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なぜSolutionから入ってはいけないのか?

Solutionとはなにか?

Solutionとはその名の通り解決策を意味します。
Howや施策という風に呼ぶ場合もありますが、基本的には同じものだと捉えています。

Solutionは解決策といっているので、当然そこには解決すべき問題(課題)があり、事象として現れているはずです。
そして問題には必ず原因があり、その原因を解決するのがSolutionであると言えます。

そのため、問題のないところに解決策は存在しないわけです。
人は遠くに行きたいが自らの足では限界があるので飛行機や電車、車といった解決策を用いているのであって、もし人間が光の速さで走れたとしたら遠くに行くという目的を達成する上で問題は発生しないので飛行機も電車も必要がなくなります。

問題が存在しない限り解決策は存在しないのです。

問題解決フレームワーク「PCSモデル」

これは私がプロダクトの要件定義を行う時や、組織などで問題が起こった時などに使う問題解決フレームワークです。
ちなみにこのフレームワーク自体は勝手に作っているのでググっても出てきませんが、考え方そのものは5W1Hや、 なぜをベースに考えること、Why からはじまるゴールデンサークルなどと近い部分もあります。

ポイントは事象・問題 < 原因 < 解決策と段々と大きくなっているところにあります。
これは複数の問題に対して解決策がたった一つしかないということはあり得ないということを意味しています。逆に言えば一つの問題に対して解決策は複数あるということも意味しています。

吹き出しでは顧客の声やデータなどをどのように使うかを表しています。
これらは各フェーズでそれぞれ変わってきます。

例えば事象・問題フェーズでは、顧客の声やデータから事象や問題を生成するといった使い方や、仮説で立てた問題や事象の確らしさを検証するために利用することができます。

一方で原因に対しては、問題に対しての原因を考え、その原因の確らしさを検証するために利用することができます。

解決策は実際に行なってみたあとにそれがどのような効果があったかを分析することに利用できます。

Solutionから入ることの何が良くないのか

では実際にSolutionから入った場合にどのようなことになるのか考えてみましょう。
今回「恋愛マッチングサービス」を例に男性のプロフィールを充実させるためにSolutionから考えてみました。

Solution「自己紹介文の入力するページに自己紹介文を充足させると女性からのアプローチが二倍になるとメリット訴求するようにしよう」

このSolutionは一見してそこまでおかしなSolutionではないように思えます。
加えて開発コストもそこまで高いわけではないのでやってもいいかもと思えてしまう気もしますがこれを仮にフレームワークに沿って考えたSolutionだとして当てはめてみます。

<問題・事象>
事象: プロフィール文の少ない男性が多い
問題: プロフィール文が少ないことでマッチングが増えない
<原因>
プロフィール文を入力するメリットを感じていない
プロフィール文の重要性が理解されていない
<解決策>
プロフィール文を入力することの重要性を理解してもらう
<機能>
自己紹介文の入力するページに"自己紹介文を充足させると女性からのアプローチが二倍になる"というヒントが表示されている

さてこのようにまとめてみましたが、問題と事象がどうも決めつけっぽい印象を受けてしまいます。
そこで改めて問題・事象から考えてみると

<問題・事象>
事象: プロフィール文の少ない男性が多い
事象: プロフィール文の少ない男性はほとんどログインしていない
問題: プロフィール文が少ないことでマッチングが増えない
事象: プロフィール編集ページがほとんど使われていない

<原因>
プロフィール文を入力するメリットを感じていない
プロフィール文の重要性が理解されていない
どんなプロフィール文を書いていいかがわからない
長文を入力することが煩わしい
プロフィールの編集をどこからしていいかわからない

<解決策>
プロフィール文を入力することの重要性を理解してもらう
簡単にかけるようにプロフィールのテンプレートを用意する
プロフィール編集の導線をわかりやすくする
文字の入力をサポートできるようにする

<機能>
自己紹介文の入力するページに"自己紹介文を充足させると女性からのアプローチが二倍になる"というヒントが表示されている
作りたいプロフィールのイメージを選択するとテンプレート文が生成される
ホームからワンクリックでプロフィール編集に行けるように
短い質問にいくつか回答することでプロフィールが生成される

このように事象や問題から考えることで、それに対する解決策も複数に増えました。
これによって問題に対する原因設定の確らしさをもとに解決策を考えることで前者ではギャンブルになっていたが、後者ではより確度の高い解決策を実行することができます。

まとめ

今回はプロダクトマネジメントを例にあげましたが、
ビジネスや私生活でも使える汎用性の高い考え方だと思います。
特に人間関係のコミュニケーション課題においては問題提起が感情をベースに出ていることから原因も感情的に考え、事象を無視してしまうと的外れなsolutionに至ってしまうことがあるのは誰でも経験があることだと思います。

個人的にはsolutionには感情があってもいいが、問題・事象・原因を考える時にはロジカルに感情を切り離すことが必要なのではないかと思います。

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