そもそも平和産業とはなにか

観光業、娯楽業、ホテル業といった、直接的に人々の生活維持や社会インフラに影響を及ぼさない産業が挙げられますね。
人や社会が平和である前提でその先にある産業っていうイメージがあります。

そのため、いまのコロナ禍のような状況では、真っ先に需要がなくなり、対応も後回しになります。

しかし、「平和産業が不要だから、真っ先に削られるのか」と言われるとそうではないと考えます。

私は旅行会社に勤めているので、旅行業界を例にとります。

旅行とは、自分の琴線に触れる価値観を見つけるもの」であると、私は思っています。
自分の価値観や考え方を整えるものなので、人々の精神的に必要なものだと思います。

これは多くの人が、緊急事態宣言の自粛要請で2ヶ月近い自粛をして経験済みですよね。

平和産業は、生活には不要不急だが、人生に必要なものです。

〇コロナ禍の平和産業|現在の状況

緊急事態宣言が明けて、休業をしていた飲食店や商業施設等が再開し始めました。
しかし、コロナ禍の平和産業は、今でもまだ完全には機能していないですよね。

このまま停滞していたら、旅行業界・飲食業界・イベント業界などは、壊滅的な状況になってしまいます。

そこで政府が打ち出したものが「Go To キャンペーン」です。

「Go To」については、前回の記事で詳しく考察しました。

新型コロナウイルスで影響を受けた業界の需要喚起と地域活性化を目的とした施策になります。

個人的な意見ですが、需要喚起という面でも、感染抑制という面でも中途半端な結果に終わりそうな予測をしています。

そもそも今、なぜ旅行や娯楽に対するハードルが高いのか
もちろん自粛要請や移動制限が影響していることもありますが、感染リスクへの恐怖がマインド的なブレーキをかけていると考えます。

そのため、いくら費用を国が負担するといっても、需要喚起に直接的にはそこまで影響を及ぼさないと思います。お金がそもそもの問題ではないから。

感染リスクについては、現状受け入れ先目線でも、不安な面があります。

緊急事態宣言解除後、私も観光施設やホテルの方とお話をしましたが、決定的な対策をとれている印象はそこまでないです。
これについては、交通インフラなどにも言えることだと思いますが。

しかし、お客さまは増えてほしいというのはあります。
このままでは、倒産・廃業のリスクもかなり高いので。

ただ、環境が整っていない状況で需要喚起を促すのは早計な気がしますね。

「平和産業は人生に必要なものである」と言いましたが、1.7兆円も予算として組み込むなら、先にもっと別の使い道があるはずです。
できるだけ早く対応をしてほしいですね。私も職を失うのはちょっと嫌なので笑

〇なぜ今、平和について考えるのか

先ほど、「環境が整わないのに需要喚起は早計」と話をしました。

では、「環境が整う」とはどんな状態か。

それが、「平和」という状態だと思います。

今現在、コロナ禍でさまざまな社会問題が浮き彫りになり、コロナの影響以外でも世界的に社会問題が騒がれています。
自粛期間でお家でニュースを見る時間なども増え、社会問題を目にする機会も増えたのではないでしょうか。
世界が平和とは程遠い状態であることは、目に見えてわかるはずです

しかし、今までの世界も平和だったとは言えないと思います。
世界各地でデモや内乱があり、環境問題も大きく問題となっていました。

なぜ今になって平和について考えるのか。

世界中の人々がコロナという危機にさらされて、危機に対する当事者意識があるからです。

例えば、1年ちょっと前にフランスで大規模なデモがありました。
このとき、現地の人やフランスへの旅行を考えていた人は、危機に対する意識があったと思います。
しかし、ほとんどの人は「フランスでデモがあるのか。怖いな。」と、どこか他人事だったはずです。当事者意識がないから。

今回のコロナでも、1月に武漢で流行していたころは、あまり意識はしていなかったはずです。もちろん私も他人事でした。
しかし、日本でも3月頃からコロナが流行し始め、急激な自粛ムード。多くの人が、「私も感染するのではないか」と危機を意識しだしました。

コロナ禍の今、世界中の人々が世界の危機に当事者意識を持っています。

平和について考え、平和をつくっていくのは、今なのではないでしょうか。

〇これからの平和と世界のはなし

平和産業が平和の前提にあるからこそ、平和をつくることと切って離せない関係になります。

当事者意識をもって社会問題を捉え、環境を整えていく絶好の機会です。

環境を整えていった先で、旅行などの平和産業への需要喚起を考えるべきなのではないでしょうか。

コロナ禍で世界中の人が最も求めていることは「安心と平和」である、と私は思っています。

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